GREEN NOTE

ワイルドグリーンディスカス中心のアクアリウムブログです

幼魚育成一問一答

2013年05月16日 | ディスカス繁殖

仕事で缶詰め生活が長く続き、すっかり足腰が弱って体重もやばかったです。
今週は空いた時間を徹底的にスポーツジムに費やし、筋力も戻りつつあります。
iphoneに好みの音楽を入れ、イヤホンで聴きながらタップリ2時間トレーニングに費やすのですが、
お気に入りのアーティストは椎名林檎姫…
ランニングBGMはアルバム「深夜枠」から抜粋した「ハンサム過ぎて」で決まりです(笑)
体も軽くなってきたことだし、そろそろ山登ろうかな?

さて、以前の記事で「幼魚育成には清浄な水が大切」というような事を書いたのですが、
魚にとっての清浄な水とは何ぞや…?
これは言ってみれば禅問答のような物で、人によって回答が異なる奥が深い問題です。

最濾過を持たせず水換えに頼る。
濾過に頼り、水替えを抑える。
濾過と水換えの両方に頼る。

いずれも状態良く幼魚育成が出来ているなら、ある程度は清浄な水で育成できているという事です。
とは言え、濾過を持たせたり持たせなかったりと言ってみれば正反対の管理ですからややこしい(笑)
最近この、水質管理を含めた様々な質問をメールでいただく機会が増えているのですが、
中には具体的に的を絞った良い質問があり、同じ事を悩んでる方は他にもいらっしゃるはずです。

そこで…今回のディスカスネタはいつもと少し趣向を変えて、幼魚育成に関してメールで頂いた
質問に私が答えたものを一問一答形式でそのまま載せてみます。
この先、繁殖を楽しもうと考えている方の参考になれば幸いですね。
(質問をいただいた方には掲載の許可をもらってます)


Q1.稚魚を親から離すタイミングはいつでしょうか??長く付けている方が、先の免疫の話では
   有利な気がするのですが、日光岩魚さんは、どうされてますか?

A.私の場合、親から離すのは体着後2週間~20日くらいです。(仕事の状況により変わります)
   ただし、ブラインは体着後5日くらいから与えはじめます。
   最初は少量ずつ与え始め、底に沈殿した食べ残しのブラインはこまめに吸い出します。
   水換えも徐々に増やし最終的には親の背丈ギリギリ暴れないくらいまで水を抜き、
   毎日水替えを実施しています。
   体着期間とブライン給餌期間を長めにラップさせるのは、ブライン捕食の開始に個体差があり、
   成長にムラを出さないためです。
   免疫云々については、早く親から離した事(1週間くらい)もありますが、とくに免疫が弱くなったとは
   感じませんでした。ただし、成長速度は若干遅くなります。
   また、ブラインはあっというまにスポンジフィルターを詰まらせるのでメンテが必用になりますが、
   このフィルター管理が肝でして…フィルター管理の方法は後に述べさせていただきます。


Q2.稚魚を親から離したあとのどんな環境で育成してますか??水槽の大きさ、フィルターは??

A.水槽は産卵時から使用している60X45X45をそのまま育成に使い、親だけを別水槽に離します。
  フィルターはダブルのスポンジフィルター1基とエアレーション用のエアストーン1個です。
  幼魚の場合、エアレーションは重要で、匹数が100匹前後もいたらエア無しでは
  あっというまに酸欠になります。
  ブラインも水中で呼吸していますから、ブラインをタップリ与えた直後は特に
  溶存酸素が不足してきます。
  私は一度、ブライン給餌の際にガラス蓋でエアチューブを挟んでしまった事に気付かず、
  エアレーションもスポンジフィルターのエアも止めてしまい、2時間足らずで100匹以上の稚魚を
  酸欠で全滅させてしまった事があります。


Q3.フィルターを使用されているとしたら、そのフィルターの管理はどうされてますか??

A.フィルターはスポンジフィルター1基ですが、フィルターメンテは気を使っています。
   ブラインの死骸や混入した殻はあっというまにスポンジを詰まらせます。
   赤虫に切り替えても幼魚は大量給餌が必要なためフンや汚れでやはり1日で詰まりドロドロです。
   こういう状態のスポンジを長く使ってはダメです。かえって濾過状態を悪化させてしまい、
   幼魚は調子を落としてしまいます。
   私が最初に繁殖を行った時は毎日全換水とスポンジを徹底的に洗っていましたが、これをやっていると
   スポンジのバクテリアはあっというまに無くなり
   ただのゴミ取り物理濾過になってしまいます。
   そこで実施しているのがスポンジフィルターローテーション。
   うちの場合、成魚の観賞用水槽(120と90)が4本あり、それぞれ4本のダブルスポンジフィルターが
   稼動していて、計16セットのスポンジが付いています。
   幼魚水槽の水換えを行う時に成魚水槽からこのスポンジを1セット抜き出し、飼育水で軽く濯いで
   幼魚水槽に取り付けます。成魚水槽には綺麗に洗ったスポンジを新しく入れ
   16セットのフィルターを16日かけてローテーションしている訳です。
   こうする事で目詰まりの無いバクテリアがタップリ湧いたスポンジを毎日幼魚水槽で使え、
   成魚水槽のスポンジも順次メンテナンスできます。
   つまり、毎日全換水+スポンジフィルターローテーションですね。
   これでも1日の終わりには水が濁って水質は悪化しますが、濾過無しや詰まったフィルターの
   長期使用よりは状態は良いです。


Q4.エサの与え方はどうされてますか?ブログでは日に4回ほど与えるとありましたが、
一回の量はどれくらいでしょうか?

A.エサの与え方ですが、まずはブラインについて。
   ブラインは一回の分量(3~5グラムスプーン1杯くらい)を500mlペットボトル1本に入れ、
   4本を時間差で沸かして与えています。
   ブラインは死んでしまうとあっというまに腐って異臭を放つようになるので、これを与えては
  いけません。   生きたまま与えるのが大切です。
   〇〇さんのように朝晩給餌するのでしたら、それぞれ別にブラインを湧かし、新鮮な物を
   与えてください。
   死んで時間が経過したブラインは水質にも育成にも悪い影響を与えます。
  余談ですが、これがベテランが冷凍ブラインを敬遠する理由のひとつです。
   湧いたブラインを数時間生かしておく方法もあるのですが、7~8時間も経過すれば死んでしまい
  ますので少量でも与える度に湧かす方が無難です。
   ブラインが終了したら赤虫のみで育てますがやはり赤虫とブラインのラップ期間を1週間ほど
  取ります。   理由は先に同じです。
   中には、幼魚の小さい口でも食べやすいように、切り換え初期に赤虫を刻んで与える方も
   いらっしゃいますが、私はやりません。
   理由は刻んで出た赤虫の汁が極度に水を汚すのと、赤虫をナイフで刻むザクザクという感触が
  苦手で私の食欲が減退するので(笑)
   与える赤虫の量は成長と共に増やして行きますが、大体5分で食べきる量を1度に2セット
   (食べきってから2セット目を与えます)、1日で5~6回くらい与えます。
   この辺りは自営業だから出来るというのもありますが、仕事があっても朝晩は回数を分けて
   タップリ与えてやってください。


今日、趣味としてディスカスの繁殖を手がける方々のおかげで、情報も豊富になりました。
情報が豊富な分、悩まれる方も多いと思いますが、正解はひとつではありません。
自分に合った上手く行く育成方法を探してみてください。
今後もメールでいただく質問の中で、良い質問は承諾を得て発信して行ければと思います。
ディスカスを上手に繁殖される方が増え、互いに切磋琢磨しながら質の高いディスカスを目指す…
その先に今までと違う日本のディスカスシーンが見れる日が来るかもしれませんね。


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2 コメント

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お久しぶりです。 (エリちゃん)
2013-05-21 16:25:50
勉強になりますし、素人が見ても解りやすい回答ですね~参考になります。
今度、子供が取れたら見ると思います。
返信する
Unknown (日光岩魚)
2013-05-21 22:36:04
エリちゃん
お久しぶりです。
エリちゃんなら熟知してる話ばかりじゃないですか?
でも、自分はこうやって回答として情報をまとめてみる事で自分の飼育を再確認できるというか、
考えを整理できたので改めて勉強になりました。
忙しいとは思いますが、また色々と話したいですね。
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