本朝二十不孝 (岩波文庫)井原 西鶴,横山 重,小野 晋岩波書店このアイテムの詳細を見る |
gooブログのトラックバック練習版、今週のお題は「あなたのオススメの本、教えてください」です。
戦国の世もとうに終わり、世はまさに元禄の太平に酔っていました、そんなか登場したのが「井原西鶴」です。西鶴の本となると好色物が有名ですが、他のジャンルも書いています。そのひとつが今回ご紹介する『本朝二十不幸』です。もともとは唐の国の『二十四孝行』というのがあって、それをヒントに書かれたものだそうです。まあ美談ってあんまり面白くありません。失敗談や小悪戯をしたなんて話のほうがよっぽど面白いものです。
『本朝二十不幸』は当代切っての親不孝を紹介したもので、面白く読み応えがあります。
さて読み終えて、今の世の中では親殺し・子殺し・兄弟殺しなんて珍しくありません。お話しの中にある親の資産を担保にお金を借りて放蕩に明け暮れる、なんてのは親の仕事の邪魔をしないだけ孝行息子の部類になるのかもしれません。「昔はこの程度で親不孝者扱いされたのか・・・。」という感想を抱いてしまそうな現代社会に怖さを感じます。