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いつか殺される前に――― 知るかバカうどん「JS★ガバガバりんっ!」 感想

2016-02-27 | 知るかバカうどん






コミックMate VOL.8より。いじめっ子をきつく成敗するお話です。








最近、とみに知るかバカうどんさんの漫画を愛読しているのですが
個人的に成年漫画でありながら知るかバカうどんさんの作品で所謂「お世話になった」事は一度もありません
でも、それでも全然いいじゃん、素晴らしいじゃん!って思えるトコロがバカうどんさんの良さであり
最早「そういう事」は全く関係ない領域に来ているというか、言っちゃえば「知るかバカうどん」っていうジャンルなんだと思います
正直な話、かなり夢中になっているのも否めないですね(笑
まあ、この間書いた記事(【深淵にようこそ】ぜんぶまとめてボコボコりんッ!/知るかバカうどん 感想~知るかバカうどんの世界へ~)でも言及しましたが、
あんまり大手振って「是非!」とは言い辛い、言えないタイプの作家さんなんですが・・・笑
でもまあ、あんまりこの手のタイプの作家さんがスターダムになってもそれはそれでちょっと問題あるような気がするので
やっぱりニッチな世界でこっそりと楽しむのに向いている作家さんなんじゃないか・・・といちファンとして(勝手に)思ってます

でも、この方の描く“女の子の可愛さ”はぶっちゃけ本物だと思います
蹂躙されるにしても、されないにしても、文句の付けようのない素材の良さと素朴でもある表情が素晴らしい
どっちかと言えば純愛、、、ピュアラブ方面の絵柄に近いと感じるんですが
それを許さないのもバカうどんさんの作家性なんでしょうね笑



殴られてる時の表情もまたスゴい


ただ、一般的なバカうどんさんのパブリックイメージは(「一般的~」と言ってもそもそもまだメジャーとは言い難いですが)
残虐な漫画を描く人、奇天烈、怖い、不気味、胸糞悪い話、愉快犯などの禍々しいものだろうと想像してますが、
(実際自分もこの間の冬コミで買った同人誌の表紙を見て「うわぁ・・・」って買うの一瞬躊躇ったくらいですからね笑)
実は漫画的にはすっごい「正しい」ものだったりするのもまた特徴的かつ本物感を強めていると思います。

空き缶を拾ってくれた心優しい女の子は、
あのままいじめられ続けていたらふとしたタイミングで殺されてたかもしれない
或いは、皆の前でいじめられるストレスから自殺をしてたかもしれない
誰かを見下して、ストレスの捌け口にしているような人間はそいつが死ぬまでその責任を取ってくれる事はない
そんな“加害者”に対しての惜しみない憎悪が感じられるこの作品はある種「真っ当」とも言えます
逆説的に言えばバカうどんさんが本当に描きたいのは「ただきれいな光景が見たい」と言う理想と
ラストの本当に仲良くしたい子と仲良くなれて微笑むおっちゃんの顔なのかもしれません
「いじめられる方にも責任がある」とかいう
どう考えても破綻している、自己肯定をする為の都合の良い甘っちょろい戯言を全否定するスタイル
ある種自分が求めている表現の一つでもあり、そういう点でも共鳴出来る部分が強いんだろうなあ。って思いますね
他人を叩いたり、いじめたりすることで「喜び」を得るようなゲスまんこはくたばっちまえ。という強い意志を感じます
それは実際に読まなければ、触れなければ分からなかった感触であり、つくづく(怖かったけど笑)同人誌を買ってハマってファンになって良かったな。と思います
そういう意味ではある種この「公開いじめ全盛の時代」だからこそ生まれた作家さんだとも言えるかもしれませんね
間違いなくスターダムになっちゃいけない類の作家さんでしょうけど(笑
でも、この表現に救われる人も一定数いるんじゃないでしょうか

先述もしましたが、あのおっちゃん自身完全にクリーンな人間って訳でもありませんけど、
それでも「正しさ」なんかじゃ救われなかった世界がある・・・という事を示唆していたあのラストは本当に上手いと思いました
何とも言えない複雑な感情にさせるのもまた上手いというか、、、笑
きっと、想像力が足りてないんでしょうね
軽い気持ちで他人の心に傷を付けるって事がどういう事かをまるで分かってないし、分かろうともしていない。
だからこその、きついきつい「お仕置き」・・・今回もJSガン蹴りあり、鼻血あり、おもらしに脱糞とやりたい放題の作劇でした
挙句の果てに子宮をぶん殴る、危ない連中に売り飛ばすと想像以上にハードコアな内容でしたね

まあ、そんなあの子もあの子でビビり可愛かったんですが・・・
必死に帰ろうと頑張る姿、震えて泣いている姿、
ちょっと同情してしまう程でしたが笑
でも、その塩梅もまた重要、というか絶妙なんでしょうね
その殺伐としていて、暴力的でカオティックな作中観にはやはり惹かれるものがあります。
最後の、空き缶拾ってくれた子が楽しそうに歩いている姿を見てるとちょっと泣きそうになりますね
いじめられる方にも原因はあるんでしょうけど、だからといっていじめていい「理由」にはならないと思います
大人しくて、言い返せない、気が弱いからつい・・・なんて戯言は決して許されちゃいけない。
想像以上にハードコアなお仕置きだったので、やや同情はすれど
まあでも「可哀想」とは決して思わない辺りが流石だと感じましたね
逆に最後の3人娘の微笑み歩く姿があの子への「当てつけ」と思えるのが見事だと思いました
何も悪くない、心優しいあの子が幸せでありますように、、、そんな祈りまで込められたラストは一見の価値アリですね。
まあ、そこに至るまでが実にハードル高いんですけどね笑
それもまたバカうどんさんの罪。でも、大好きです。












そんな訳で知るかバカうどん(このペンネームも実に秀逸だ)さんの初単行本は4月25日発売だそうです
この作品が載っているMateに収録作品名が掲載&紹介もされてるのでお好きな方は是非チェックされてみてはいかがでしょうか
これは個人的に凄く楽しみです(笑 大切な一冊になる予感が今からしています。
またこのイラストもバカうどんさん節が冴えてて面白い。

追記:
無事発売しました~
感想も書いたので読んでもらえると嬉しいです
【この世の暗部を見に行こう】知るかバカうどん 初単行本「ボコボコりんっ!」の感想





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2 コメント

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Unknown (Unknown)
2017-09-20 00:31:22
自分も同じく本来の目的でなく、漫画作品として
うどんさんの漫画を楽しんでます
(魅力に欠けるわけでないのですが、つい漫画として夢中になってしまって・・・
あと単純に凌辱趣味じゃないというのが大きい(;^^)


しかしこの人の描く女の子の表情はほんっとにいいですよねえ・・・空き缶ちゃんのカラッとした笑顔すきです
あと別作品ですがゆめかわゆめちゃんの
「tntnグッチャグッチャ」
の表情もすごい 
ありがとうございます。 (西京BOY)
2017-09-21 23:14:21
>名無しの方
コメント感謝です。
うどんさんの記事で好意的なコメントは本当嬉しいですね・・・笑

>漫画作品としてうどんさんの漫画を楽しんでます
漫画作品として面白いですもんね
普通の凌辱漫画とは違うエッセンスなのは間違いないと思います
個人的には「成敗」だと思ってますが・・・あるいは「因果応報」、ですね。

>空き缶ちゃんのカラッとした笑顔すきです
自分も好きです
また関西弁も似合うんですよね。

>「tntnグッチャグッチャ」
確かに・・・笑
あと個人的に泣きながらピアスを力づくで外すとこも印象に残りますね。