むかーし、勤めていた会社が倒産したとの話を、その時の同僚から聞いた。そこそこの会社だったのに。
どうやらバブル期の土地に関する損失が、今の今まで影響したらしい。そう、例のオリンパスと同じだ。
いろいろと学ぶべきことの多い会社だった。何年かで辞めてしまったが、もらった給料以上に受け取ったことが多かったような気がしている。すごく感謝している。
路頭に迷った社員、経営者はどうしているのだろうか。それを考えると少し気分が重くなる。
ただ、絶望は勝手に自分が想像した将来についての一つの見方にすぎない。人は先のことなんてほとんど読めない。そんなに賢くない。もしそれができたら、今頃、競馬で家が建っている。
ちょうど今、真保裕一氏の「ホワイトアウト」を読んでいる。突然、親友が遭難にあって死ぬ。気持ちの整理がついていない状態で、厳冬期のダムにテロリストがやってきて、一人過酷な状況で主人公の富樫(映画では織田裕二)が奮闘している物語だ。面白い。
あるベストセラー小説家は、「困難によって主人公を追い詰めよ」と言っている。辛くあたればあたるほど物語はおもしろくなるとのことだ。
面白い物語の主人公には困難が必要だ。じゃあ、この人生の主人公は誰だ?
もちろん、主人公は、私、もしくはアタナである。
ぜひとも、困難の多いワクワクする人生を。