ディスカスと濾過…ホビーストやショップの間でも、未だに意見が別れることが多い、アクアリスト
永遠の命題みたいなものです。
私のスタンスは上部、外部、スポンジ共に微細孔にバクテリアを住まわせて飼育水を通水する
基本原理は同じものという認識です。
ですが…それぞれに特性が異なり、ディスカス飼育に合ったメンテや使い方をしなければ
病気の温床になるのも事実でして、そこがまた話をややこしくしてしまうのかと。
私は海水魚も飼育しています。濾過は持たせず、プロテインスキマーとライブロックのみでもう
4年も飼育していますが、最初に白点が出ただけで以後一度も病気になった事がありません。
魚達の食が落ちた事も一度もなく、水換えは月に1度程度。ヘタすると足し水で誤魔化して
2ヶ月に1度の時もありましたね(これは反省)。
プロテインスキマーの原理は細かい泡を作って水中の有機物やゴミを浮上させ、取り除く物理濾過で
これが実に強力に濾過します。
この原理を常々ディスカスに応用できないかと思っていたのですが、淡水は粘度も比重も海水より
低く、思ったように汚れが浮上していかない…泡がすぐ消えてしまうため、汚れを汚水カップまで
押し上げることもできない…淡水ではプロテインスキマーの能力を発揮できないんですね。
そこで注目していたのがマイクロバブルと呼ばれる直径10μmほどの微小な泡。
このマイクロバブルには、普通の泡には見られない以下のような物理特性が現れます。
1.浮上速度が極めて遅い。
マイクロバブルは通常の泡に比べて体積が小さく泡にかかる浮力も小さいため、
浮上速度が極めて遅くなり、水中に滞在している時間が長い。
2.水に溶けやすい。
マイクロバブルは小さい泡なので、泡の中心までの距離が短い。ですので、大きい泡に
比べて液体に溶けやすいという特長がある。
3.水中の物質に吸着する。
マイクロバブルはマイナスに帯電しているため、水中に浮遊する。
プラス電荷の物質に 吸着する特徴がある。
4.泡が壊れにくい。マイナス帯電しているので、マイクロバブル同士は合体や吸収が起こりにくく、
小さい状態のままを保ち、均一に液中に分散する。
マイクロバブルの応用技術はまだ発展段階ですが、既にこの技術を生かして養殖業や排水処理、
医療分野などで成果を上げているようです。
以前にTVでマイクロバブルを導入しているクリーニング業者も見た事もあります。
マイクロバブルについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
http://staff.aist.go.jp/m.taka/Research.html
この特性をアクアリウムの濾過に応用できないか…ここ2年くらい、考えていました。
この特性を上手く使えば、水に溶けたハンバーグなどの有機物除去、豊富な溶存酸素、濾過装置を外に
設置する事で水槽内のシンプル化、有機物除去による水質の長期安定、そして何より病気の温床を作らず
に済むのではないか…特に食べ盛りの幼魚育成には効果を発揮しそうです。
そして…検討を重ねアイデアを絞り、やっと試作の設計に漕ぎ付けたのが下の図面。
(画像はプロットアウト前のCAD図データ)
マイクロバブルを濾過装置に応用するために、設計段階でクリアーしなければならなかったのが
以下の4つの課題です。
1.マイクロバブルを発生させる為には高圧でオリフィス内の流速を高めなければならないが
この水流で水槽⇔濾過器間を循環させると水槽内が洗濯機状態になってしまい、ディスカスの
飼育どころではなくなってしまう。
2.発生した泡の浮上スピードが遅く、マイナス電荷に付着した汚れの処理をどうするか?
3.大量に発生したマイクロバブルを水槽内に循環させずにどう消すのか?
4.外置きタイプで設計する場合、大量のエアが発生するため、外部のような密閉式が取れない。
などなど…4つの課題をひとつずつクリアして、長年の機械設計の知識とノウハウを詰め込んだ
渾身の濾過装置…ちと大袈裟かな(笑)
肝になるのは水流経路の回路図と配管系統図ですが、こちらは特許申請もしくは実用新案申請の
ため、まだお見せできません…て、上の機構図を見せられても普通は何のことやら…ですよね。
これから部品図作成、製作品手配、購入品手配、試作、テストと進んで行く訳ですが、この先は
数人で今準備を進めているプロジェクトが稼動してから、その活動の中で他のメンバーの
アイデア器具と一緒に発表して行こうと思います。
ここ20年くらい、アクアリウムの器具の根本的な進化は止まっているように思います。
アクア人口のパイは小さく、販売数が極端に少ないアクア商品に開発費の投資など出来ないのかも
しれませんが、
この趣味もいつか濾過論争や子供騙し商品、そして頻繁な水換え(笑)と高額な維持費から
解放され、誰もが楽しめるホビーになる事を願っています。
前の記事ではお返事ありがとうございます。
嘘は許されない、私も同感です。
プロテインスキマー、私も以前試してみましたが、日光岩魚さんの見解と同じでした。水に粘性をもたすため、塩を入れたり、アクアセイフを入れたりと本末転倒なこともしました。
マイクロバブルも素人レベルで微細な泡を発生させるのは困難なので、アスピレーターで幾分泡の大きいなんちゃってマイクロバブルを試してみましたが、所詮なんちゃって、水槽内が白く包まれただけで効果は実感できませんでした。泡の大きさがキモなのでしょうか。
私は現在、吸着系ろ剤を試しております。プロテインスキマーしかり、いかにバクテリアに余計な負担をかけないか、を課題としております。現時点では結局水換えが一番確実、簡単、安全そして安いですが、それではおもしろくない。
開発中の装置、楽しみにしております。
こんばんは。
アスピレータ、試されましたか。あれ元々は真空機器でマイクロバブルを作るにはエアの絞りと流速がポイントになるようです。
泡の大きさはやはり大事で、あまり大きいとプロスキと変わらなくなってしまいますからね。
いかにバクテリアに負担をかけないか…私もその考え方に賛成です。物理濾過を徹底できれば正直、生物濾過など何使っても大差ないと思いますし。
いつまでも上部がよい、いいやスポンジだと喧々諤々しながら水換えに終始するのはつまらないですよね。
この濾過装置はまだまだテストと改修をしていく事になると思いますが、必ずモノにしたいと思っています。
コスト面で 大変そうですが・・
実際 金魚や錦鯉には 使われて 高温飼育で 溶存酸素量が 必然的に 少なくなるディスカスに その点に おいて 考えられてなかった事が 不思議ですよね(-.-;)
金魚の問屋さんに アカムシ買いに 行った時の いろんな設備や 水質調整でも カルシウムとかに 限定して 売っていることに 目から ウロコでした(*_*)
幼魚飼育で 簡単な設備ですが エアーチューブに 磁気の帯びた 空気 送ることにより 溶存酸素量を あげる 一本2000円程度のもの使って 幼魚育成 はたまた 拒食時に さらに 温度を上げることに よる 溶存酸素の低下は かなり 防げたと 思います(^O^)
頑張って 完成して下さいね(^O^)
追伸
今日 ディスカス本 Amazonから 届くの楽しみで あちらの方の コメント見たら 荒らされてましたね(ToT)
ああいう人 何気に 関西人 装う人 多いけど 全国規模から見ると 関西 ああいうの多いと 思われてるんでしょうか(^。^;)
純血の大阪人として 傷つきますね〓
笑いと 知性が ないし・・
あっ
大阪でも 人の嫌がることは しちゃ ダメ!
って 幼稚園で 教育 受けますよ!
まっ 大阪のおばちゃんには 他府県の方 びっくりされますが 愛嬌ありますから(o~-')b
趣味と仕事の融合?さすがです。実用化された際には購入し使わせて頂きます。心からたのしみにしてます。アマチュアの為に頑張ってください。
こんばんは。業界を変えるとか、そんな大それた考えはありませんよ(笑)
ただ、多くのアマチュアの方がアイデアを持っているのは事実だと思います。
けれども、アイデアというのは具現化しなければ妄想で終わってしまいます。
幸い、私にはそのアイデアを現実の物にできる設計と言う武器がありますので
これから他の方と協力して、面白いものをお見せできると思いますので…もうしばらくです。
こんばんは。こういうアイデアはコロンブスの卵的なもので、案外身近に転がっていますね。
ディスカス業界は、優秀な人材が入ろうとなかなか思えない…要はビジネスとしての魅力がない故に
ニッチでマニアックだけど進歩が止まってしまったのでしょう。
私の場合…とある社長ホビーストの方の言葉ですが、「人が実現したアイデアを、あのアイデア俺も考えていたんだよな~というダサイ台詞は死んでも口にしたくない」
…これにつきます。
ですから、よいアイデアはこれからも図面化し、公表して行きたいと思います。
関東人が関西人を装って中傷を書く場合、自分の身元を推測されないために
関西弁を利用するのだと思います。今のアクセス解析は市町村まで判るものなのに…ね(笑)
うちのかみさんも生粋の大阪人です。関西の人、好きですよ。
こんばんは。今の段階はまだ、やっと図面化できたというだけです。
まだまだテストと改良が必要になりますね。
今は製作部品の全てがワンオフで、削り出し部品もあり、まだまだ高価なものです。
普通の方に使っていただくには樹脂成型による部品の簡素化と量産効果を出す事が必須ですね。
まずは、試作でテストを行い完成度を高める事に専念します。
日光岩魚さんの妥協ない本物への追求には圧倒されます。
自分の所にも多数の眉唾ものの調査分析が持ち込まれますので加担しないように気をつけてます。
下水処理場の汚水が曝気、沈澱を繰り返してBODが1mg/L以下になることが水槽に応用出来たら、本当に楽ちんですね。
魚に無害な凝集剤があったらなぁ…。
自分は活性炭と赤虫で水換え頻度を落としてますがディスカスには為になってませんのが分かります。
本物の濾過機の開発、頑張って下さい!
仕事の技術を趣味にいかすとはさすがです。
これはCADAMでしょうか(^^;
自分は仕事にしか使用したことがありませんがこんな検討図なら楽しく書けそうですね(^^
是非実用化させてください!