思考の踏み込み

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黄色9

2014-07-23 00:59:55 | 
さてー 、ずいぶん寄り道したが元に戻ろうと思う。

もし黄色を描くとしたら画題に何を選ぶだろうか、という思考の遊びである。

ふと思った。


ー スズメバチの黄色である。



虫が苦手な方にはまったく賛同を得られないだろうが、気にせず進める。

普通、生物はほとんどが周囲と擬態できるような保護色でもって身を覆う。
保護色でなくとも、目立つ様な色彩を身に付けるモノは少ない。

ところがスズメバチはどうであろう。

黄色と黒。

(黄色の補色である青によってその美しさを強調したゴッホとはずいぶん異なる。黒によって黄色は圧倒的に力強い姿を剥き出しにする。)


その強烈な配色は自らの存在を誇示し、その危険度を知らしめるかの様である。

こうしたモノを警告色と呼ぶ。

それは人間工学にも取り入れられ、踏切の遮断機や工事現場などで応用されている。

警告色を持つ生物は共通して食物連鎖における強者であるか、もしくは有毒種である。
(虎は擬態色であるらしいが、その黄色は明らかな生命力の表れといえる。)




黄色は進出色であり、黒は後退色。
この両者のコントラストはその相反する要素のせめぎ合いであり、自然界が生み出した最も強烈な配色といえよう。

(信号機に黄色が用いられるのもこの進出色、夜でも見えやすい、注意を喚起させる、といった要素による。)

黄色単体であれば、不安を軽減させたり希望や明るさと繋がるのに、赤や黒と関連させると、危険の連想になるというのはなんとも不思議で面白い。