白寿を目指す抗衰老ライフへの誘い

慣れ親しんだ新容器野菜養液栽培に別れを告げ、新たに取組んだ老人の終末課題の経過発信を続けさせて頂きます。

―ニューホワイトニンニクとは?―

2013年07月12日 | ニンニク

またまたニンニクの話で恐縮ですが、先のブログで青森のニンニク、ニューホワイト6片は花茎の発生しない日本のソフトネックガーリックと紹介致しましたが、早速、種ニンニクの入手の為に、販売先の2社に伺って見ると、花茎は発生するニンニクであるとの返答です。

その中の1社は、収穫が遅れるととう立ちするが適時に収穫すれば発生しないなど、訳の分からない返答には一寸驚き、品種通りの種ニンンクが送られてくるかどうか怪しくなって、ネット購入を保留にしています。

 

―ニューホワイトニンニクーWebPhotoesより

尤も、欧米で花茎の発生しない栽培種として固定されたソフトネックガーリック、日本には未だに導入されて居らず、そんなニンニクが有る事は一般には知られて居ない所為も知れません。

 

―ソフトネックニンニクの代表種アーティチョークー

先のニンニクの長崎総合農業試験場から発表された研究報告の中でも亦、試験栽培されたニンニク品種の中に、ソフトネックガーリックであるカルフォニア早生と晩生の二種が含まれて居て、花茎を全く発生せずに、リン片を次々と形成する特性をはっきり確認しているのですが、其の特質を栽培種のソフトネックガーリック(Allium sativum var. sativum、)とはっきり認識されてはいませんでした。

 

―ガーリックブレイドのアップ写真―WebPhotoesより

唯、それに近い形質として分類されていたのが花茎の不完全抽だい、ないし珠芽不形成の品種として分類された品種群の福地系ニンニクであり、その中で、特にその形質の顕著なニューホワイトが、珠芽の不形成の極晩生種として分類されて居たのです。

 

―きれいなピンクのソフトネックガーリックーWebPhotoesより

子孫を残す為に花茎を抽だいして珠芽を作る代わりに、沢山のリン片を次々と形成する形質のソフトネックガーリック、その特性とは対称的に花茎も珠芽を作らずに、その代わりにより大きなリン片を形成するニンニク種となれば、特筆すべき優れた形質では無いと思い、敢えて日本のソフトネックガーリックと申したのです。

 

―ソフトネックで作るガーリックブレイドーWebPhotoesより

残念ながら、今のところニューホワイト六片にんにくは、福地ホワイト六片と同様の不完全抽だいないし珠芽不形成の品種のようですが、土壌条件や栽培法、其の年の天候で、珠芽の不形成になる事が充分考えられ、形質固定も可能と思われます。

実は、今季収穫した福地ホワイト六片の中でも、葉鞘に珠芽の形成したかったものが半数程あり、種球根を選別して残してあるので、それと共にニューホワイト六片を、この秋には植え付けて早速試して見る事にしています。

 

―変則編みピンクガーリックブレイドーWebPhotoesより

尚、日本には珠芽の不形成となるニンニクがその他にもある?と言い、ネット上で紹介されていたのが秋田県の「八木ニンニク」です。

紹介されていた話では、江戸時代から秋田県の八木地区の限られた一部の地域で栽培されて来た正に「エアルームニンニク」と言うのですが、門外不出とされているようで、確認の為にネット上でその情報をお尋ねしたのに返事が有りません。

 

―店頭に並ぶ八木青ニンニクー秋田伝統野菜より

多分、お隣の青森県や岩手県の盛んなニンニクに圧倒されて、地産地消に徹底しているようですが、ご当地ニンニクの特質として、それを多くの方に知って頂く事は大切であり、其の違いは大いに宣伝すべきと思います。尤も花茎不抽出の特性を品種として評価できると認識されて居ないのかも知れません。

 

―乾燥中の八木ニンニクー秋田物産サイトより

話は一寸変わりますが、今や二ンニクの評価は世界的にも変わりつつあり、その世界総生産量の統計を見ますと約2,370万トンとあり、中国が圧倒的に多くて世界の約80%を占めて居ます。続いてインド、エジプト、韓国となるのですが、日本の年間生産量は約20,000トン程であり、其の約70%の14,000トンを青森県産が占めていると言います。

ところが、日本の総生産量に匹敵する量の中国産ニンニクが日本には輸入されて居るのです。その中国産ニンニク、日本産ニンニクとの違いを一般の方はどのように認識されているのでしょうか。

 

―ソフトネックとハードネックニンニクのリン片断面―

先ず言える事は、栽培品種の違いであります。中国産ニンニクは、日本での沖縄や九州地方、四国等で作られて来た暖地系ニンニクと同系統であり、一般にリン片の数が多くて、ひとつ一つの粒が小さい品種であり、その上早生種である為に、スパイス食材としての長期の保存が難しく、青森県産等のリン片が大きくて数の少ない寒地系ニンニクと比べると、貯蔵性でも明らかな違いがあるのです。

 

―長期保存可能なハートネックニンニクパーセリンー

そして、中国産と言えば先ず心配なのは、その栽培にどんな肥料や農薬が使われているかであり、又、保存スパイス食材としてのポストハーベスト処理であり、どんな発芽防止が為されているかです。お気付きの方を居ると思いますが、中国産の馬鹿白いニンニク、あれはホワイトニンニクが良品と言わんばかりに塩素漂白されていると言います。

実は、そんな輸入中国産ニンニクの市場占有率が95%と言うオーストラリアで、自国のニンニク産業協会の理事の方の話がネット上に有りましたので一寸紹介させて頂きます。

 

―オーストラリアのニンニク農場―WebPhotoesより

中国のニンンクを取り上げて、市場に溢れている輸入ニンニクを買う前に一寸立ち停まって考える理由が幾つかありますと言い、「私は現地の栽培者の中には、今尚ニンニクの肥料に生人糞を与えている事実を知って居ますが、オーストラリアの検疫規則が輸入産物のバクテリア検査で充分に作用しているとは信じられません。それに亦、中国側のメチルブロマイド燻蒸も疑問に思って居ます」と言い、オーストラリアでは禁止されて居る農薬が中国では今尚ニンニク栽培に使われており、収穫後の発芽防止にガンマー線が照射され、長期保存目的にはマレイン酸ヒドラジットが使用され、又植物検疫協定に基く危険なメチルブロマイド燻蒸が実施されている等の事実を揚げています。

そして、その結語では、「ニンニクは生産地を確認して購入する事であり、言いたいのは、唯、それだけです!」とありました。対外貿易の複雑なお家事情があっての含みの或るコメントです。

 

―長くタマネギ、ニンニク、じゃがいもには発芽防止農薬が使われて来たー

さて、その発芽抑制農薬マレイン酸ヒドラジットですが、日本での農水省の定めている残留基準値を見ると、何とジャガイモとニンニクだけが、50ppmと他の農産物に較べてずば抜けて高いのです。この農薬が長く発芽抑制目的に使われて来た歴史の証左ですが、発がん性が指摘され、既に日本ではその使用を自発的にやめた農薬であり、その高い残留基準値の儘に許容されているのが輸入ニンニクと言う事です。

 

―マレイン酸ヒドラジットの構造式―

尚、EUは、中国産ニンニクを高い関税ハードルで占め出しを図っているそうですが、高い中国産ニンニクの関税を、迂回輸入でスエーデンに密輸して摘発されたニュースがネット上にも有りました。

今、健康志向で消費の増えているニンニク、オーストラリアだけの話では無く、潜在危険を冒しても廉い輸入ニンニクを購入するのは、日本でも考えものですね。

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