日本刀鑑賞の基礎 by ZENZAI  初心者のために

日本刀の魅力を再確認・・・刀のここを楽しむ

脇差 備中水田住国重 Kunishige Wakizashi

2018-01-26 | 脇差
脇差 備中水田住国重


脇差 備中水田住国重

 大与五と尊称されている江戸初期の備中国の刀工。沸の美観を極めた一人だが、この門流は同じ作風で沸を強調した作品を遺している。この脇差も、ゆったりとした湾れ調子の刃文で、大粒の沸が肌目に沿って流れるように現れている。沸は刃文を構成しているだけでなく、地にも広がって湯走りとなり、物打辺りの棟側にも焼が施されており、その部分も、鎬地の柾目肌に伴う砂流し状の景色を生み出している。江戸期相州伝の奇麗な作である。江戸時代の綺麗な刃文を紹介していたが、相州伝が結構多いのに気付いた。そもそも、変化に富んだ刃文構成というと、互の目の形状の多彩さが思いつく。即ち相州伝であり、江戸時代における創造性という大きな流れであったかと思う。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする