特許庁が大阪市内に設置を予定する知的財産活用の支援拠点の概要が23日、明らかになった。特許庁内にある独立行政法人「工業所有権情報・研修館(INPIT)」(東京都千代田区)の近畿統括拠点(仮称)を平成29年10月ごろに新設。
東京と同様に国内外の特許情報に詳しい知的財産専門家を常駐させるほか、特許の審査面談を定期的に行うのが柱だ。関西の中小企業の特許出願を後押し、経営支援につなげる。
中央省庁の地方移転をめぐっては、政府は今年3月に特許庁や中小企業庁など4庁の移転を見送り、代わりに出先機関の機能を強化する方針を示している。INPITの近畿統括拠点(仮称)は、その代替策の一環に位置付けられる。
拠点には、日本だけでなく、新興国など海外の知的財産問題にも通じた弁護士や大手企業OBら知財専門家4人程度を配置。企業や大学などからの出願手続きの相談に対して、助言を行う。
特許庁からは定期的に審査官を派遣。出願者と直接面談をして審査する場を月2回、設ける。出願者が、発明技術や開発製品を見せながら内容を説明できるため、審査がスムーズに進むと期待される。
これまで、大阪の企業が面談する場合、特許庁に行ったり、審査官が出張してくるイベントの機会を待ったりすることが多かったが、新設の拠点を使えば手間や費用が省ける。関西にとって、特許庁が近くなる?