旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

「海35系統」で岬をめぐる 京急・久里浜線を完乗!

2017-12-21 | 呑み鉄放浪記 私鉄編

 堀ノ内駅に電車が近づくと、渡辺真知子の "かもめが翔んだ日" が流れてくる。
横浜、横須賀、海岸線を走る京浜急行線はメロディーの題材に事欠かないだろう。 

 

「みさきまぐろきっぷ」を手にして此処まで来たのは、京浜急行線を締めくくるためだ。
最後に残った久里浜線は、浦賀へと向かう本線から分岐して三崎口まで駆け抜ける。

プラットホームの南端に立つと、本線と久里浜線がYの字に分岐するのが見える。
三崎口へと向かう快速特急が本線を斜めに渡って出発して行った。

 

終点のひとつ手前、三浦海岸で途中下車する。気の早い桜が二株ほど花を付けている。
三浦海岸は早咲きで大きなピンクの花を咲かせる河津桜の名所でもある。
2月中旬~3月中旬の「桜まつり」の頃には駅の看板も桜色に染まるのだ。

三浦海岸駅に電車が近付くと、ウイークエンドの "岬めぐり" のメロディーが流れる。 
ここから三崎港まで走る京急バス「海35系統」が、曲の情景であることは良く知られている。 

特産のダイコンを天日干しにしている三浦海岸をあとに「海35系統」は海岸線を走る。
金田漁港辺りからバスが台地に駆け上がると、それこそ一面のダイコン畑が広がる。
空の青、海の蒼、大地の深緑のグラデーションが美しい。写真は撮り損ねてしまった。 

三浦半島の南東端には白亜の「剱埼灯台」、潮風と波の音だけが聴こえる。
眼下に浦賀水道、思いがけず近くに房総半島、貨物船が通り過ぎて行くのを眺める。 

台地を下った「海35系統」は江奈湾岸を巻くように走っていく。
午後3時、ちょうど沖から何隻ものクルーザータイプの釣船が湾へと戻ってくる頃だ。

さて久里浜線はと云うと、三浦海岸からもう1区間で終点の三崎口に到着する。
陽光に溢れる中の複線の車止めは、地方のJR線のそれとは違って哀愁はない。 

久しぶりの三崎口、いつの間にか駅の看板が変わっていた。『三崎マグ駅』 だって。

 

三崎港に着いて、「まぐろまんぷく券」を握りしめて向かったの「くろば亭本店」だ。
多彩なマグロ料理と季節の地魚が自慢の人気店は、土日はもの凄い列ができる。

 

背トロの天ぷらと、秘伝のタレで漬けた赤味がコラボする "まぐろ漬けトロ天丼" をいただく。
漬けは絶品、天ぷらは脂がのって、山葵をのせると美味しい。満足のランチなのである。

手元に残った「三崎・三浦おもひで券」で夕暮れのホテル観潮荘を訪ねる。
この券で油壺の湯に日帰り入浴できるのだ。小網代湾の夕景を眺めながら湯に浸かる。
っと、至福のうちに久里浜線の旅を終える。これにて京浜急行線は全線完乗なのだ。

京浜急行電鉄久里浜線 堀ノ内~三崎口 13.4km 完乗

 

岬めぐり / 山本コウタローとウィークエンド



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