今朝の朝日新聞の記事です。
見出しは、「増えたサケ 狙う密漁者 ・ 利根川 遡上10年で10倍」
利根川を遡上するサケが急増中で、その数は10年で約10倍となり、今シーズンは最多を記録したそうです。
昨年10月から12月25日までで、行田市の利根大堰では4801匹が確認されたとのこと。1983年には21匹しか確認されなかった。
その理由は、1)魚道の改修で、魚道の傾斜をゆるくしたこと、2)流域住民の放流活動が盛んになったことですが、それに比例して密漁も横行しているといいます。
「引っかけ」と呼ばれる漁法で、多いときには10人前後も釣り上げているとか。河口から150キロも上流に遡上したサケは食品としての価値は高くなく、あくまでも釣りの醍醐味、引きの強さを味わおうという輩が多いようだとのこと。
その気持ちは釣り人として分かります。痛いほど分かります。あの大きさのサケを釣り上げたら、その引きの強さがたまらないでしょう、堪えられないでしょう。釣り上げたら、もう有頂天でしょう。私もその内寒河江川か小国川でサケ漁をやってみたいと思っています。
でも、許可なくサケを捕ることはできません。日本においてはサケ・マスは特別な魚です。一般人はもとより、その川の年券を持っていても、一般組合員だって捕ることは出来ません。禁止されています。
法律で禁止されているからと言うよりも、折角苦労してふるさとの川に帰ってきて、上流を目指して遡上し、産卵しようとするサケを温かく迎えようではありませんか。よく上って来たと褒めて見守りましょう。遡上したサケは食べてもうまくありません(だそうです)。残り少ないサケを見つけたら、皆で見守りましょう。そして感謝しましょう。生命の素晴らしさを教えてくれることに。
今日の新聞よりも約1ヶ月前の「埼玉新聞」の記事です。12月11日のものです。
見出しは、「漁禁止のサケ釣り書類送検 羽生の利根川『大物釣りたかった』」
書類送検されたのは、東京消防庁職員57歳で、羽生市の利根川右岸で引っ掛けによりサケ7匹(65センチから80センチ)を釣ったことにより、埼玉県漁業調整規則違反の容疑です。
違反すると、6ヶ月以上の懲役か10万円以下の罰金という刑罰がまっています。
彼は「20年来釣りが趣味で、大物を釣り上げる感触を味わいたかった」と供述しているとのこと。釣りの魔の手にはまってしまったのですね。
釣りの怖さと楽しさが表裏一体となっています。アユ釣りにはまって、身を滅ぼした人もいたということだそうですから、「一生物の釣り」は身を持ち崩さない覚悟も必要です。
写真は、下流域から見た牛越橋です(3日撮影)。広瀬川はここから左に大きくカーブします。
去年は見られませんでしたが、この付近までサケは遡上してきます。しかし、残念ながらというか、可愛そうにというか、番(つがい)では見たことがありません。いつもたったの1匹だけです。
今年は見られるのかどうか。まあ、まずその前に鮎がどれだけ遡上できるのか、大いにきになることです。