この日も朝から雨だった。毎日、雨ばかりでうんざりする。
北沢駒仙小屋のテント場。広い。
今、小屋を新しく建てている。秋には完成する予定だそうだ。今以上に人気の小屋になりそう。
北沢駒仙小屋から栗沢山まで、旺文社の地図によればコースタイムは2時間になっている。しかし、私は3時間半位かかった。荷物が重いのと雨が降っていたのが影響しているのかもしれないが、注意したほうがいいかもしれない。
道中、よほど辛かったのか、写真がほとんどない。コメツガの鬱蒼とした樹林帯で、雨が降っていると気が滅入ってくる。
樹林帯を抜けると、岩場の景色がきれいな場所に出る。しかし、雨、霧、雲のおかげで展望はない。
標高2600mくらいのところで、カエルがいた。まったく動かないので、置物かと思った。触ってみると、ちゃんと生きていた。
雨にも関わらず、虫がいっぱい飛んでいたので、それを食べているのだろう。食べ放題だから、まるまる太っていた。
地図によれば、栗沢山の頂上までいくところに、危険マークがある。確かに、ちょっと怖い。しかし、この辺は大丈夫だ。気をつければ心配はない。
栗沢山。2714m
雷鳥が、ヒョコヒョコと私の前を歩く。かなり大きい。ニワトリに近いくらいの大きさだ。まるまる太っている。少しとろいがかわいい。
栗沢山からアサヨ峰までの道は、岩場で注意が必要である。何回か死にそうになった。というのも、荷物が重く、かつ岩が雨で濡れていたからである。
三点確保をしなければ登れない場所がかなりある。そこで滑れば、あっという間に50mくらい滑落してしまう。もちろん、鎖は全くない。
晴れているか、荷物が軽ければ、それほど危険ではないだろう。しかし、荷物が重いのと雨が重なると、危険度は10倍くらいになる。
恐怖で3回くらい呼吸困難になった。そして、この尾根を通る人はほとんどいない。私ひとりだった。だから、滑落しても助けてくれる人もいない。
早川尾根を通って鳳凰三山に向かう人は、十分注意して渡らなければならない。
アサヨ峰。2799m
昼くらいには早川小屋に着いた。幕営料400円。安い。
小屋はこじんまりしていて、なかなか良い。水場もきちんとある。トイレも、お世辞にも綺麗とはいえないが、それでも山小屋にしてはまずまずである。
小屋に犬がいた。まだ若い犬で元気がいい。調子にのって頭を撫でていたら、手が犬臭くなった。写真を撮るのを忘れた。
黄色のモンベル・ステラリッジが私のテント。
テントで休んでいたら、学生の集団が元気よくやってきた。どこかの大学の山岳部だろう。それと、関西弁の二人組がきた。
晴れてきたので、濡れた服を干して乾かした。天気が良ければ、もっと楽しかったのにと思いつつ。