今回は後ろ肢を怪我してしまった猫のななちちゃんについてです。
ななちちゃんはもともと元気いっぱいの猫さんで、家で遊んでいた最中に
誤ってガラスに突っ込んで怪我をしてしまい、あわてて病院に連れてこられました。
出血も多く、傷口もパックリ割れていたため飼い主さんと相談して、
その日のうちに麻酔をかけての縫合処置を行いました。
↑ 毛刈りと消毒をした縫合前の写真です。白く見えるのは足の腱です。
反対側の断端が深くに入り込んでいたため腱の縫合はできませんでした。
↑ 縫合後の写真です。力がかかる部位なので密に縫い合わせました。
こういった外傷は怪我してからの時間が重要で、今回は怪我をしてすぐに処置をしたため、
縫合するだけできれいに治りました。
時間がたつと創面が乾燥し、細菌感染を起こしたりすることで、
傷口を新鮮創にする処置が必要になり、治るまでに時間がかかったり、
悪い場合には元気がなくなり、全身症状が出ることもあります。
ななちちゃんはその後、経過も順調で、心配していた腱が切れたことによる
運動障害もなく、二週間で無事に治りました。