「調和…。」
ー それには具体的にどんなことをすればよいのですか?!
具体的に、我々はどう生きたらいいのです?!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/12/6621ac2772f81c7afd52d869f1ebecd8.jpg)
意識が叫んだ。
影は静かに、まるで自らに言い聞かせる様に、ゆっくりと答える ー 。
「清流でしか生きられない鮎も、濁った沼でしか暮らせぬ鯰も、どちらの道を選ぶも "生命" としては弱い。
我々はそのどちらの喜びも知ることが出来る可能性を与えられている。
宗教に凝って禁欲の生活を送る事も悪くはあるまい。
形の本能のままに自堕落に生活したって間違いではない。
だがそのどちらもやはり弱いのよ。
いずれかに偏っているというのは弱さだよ。
強さとはそれを解決するバランス感覚のこと。
バランスを良くするには中心に安定した一点がなければならない。
ー そう、ちょうどこの中天で輝き続けている月の様に。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4d/10/330c60421a3ee83e1139600bfc198f3a.jpg)
我々にとってその一点とは "肚" だ。
君達は "脳" だと勘違いしているが、脳というのは関所みたいな物で、形の中で蠢いているほとんどのモノを一度通過させ、あるいは変質させる働きはするがそこが大元ではない。
だから脳を通過しないモノたちの働きを脳の研究では説明できない…。
"形" の構造を丁寧に調べればどう転んだって中心は肚だ。
そして肚の本質は中心に向かうという "力" だ。
もっと言えば!
肚の正体は淵明殿が、この宇宙の謎だといった "力" そのモノの顕れだ!」
皆、驚いて "肚" の方を見る。
肚、無言。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/78/49/ceef39a8e8839c58972f3debc7ad29d9.jpg)
直感だけがつぶやく。
「なんだ…。そんなこと今さらみんな気付いたのか?」
「彼は、無意識公が我々に付けてくれた最も頼れる守護者だ。我々が迷った時も、彼に判断を仰げばまず間違う事はない。
順逆の話で言えば、先ず肚、次いで感覚、その後に君達三兄弟が働く、というのが一番構造に適っている。構造に適うという事も "調和" する為には大切な事だ。おわかりか?」
意識、知性、理性を見ながら直感は言い、さらに重ねた。
「そうすれば "智" という新たなる存在が生まれるー 。」
いかに生きるべきかなんて、"智" を待たずに頭に血を昇らせていくら考えたって闇は深まるばかりだし、 下手をすれば邪悪性さえ生みかねない。
それは順逆という摂理に逆らっているからだ。
汝道を誤る事なかれ、順逆を違えるなかれー 。
"直感" はその血を吐く様な独特の高い叫び声で言った。
ー それには具体的にどんなことをすればよいのですか?!
具体的に、我々はどう生きたらいいのです?!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/12/6621ac2772f81c7afd52d869f1ebecd8.jpg)
意識が叫んだ。
影は静かに、まるで自らに言い聞かせる様に、ゆっくりと答える ー 。
「清流でしか生きられない鮎も、濁った沼でしか暮らせぬ鯰も、どちらの道を選ぶも "生命" としては弱い。
我々はそのどちらの喜びも知ることが出来る可能性を与えられている。
宗教に凝って禁欲の生活を送る事も悪くはあるまい。
形の本能のままに自堕落に生活したって間違いではない。
だがそのどちらもやはり弱いのよ。
いずれかに偏っているというのは弱さだよ。
強さとはそれを解決するバランス感覚のこと。
バランスを良くするには中心に安定した一点がなければならない。
ー そう、ちょうどこの中天で輝き続けている月の様に。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4d/10/330c60421a3ee83e1139600bfc198f3a.jpg)
我々にとってその一点とは "肚" だ。
君達は "脳" だと勘違いしているが、脳というのは関所みたいな物で、形の中で蠢いているほとんどのモノを一度通過させ、あるいは変質させる働きはするがそこが大元ではない。
だから脳を通過しないモノたちの働きを脳の研究では説明できない…。
"形" の構造を丁寧に調べればどう転んだって中心は肚だ。
そして肚の本質は中心に向かうという "力" だ。
もっと言えば!
肚の正体は淵明殿が、この宇宙の謎だといった "力" そのモノの顕れだ!」
皆、驚いて "肚" の方を見る。
肚、無言。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/78/49/ceef39a8e8839c58972f3debc7ad29d9.jpg)
直感だけがつぶやく。
「なんだ…。そんなこと今さらみんな気付いたのか?」
「彼は、無意識公が我々に付けてくれた最も頼れる守護者だ。我々が迷った時も、彼に判断を仰げばまず間違う事はない。
順逆の話で言えば、先ず肚、次いで感覚、その後に君達三兄弟が働く、というのが一番構造に適っている。構造に適うという事も "調和" する為には大切な事だ。おわかりか?」
意識、知性、理性を見ながら直感は言い、さらに重ねた。
「そうすれば "智" という新たなる存在が生まれるー 。」
いかに生きるべきかなんて、"智" を待たずに頭に血を昇らせていくら考えたって闇は深まるばかりだし、 下手をすれば邪悪性さえ生みかねない。
それは順逆という摂理に逆らっているからだ。
汝道を誤る事なかれ、順逆を違えるなかれー 。
"直感" はその血を吐く様な独特の高い叫び声で言った。