虫食い回帰プロジェクトがスタートした頃にくらべ、だいぶ秋水の固定率が上がりました。
こんな感じで現在育てている秋水の幼魚(というよりもう若魚?)は全部虫食い表現です。
まあ、表現が決まらないうちから淘汰をしているので、とても固定率100%とは言い切れませんが、
つまるところ、品種改良では選抜交配が一番大切な行程になってくると感じました。
〇〇と××を掛ければ△△の出来上がり!みたいな単純なものではなく、せっかく良い種親で仔を
採っても先で繰り返す選抜交配を間違えると、迷宮にはまってしまいかねません。
この辺り、「遺伝学」と「品種改良」の学術書がずいぶん役に立ちました。
虫食いが定着し、どれも同じような表現に見える秋水ですが、ここまで改良を重ねてみて、
ある事に気付きました。
どうも♂と♀でライン表現の特徴が違うんですね…それもかなりの高確率で。
♂は虫食いラインが繋がりやすく、たとえ途切れ途切れであっても♀よりも虫食いが疎なんですね。
そして♀は虫食い表現が細かく密になると。
百聞は一見にしかず、いくつか個体をアップして見てみると…
こいつは♂です。間違いない…
これは♀
これもまず♀かと…
これは♂でしょう
こいつは虫食いが途切れていますが恐らく♂。まだ確認は取れませんが繁殖者のカンです(笑)
かつて、改良途中でライン表現が中途半端だった頃はこんな違いは見られなかったのですが、
改良が進み、強いラインが出てくるようになって♂と♀の違いが顕著に見られるようになりました。
ただ…ラインが密になる♀は何故か気が強くなる個体が多いように感じます。
正確には気が強いというより、メスとしての本能が強い…そんな気がします。
こちら、累代を続けてる秋水甲タイプ繁殖の最新の様子。ラインが一番密に入ってるメス親と卵。
順調に行けば明後日には孵化するはずですが、黒潰れするくらい黒化して卵をガン見してます。
このメスは前回の親バッククロスでも使ったのですが、産卵を終えると餌をまったく食べなくなり、
孵化するまで必死に水流を送り続けます。
絶対に食卵もしないし、100匹以上の稚魚が体着してもじっと耐え続け全力でミルクを出し続ける。
産卵までは♂と仲良く寄り添い、情熱的におじぎをしまくる面もあって、ブリードには申し分ない
資質の持ち主なのですが…
今回お相手のオスです。産卵後すぐ、混泳水槽に移しました。
といいますのも…
上の写真の背鰭付近の拡大です。おお!さすがフルサイズ鱗がバッチリ解像…ではなくて
ご覧の通りかなり傷だらけ。産卵直後からメスにシバかれまくって30分でこの有様です。
ちなみに前回バッククロスで合わせた親世代のオスは、産卵後1昼夜で半殺しの目に合いました。
その惨状たるや…外出から帰ってペア水槽を覗くと、オスはヒレが全部ボロボロで尾鰭なんか
半分以上無くなり、剥がれた鱗が底に散乱…逃げ場所が無くなり隅の水面に浮き上がっている
オスを更に攻撃し続ける黒化したメス。すぐにオスを隔離しましたが危なかったです。
産卵前はあんなにラブラブだったのに事が終わると一気に豹変…ん?メスが豹変…女豹系!?
そういや密な虫食いラインも豹っぽいような…うーん、なにはともあれ恐ろしい♀ですよ(笑)
ちなみに、女豹系といえば、小池栄子さんは好みの顔ですが、かみさんはタヌキ系です。
メスとしての本能、母性が強いのでしょうが、おかげでオスは一向に子育て経験が積めません。
この先の事を考えると、この世代で何匹かのオスには子育てまで経験させておきたいのですが。
混泳水槽でノンビリくつろぐ別のオス。
隣のペア水槽で男と女の激情型致傷事件があったとも知らず、のん気なものです。
今回、稚魚が採れなかったら次は君の番だからね(笑)
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秋水、順調そうですね。
品種として固定されてきていると言うのは色々削ぎ落とされて磨かれている様に感じます。試行錯誤の上の自家産魚、うっとりですね(笑)
今の若魚の成長も楽しみにしてます( ´ ▽ ` )
こんばんは。おかげさまで秋水は何とか繋いでいけてます。
やはり自家産ショップが自信を持って販売しているコバルトを使うと
固定化というか収まりが良いように感じますね。
だいぶ試行錯誤しましたが、ようやくここまで辿り着いた秋水の形質を壊さないよう
ブリードを進めていきたいと思います。
若魚も次の稚魚も時々記事にしますので、また見てやってください。
素晴らしいです。
選別淘汰で得られた結果とはいえ、虫食いラインの個体を
ここまで上手く纏め上げるとは流石です。
これらの成魚の群泳は思わず「おぉ~っ!」と声が出てしまうでしょうね。
因みに私は一番下の個体のラインがもうチョイ虫食いに
進行したくらいが好物です。
こんばんは。
ワイルドグリーンの頃からひとつの水槽を同一種で統一するのが
好きだったのですが、自家産でやってみると結構大変でした。
hideさんの繁殖されているライン系は、危うい虫食いコバルトと違い、完成に近い美しさを感じます。
あのラインで統一水槽を作ったら、誰も見たことがない素晴らしい光景になりますよ。