思考の踏み込み

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形影神26

2014-10-05 00:54:52 | 
淵明の曰くー 。

「彼らは確かにすでに形として存在するモノに宿る事もある。
巨石や巨木など、神聖を備える価値を有したモノにはのう。




だが、基本的に生命に宿る場合、彼らは生命の "種" に宿る。
…つまり!」

「つまり?」


"意識" の合いの手。
淵明、その意識をジロリと見る。
かれの思惑を見透かす様な目。

だが、そのまま構わずに話を続けた。

「つまりはよ、形は容れ物ではない。
彼らが宿った結果、彼らの要求によってその "力" の作用でもって集めれたモノだということよ。
その力を我らは古くから "気" と呼んできた。」

「気…。」


今度は "知性" の方に淵明は視線を移して言う。




「また、汝らの嫌いな言葉が出たのう。それも観念というか?証明出来ないものは信じないというか?」

「いえ…。」

知性は恐縮する。

「それもこれも、この子 ー "感覚" が知っとるよ。まだ、眠っている時間が多すぎる子ではあるが、これからもっと成長すれば、もっと優れた存在になってゆくであろうよ。
ともかくも、"気" という概念が空想に過ぎないと言うならば、何故何千年もその言葉が存在し続けたというのか?
その事の証明の方が遥かに困難であろう。知性君。」

そう言って淵明はジッと話を聞き入っている "感覚" の頭をなでながら、ハハハッと笑った。そして肚よ、これで良いかな?後はお主が続けられよ ー といって話を戻した。

「御意 ー 。」
肚は答える。




" ー 太極ノ先ハ有ルコト無ク、質、静、虚ナリ。



質ハ質ヲ大 (さか) ンニシ、静ハ静ヲ大ンニシ、虚ハ虚ヲ大ンニシテ、自ラ厭ヒテ自ラ忍ビザレバ、或 (いき) 、作 (おこ) ル。

或有レバ焉 (すなわ) チ 気有リ………"


"記憶" がまた何かをつぶやいた。