GREEN NOTE

ワイルドグリーンディスカス中心のアクアリウムブログです

流動式フィルター

2014年02月09日 | ディスカス

前回の記事で最後に少しだけ触れました流動式フィルター。今回はそのお話です。
ディスカス飼育ではほとんど見かけませんが、ここ数年アクア用品の中で流動式フィルターと
呼ばれる新しい濾過方式のフィルターが登場しています。
既に汚水処理などで実績がある濾過技術でして、海外のアクアリウムでは既にポピュラーな
濾過方式らしいのですが、何故か日本ではなかなか普及しませんね。

原理は水に近い比重の生物濾材を水流で漂わせ、濾材表面に付着したバクテリアの膜を処理水に
接触させることで濾過させるもの。
この流動濾材は様々なものがありますが、多くは多孔質タイプではなく、ドライ濾材のように表面に
バクテリアを付着させるタイプで、ドライタワー同様に濾過が出来るまで時間が掛かるようです。
この辺り、水に近い比重の(実際はやや重い)濾材を生成する技術とも関係してるようです。
アクア用品として流通している流動濾材の種類は極めて少ないですが、水処理ではプラスチックや
発泡ポリプロピレン、ポリウレタンなど用途に応じて様々な材質が使われています。
ちなみに水処理の世界では流動する濾材を流動床と呼ぶのに対し、シポラックスやサブストラット
のように濾過ボックスに沈めて動かさず使うような濾材を固定床と呼んでいます。


写真はアクアリウム用品として購入した含水ゲルポリマーなる流動濾材。
化学は専門外なので説明は割愛します(笑)
粒は硬く、表面はヌルッとしており、最初から水分に浸されて袋入りしてます。
乾燥させたらダメな代物なのでしょうか?水よりやや重く、水中ではゆっくり沈降します。
この濾材を試すために、外部設置式の本体を買おうと思ったのですが、いかんせん高価過ぎます。
アクリルの筒+αに2万も3万も出せません。ペットボトルと投げ込みフィルターを利用した自作の
流動フィルターをネットで多く見ましたが、もう少し見栄えよく作りたいと思い、ホームセンターで物色。
なかなかいいのがありました…


今回の流動濾過器を部品にバラシてみるとこんな感じです。左が投げ込みスポンジフィルターで
右が濾材。ベースのプラスチック容器は2分割され、長い方の筒端には無数の小さな穴が開いた
仕切りがあり、まるで流動濾過の為に生まれたような器具ではありませんか…
その名も「米研ぎシェイカー」(笑)
上下の白い蓋にはそれぞれスポンジフィルター接続のパイプ用とエア抜きの無数の穴を
開けています。マイクロバブル濾過槽製作から最近、電動ドリルが必需品になりつつあります。



組んでみるとこんな感じです。
おお!まるで純正品のようなフィット感に満足です。


120水槽で試運転してみるとこんな具合です。
上の小カップとフタは無くても問題ありませんが、例えばここにピートを入れたり、活性炭やミネラル系
の何かを入れたりと、後々使えそうなので取っておきます。
下のスポンジに先にバクテリアが湧くのでしょうが、流動濾過の立ち上がりまではその方が有難く、
流動濾過が出来上がったらスポンジはガンガン洗って交換し、物理濾過として扱います。
目が細かいので、ブライン給餌の物理濾過としても使えそうですね。
濾材がまんべんなく筒内をグルグル回って、見た目も綺麗かも(笑)


濾材はエアで攪拌され、よく動きますが、筒内を通過する通水量は通常のスポンジと同程度です。
この流動床、一説では固定床よりずっと濾過能力が高いと言う話ですが、自分にとってのメリットは
濾過能力云々よりも、濾材が動き回って止水域を作らないことにあります。
また、原理的に濾材の目詰まりが起こらず、メンテフリーというのも魅力ですね。
固定床では必ず通水量が多い場所と少ない場所があり、場合によっては濾過箱の隅などほとんど
止水になってしまっている場所があり、生物濾過槽に持ち込まれた汚れも溜まりやすく病原菌の
温床になるケースも多々あります。
この汚れはマイクロバブルでかなり低減する事ができましたが、やはり完全ではなく、固定床を使って
いる以上、いずれメンテは必用になるでしょう。これを解消する可能性が流動濾過にはあります。
ただし流動濾過にもデメリットがあり、スポンジフィルターのような物理濾過はまったく期待できない
ので、しっかりした物理濾過を別に持たせなくてはなりません。
つまり…マイクロバブル濾過と流動濾過の組み合わせは非常に相性が良いのでは?と仮定した
訳です。
まあ、まずは生物濾過を立ち上げ、流動式フィルターを本格稼動させて濾過能力を確認する作業が
必用になります。
マイクロバブルと組み合わせた濾過装置はその後で設計という流れになります。
一度にアレもコレも合わせてしまうと、上手くいかなかった時に原因が掴めなくなりますので。


それと…今回製作した水中タイプの流動濾過器、なかなか気に入ってますので、濾過能力が確か
なら複数製作して、スポンジ濾過は撤去しようとも考えています。
120水槽なら、スポンジを全部撤去して、奥の隅に1個ずつ、計2台を置けば見た目もスッキリ、
オシャレなインテリア水槽に…米研ぎシェイカーでなりませんかね(笑)