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マダニについて

2013年12月14日 | 診療科目

最近、急に朝晩の冷え込みが厳しくなってきましたね。皆さんお体の調子はどうですか。風邪をひかないように気を付けてください。

今回は、前回お話したノミと同様に、動物の皮膚に寄生し、吸血するマダニについてお話しします。

 

マダニの生態

マダニは草むらの中に生息している、3~4 mm程の小さな虫です。マダニは昆虫類のノミと違って、足が8本あるためクモの仲間になります。そのため、ダニは卵→幼ダニ→若ダニ→成ダニと成長し、ノミとは全く違うライフサイクルを行います。

林の中など草木が茂る場所に多くいますが、マダニが寄生している犬の散歩コースにも落ちます。草むらの中で、脱皮や産卵を行って、成長した後、同じコースを通る他の動物に取りつき、2週間かけて小さな体の8~10倍になるまで吸血を行います。急に大きな黒い塊ができるので、イボができたと勘違いすることもあり、よく見ると足が生えていて、少しずつ動いて、びっくりされる方もいらっしゃいます。

 ↑ 右が吸血前、左が吸血後のマダニです。こんなに大きくなります。

マダニは、種類にもよりますが、基本的に、すべての段階(幼ダニ、若ダニ、成ダニ)で吸血を行います。しかも、同じ動物に寄生し続けるわけではなく、各段階で、一回離れ、脱皮をした後に、また別の動物に寄生します。


このようにマダニは一匹が複数の動物で吸血を行います。ここで問題になるのが、細菌や寄生虫などを他の子に移してしまうことです。

 

ダニによる病気

マダニは吸血を行うので大量に寄生すると貧血を起こします。

また、少量寄生でも命に関わる病気を伝播することがあります。

特に重要なのが、バベシアという血液中の赤血球に寄生する小さな虫です。赤血球とは血液の成分の一つで、全身に酸素を運ぶ役割があります。バベシアは、この赤血球内で増殖し赤血球を破壊することで、重度の貧血を引き起こし、これにかかった動物は、全身に酸素を送れなくなり、死亡することも多い病気です。

 

↑ 薄紫色の丸が赤血球です。中央付近の赤血球の中にいる濃い紫の楕円形の丸がバベシアです。

マダニの対策

マダニの対策としては、ノミと同じで、月一回の駆除薬を投与することが、一般的で、一番確実に予防できます。

また、マダニは吸血時に、口を皮膚に突っ込んで固定しています。そのため、無理に引っ張ると胴体と頭がちぎれ、マダニの口器が皮膚に残って、その部分に長期間、かゆみが残り、悪化すると、化膿する場合もあるので、むやみに吸血しているマダニをむしり取らないようにしてください。マダニを発見された場合は早めに駆除薬を投与しましょう。

 駆除薬については前回のブログを参考にしてください→駆除薬について

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