けいれん発作を起こしているチョコちゃんを紹介します。
まだ5か月の子猫さんで、ある日お家の前にいたのを拾ったそうです。
見た目は可愛いチョコちゃんですが、平均1週間に1回位は全身性のけいれん発作をを起こします。
↑写真では分かりにくいですが、一分ほどひっくり返り続けてバタバタしています(間代性けいれん)
↑その後、一分ほどこの状態のまま動きませんでした(強直性けいれん)
けいれん発作は人でも多いてんかん発作とよく混同されがちですが、てんかんは脳神経の疾患の1つで、その他の脳・脊髄の病気や腫瘍、または肝臓や腎臓の疾患でもけいれん発作は起こります。
チョコちゃんは特に若いという事もあり、肝臓や腎臓などの先天性疾患も疑われるため、まずは血液検査やレントゲン検査を行ったところ、異常がないことを確認できました。
そのためやはり、脳神経系に問題がありそうです。しかし、脳・脊髄を検査するには麻酔をかけて、MRI検査が必要になります。麻酔のリスク等もあるため、飼い主さんと話し合いながら、まずは内服の抗けいれん薬を始めました。
しかしなかなか、コントロールが上手くいかず、その後も発作を繰り返していたため、症状が悪化しているのか、単純に薬用量が足りていないのかを判断するためにもMRI検査を海ノ中道動物病院で行っていただきました。。
幸いなことにMRIでも脳の形態に大きな変化は認められなかったため、特発性のてんかんとして抗けいれん薬を中心に今後も治療していく予定です。
このように症状だけに捕らわれず、一つ一つ鑑別診断をしていき、治療をできるように心がけています。
獣医師 小芦