真説・弥勒浄土      

道すなわち真理の奇蹟

天道推奨~斯(か)くて天は道を降された

2024-05-05 21:47:50 | 天道推奨

斯(か)くて天は道を降された

天然弓長祖(てんねんゆみながそ)は天命を拝受(はいじゅ)なさいまして諸々の霊魂に苦を抜いて楽を与え、厄を払って福を授け、死を了(おわ)らせ長生の法を賜るご慈悲深い師であります。

表面は、幾分、冷静緩和なるかの如くみえる現今の世情は、一歩間違えば惨憺(さんたん)たる廃墟(はいきょ)に変貌することは容易であります。

末世的症状は幸福の絶頂に酔っている人を容赦なく不幸のどん底に突き落とす冷酷無情な時期であります。

一夜の内に歓喜が急転して悲哀となり、繁栄が一遍して没落となる極端な時代であります。

事々に人の意表を突き、計劃を覆(くつが)えし、希望を絶やし、人の憶測(おくそく)や想像に反して災難が惹起(ひきおこ)るのであります。

御聖訓によりますと、この種類に三災八難、五魔八十一劫がありまして、すべては淘汰の対象となると仰せられています。

罪の清算は何人も区別なく、一番、安穏平和に偽装された世の虚を衝(つ)いて捲き起ったり、或いは落ち目の隙間に忍び込んできて打ちのめしたりします。

好事(こうじ)、魔多し、天災は忘れた頃に来ると云われますが、貪婪(どんらん)極まりない人間は目を皿にして瞬間的な現実の享楽(きょうらく)のみ追うて狂奔(きょうほん)しております。

故に似て非であり、模擬にして実がない種類に眩惑(げんわく)され、誤魔化(ごまか)されて無防備な形となってしまいました。

玲瓏天真(れいろうてんしん)な慧智(えいち)が汚染され、痲痺(まひ)されて真実を見定められず眼先の欲望に昏(くら)んで大事を忘却してしまったのであります。

今の世情は未だ曽(かつ)てない程、不気味にして陰険であると申して決して過言ではありません。

科学を過信し、機械文明に依存し、物質合理性に重点を置いて魂の帰宿を失い、心の支えに迷い、精神の安定を欠き、末端の物事のみを争って本質根源を逸脱(いつだつ)してしまいました。

疑似宗教が跋扈(ばっこ)し、異端邪説を誦(とな)え、真正の姿から遠離(おんり)しています。

飽くなき不正常の因業を重ねた人達はやがて焦獄(しょうごく)の苦の結果を招来するのは決して偶然でも皮肉でもありません。

当然の成り行きであります。人間の悪い習性は悪運に直面しても尚、過失を自認せず、責任を他に転化して運命を怨み、神仏を呪い、周囲を罵倒(ばとう)しますが実に軽薄なことであります。

詩経に「天の未だに陰雨(いんう)せざるに迨(およ)んで牖戸(ゆうこ)を綢繆(ちゆうびゆう)す。」とあります。

つまり未然に窓や戸をしめて、暴風雨に対する用意をすることでありますが、何故にわれわれはもっと過去を検討し、未来を察知して理を突き詰めて考え、事の根本由来を悟り、道に就き而して正しくないのか、予(あらかじ)め危難を防禦(ぼうぎょ)しようとしないのか、永遠の生命を求めようとしないのか、果たして何歳までこの世に貪恋しようと思うのか実に嘆かわしい限りであります。

若干の善的行為に対して十倍の応報を期待し、僅少の施しに多大の報酬を求めようとする。

露見して始めて事の重大さを知り、事が過ぎた途端に忘れる人間は己の行為と考えで都合よく正当化し、善意的に解釈してしまいます。

これは誠に天理に違悖(いはい)し、弊害を引き起こす最も下劣な感念であります。

故に何時まで経っても苦の埓(らち)が尽きないのであります。

斯くして、我々は過去に無限の乱行を重ね、全く度し難い状態に至りました。

けれども「天道は人を殺さず。」で悪に禍いあっても善に禍いを与え給わぬものであります。

幸いにも宇宙創造の神であり、万霊の御親である無生老〇(ラウム)の特別の思召(おぼしめ)しに依りして門外不出の心法が一般的に世に弘布されたのであります。

心ある人に口授心印(こうじゅしんいん)を伝え、心眼を開き、無明を破り、本然の真如に立ち戻らそうとしておられます。

四海の人類をみな同胞として扱い、兄弟姉妹として平等に済度することを使命としています。

不可能を可能にし、挽回できない程に頑な心になった人々にも解脱の機会を与えようとしています。

「人々の苦の因果と輪廻を無くす。」これは天道の大理想であると同時に着々とそれを実現して救って下さっております。

人間には万事「縁」と云うものがあります。

御縁は決して遠い所に在るのではありません。

本文を読まれて若し肯(うなづ)ける点でもありましたら、あなたの天道の縁は既に歯車が回転し始めたのであります。

この縁を強くするか弱くするかは一(いつ)に御加減次第に依る訳であります。

悪の因果を断絶する機会も発心の意念によって得られることを悟って頂きたいのであります。

続く

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