ナノテクノロジーニュース

ナノテクノロジーは日進月歩である。その全貌がわかるよう、日々飛びこんでくるニュースを中心に説明する。

オバマ大統領がアルバニナノテクノロジーコンプレックスで演説

2012-06-30 | 報道/ニュース

ニューヨーク州北部のアルバニにあるニューヨーク州立大学にナノテクノロジーコンプレックスが2009年に設立されている。この大学に設置されたナノサイズ理工学部(CNSE,College of Nanoscale Science and Engineering)を中心とするもので、約2万平方メートルの敷地に15億ドルをかけて建設された研究所を含む。この研究所には、IBMやインテルなどの会社も参画している。サムスンや東芝、東京エレクトロンなども含まれている。約2700人の研究者、エンジニア、学生、教育者が所属しているという。そのミッションは、財政的にも技術的にも優れた環境を作りだし、製造業者に有利な条件を与えナノテクノロジー産業に力を与えることにある(垂直連携)となっている。

講演の内容からもわかるようにオバマ大統領のナノテクノロジーへの期待が大きいようだ(5/1参照)。講演では、CNSEが唯一のナノテクノロジー専門の学部であることを強調し、アメリカ経済の将来がこの地方にかかっているとも述べている。政治的発言も多々あるが、私の興味を引いたのは次の発言である。"我々は他国より低価格の製品を制作することはできないが、良い製品を作り出すことができる。これがアメリカのあるべき姿である。"さらに、雇用を作り出すのは会社である。高い技術環境を作りだし、優れた技術者を多数生み出すことによってアメリカの企業は中国からアメリカへ戻りつつあると続く。
http://www.electroiq.com/articles/sst/print/vol-55/issue-5/departments/news/president-obama-speaks.html

本日の日経新聞にパワーエレクトロニクス分野の共同研究体(TPEC)の記事が掲載されていた。CNSEと似ている点もあるが、研究は文部科学省(大学と研究所では担当局が異なる)、生産活動は経済産業省や厚生労働省と縦割り行政の日本ではうまくいくのだろうか(8/18-9/4参照)。いささか心配だ。


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