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犬のアレルギー検査について

2014年03月29日 | 診療科目

みなさんは、犬の飼い主の方が動物病院に来院される理由の半分が皮膚科疾患(皮膚病や外耳炎)であることをご存知でしょうか?

特に犬が常時、痒がって苦しんでいる姿を毎日見る事は人にとっても辛いものです。

↑アトピー性皮膚炎とアレルギー性皮膚炎の混合パターンの子

 

このような場合、一般的に動物病院では各種除外診断(細菌感染や真菌感染、外部寄生虫など)を行った後、それでも原因が特定されない場合にアレルギー性皮膚炎やアトピー性皮膚炎を疑います。

ちなみに

アトピー性皮膚炎とは環境アレルギーが原因で発症した皮膚炎を指し、アレルギー性皮膚炎とは主に食物アレルギーが原因で発症した皮膚炎を指します。

 

この時に原因の特定に大きく役立つ検査が血液によるアレルギー検査でありますが、実はこの検査2種類の検査方法がありますので少し詳細をお話ししておきます。

IgE定量検査:代表的なアレルギー反応であるI型過敏症を数値化して検出する為の検査。ほぼ全ての環境アレルギーはこの系統のアレルギー反応で起こると言われており、基本的に皮膚バリア機能が壊れた皮膚からアレルギー物質が体内に侵入して症状を起こす。一部の食物アレルギーもこの系統のアレルギー反応で起こります。

 

リンパ球反応検査:遅延型アレルギー(反応が2−3日後に出ることから)と呼ばれるIV型過敏症を検出する為の検査。ほとんどの食物アレルギーはこの系統のアレルギー反応で起こると言われており、基本的に消化管バリア機能が壊れた消化管からアレルギー物質が体内に侵入して症状を起こす。アレルギー性皮膚炎やアレルギー性胃腸炎などに関係する。

 

この2つの検査には以上のような違いがあり、犬のアトピー性皮膚炎やアレルギー性皮膚炎の診断には二つとも欠かせないものであります。

 

実は当院では、数年前までアレルギー検査をお勧めすることは、ほとんどありませんでした。その理由は今までのIgE検査は定性試験(陰性、陽性の結果しか分からない)であったこととリンパ球反応検査自体がなかったからです。従来からあったIgE定性検査は現場の症状と一致する事が少なく、さらに片方だけではIV型過敏症が分からないので、臨床の現場では全く役に立たなかったからです。

実際には、犬のリンパ球反応検査は2008年から検査が出来るようになったのですが、この検査は世界で日本だけ、さらに1社の検査センターしかできません。

 

●動物アレルギー検査会社についてはこちらから●

 

検査費用は一般のIgE検査単独のものと比較すると倍以上かかりますが、検査結果の意味合いを考えれば価値ある検査を行った方がよいですね。

当院では、同社のアレルギー検査の結果をもとにアトピー性皮膚炎(環境アレルギー対策)とアレルギー性皮膚炎(食物アレルギー対策)の治療方針を決定しております。

 

 

 

 

 


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