四十一、先に説明、後に求道は如何
今世の人々の心は古と異なり、正邪の二つがありますので、必ず人の仏縁を験し(ため)し、人の智慧を見て、真と仮を認識できるかどうかを見た後に、道を伝授するのであります。
もしも先に説明して解るようでは仏縁があるとは申せません。
神仏が相伝えた心法であり、古の聖者も尚軽く人に洩(も)らさぬ道を、どうして平凡な凡夫に伝える事が出来ましょうか。
故に『道はその時にあらざれば降(くだ)らず、その人にあらざれば伝えず』と説かれました。
現在道が大開して普く衆生を渡すと雖も、又必ず先に求道しようとする誠心誠意がなければならず、その真実を験した後に道を伝授するのであります。
そうでなく、誰でもこれを軽く洩らしたならば、自ら天の譴(とが)めを招くのであります。
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