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サブカルチャーマシンガン

自分だけの「好き」を貫く為のブログ。

【僕らがしたかったのは、きっと】天体のメソッド 第13話(最終話)「はじまりのそらから」 感想

2014-12-31 | 天体のメソッド
僕らがしたかったのは、いつだってこんな笑顔だった。









我々は、本当ならいつだってあの日のようにあの頃のように
一度は気持ちを通じ合わせた「誰か」と素直に笑っていたい生き物なんです
でも、それは出来そうで出来ない事でもあります
心の中にわだかまりがあったり
性格上どうしても・・・だったり
相手に対する疑念が強すぎて踏み切れなかったり
やっぱり、一度生まれた距離感や亀裂はそうそう簡単に埋められるほど浅いものではない・・・という事ですね

それを情熱的に、果敢に埋めた作劇こそ「天体のメソッド」の本質だったんじゃないかと思います
自分の気持ちが変わってないと信じて欲しいし、相手だって今でも変わってなんかいないんだと信じていたい
だからとにかく動いて、走って、話して、その「誠実さ」のみで相手を揺さぶり溝を埋めていって辿り着いた最終回は
不思議な感動と柔らかい優しさが充満していてとっても素敵だったなあ。と素直に感じる事が出来ました。




本当はね、汐音だって初めから最初期のような状態だった訳じゃない
むしろ前回と今回の汐音こそ「本当の汐音」若しくは「汐音らしいね。」って言える汐音だったと思います
本当はずっとこうしたかった
こういう風に過ごしたかった
でも、それが出来なかった。
ただそれだけの話です
だけど、最初から何の不自由もなく幸せ!って感じの話よりも散々苦労したからこそ今がいとおしいと思える―
そういうお話のが個人的には好みですし、観てて感じるカタルシスもただベタベタしてただけよりも大きいなあって素直に思いました

何よりも、この最終回でキャラクター達が見せた表情のどれもが「最初からこうしたかったんだ」という想いに満ちてるように感じられて
それが一番観ていて嬉しかったですし、「ここまで観続けて来て良かった。」という想いを抱かせてくれました

汐音が乃々香の前で見せた柔らかくて素敵な表情の数々
柚季が湊太に素直に告げた「お兄ちゃん」という言葉、
二人で自転車に乗る爽やかな風景―

本当は誰もがわだかまりなんて抱きたくは「なかった」し、
本当は誰もが一度は通じ合った相手ならば今だって未来だって信じていたいものなんです
でも、それをどうしても出来ない“現実”が転がっていてそれが時に胸を締めつける
だからこそ個人的に好きなテーマである「素直に笑いたい」を掲げ続け
ちゃんと“過程”を得た上でそれを描き切ったこのアニメの内容は物凄く尊く感じられて、純粋に感動出来、良い気分で観終える事が出来た
つまりは俺自身が望んでたテーマの一つであり、尚且つそれを実行してくれたアニメが「天体のメソッド」だったという話ですね
ずっとお互いにわだかまりを抱き続けて来た柚季と湊太が、最後の最後でただただ単純な“兄妹”に戻る事が出来た。
汐音と乃々香の顛末も凄く感動的で良かったですけど、この兄妹の顛末もまた物凄く印象に残る顛末になっててすこぶる良かったと思います

あの「お兄ちゃん」呼びこそ、柚季がずっと取りたかった態度であり
あの距離感こそ二人がずっと取りたかった距離感なんだと思います
それが言葉にせずとも説明せずともスッと伝わって来た作劇は
間違いなくレベルが高かったと思いますね
何もかもが元に戻って良かった。
素敵な最終回でした。


いや・・・「元に戻った」というと語弊があるかもしれません
正しくは「元に戻した」んでしょうね
乃々香が頑張って
柚季が過ちを認めて
汐音が受け入れて一歩進んで
こはるが見守って時には協力して
湊太もまたそんな中で兄らしい態度を取って来た
棚ボタでも「ノエル頼み」でもなく、誰もが自力で雪解けに意識を持って来たからこそみんなで掴み取った“現実”がこれなんだと
時間は解決しないし、自然にまた素直に笑える。なんてことは正直幻想に過ぎません
自分から動かなきゃ、自分から認めなきゃ、何も変わりません
ある意味それを示唆するような内容だったとも思います
本当の気持ちを伝えよう
本当の気持ちを受け入れよう。
そこから「何か」が始まる
そこから「何か」を始める
はじまりのそらから―

誰もがそれぞれに“頑張った”からのこの結末
俺的に拍手せざるを得ないラストになっていて心から素晴らしかったと思います
もうあんだけ“強い想い”を何度も曝け出したみんなならば、きっとこの先もずっと仲良くやれるでしょう。
そこにはきっと、もう一度みんなで「来て欲しい」とただただ純粋に願ったあの娘だっているはず―
・・・という訳で「天体のメソッド」最終話の感想を締め括らせて頂きたいと思います
ここまで読んで下った方々には感謝です
制作スタッフにも感謝です
1クールどうもありがとうございました!!
















個人的な話になるんですが、
アニメの感想を全話分、1話も抜けなしに各話感想やり遂げたのは実に数年ぶり(!)ですよ
今ちょっと個人的な感動にうち震えてますが(笑 いや~無事完走出来て良かったです
来年もめっちゃ好き、って思えるアニメがあればこのように毎回想いを綴りたいなあ、って思ってます

「天体のメソッド」で一番好きだったのはキャラの可愛さや感動エピソードでなく(勿論それらも最高でしたが)
とっている態度とは裏腹に、そのキャラの“本音”が伝わって来るシーンの数々でした
例えば、本当は乃々香の事が大好きなのに、大好きだからこそ優しくなれない汐音
9話で敢えてヒールを演じ邪険にしてたのに堪え切れずに流れた涙・・・こそが
汐音のすべてだった。と個人的には思ってます
そういう風なシーンが多めだったのが
とても人間くさく、
活きたキャラクター達の作劇だったなあ、と深く全体を通じて感じております 要するに「記号くささがあまりなかった」という話ですね
そういうお話が好きな方ならば、きっと気に入ってくれるんじゃないだろうか。なんて、信じつつも
正に俺得、俺の描いて欲しかった情景が見事に拡がってくれた傑作だったなあ、と
今振り返ってしみじみと感じてます

人間誰もが本音というか心の奥底にそらメソの登場人物みたいな純粋な気持ちをしまっているものだと思ってます
それを引き出して曝け出させるような“衝動”と“優しさ”に満ちていたアニメでした、俺の中では、ね。
乃々香の前で素直になって本当の自分をさらけ出していた汐音も、
また「あの頃」のような関係に“戻った”柚季と湊太も
とっても素敵で・・・
心に残るような作品だったかなあ、と。
そして汐音は北美の高校に通うって事で本当に乃々香LOVEなんですね(笑
今回カットの所々から汐音の乃々香LOVEが伝わって来てニヤニヤが止まんなかったですばい
乃々香はこりゃあこの先結婚出来ないかも分からんね(何)
出来る事なら二人のその後もいつか観てみたいです!

しかし、こうやって感想書いてるとこはるだけわだかまりのある愛憎溢れる子がいなかったんですね
まあ精神年齢は一番高かったしある種みんなのお母さん役だったんでしょうね。
でもそんなこはるはこはるで十分可愛かったのも良かった、かな。
ある種の癒しキャラでしたね。

そんな訳で、改めてスタッフの皆さん素敵な作品をありがとうございました。
人の想いに満ち溢れた、印象に残るシーンばかりのアニメでした。


ちなみに俺個人的にはノエル以上に人間の娘たちのが好きだったかな・・・(笑)。
生々しい感情や仕草に触れるのが好きなタイプの人間だからかもしれません。
それはそれとしてノエルの超純粋な態度や表情にも癒されましたね。
11話でのノエルの涙もきっと忘れることはないでしょう。
あれもまた“本音”の一部だったのかもしれません。
笑いたいのに泣いて、
泣きたいのに笑って。
そういう作劇が好みなら、是非。




二人が自転車で駆け抜けていくカットは全部大好きです。直前のやり取りを含めて本当に“ただの兄妹”って気がしたから。
最後までとても誠実なアニメでした。



【ただのともだち】天体のメソッド 第12話「円盤のない街」 感想

2014-12-22 | 天体のメソッド
その笑顔が観たかった。










今回のお話でようやく汐音と乃々香が「ただの友達」に戻れた気がしました
願いを叶えて、でも後遺症を残さない為か機密的存在だったのかノエルの存在は誰の記憶からも抜け落ちて
文字通り「誰も知らない」状態になってしまっていました
ただ、記憶が抜け落ちていても
仲間は仲間
その忘却がなかったみたいにこはるとも湊太とも柚季ともあっさり昔のように友達に戻れました
あの異様な距離感の無さや乃々香に対する気持ちそのものが無意識に与えられた恩恵だったのかもしれません

だけど、そうじゃないよねって
友達に戻れればいいってだけのもんじゃないよね
あの積み重ねの日々は、絆は、救ってくれた存在は
簡単に忘れ去ってしまっていいほど軽いものではない
そう、ノエルこそみんなの絆の象徴であり、繋げてくれた感謝すべき存在だから。
ノエルさえ思い出せばみんな“すべて”を思い出すはず
何よりも彼女の存在を「なかったこと」にしたくない
「ここにいたよ」って少なくともこはる達には認識していてもらいたい
だから、乃々香はあんなにも必死になってみんなに助けを、救いを求めた
ねえ、思い出してよ。って
あの涙は、誰にだって忘れて欲しくない。
あの瞬間、確かにみんなは深く繋がって一つになれたのは紛れもない事実だったのだから。
そうでないと本当の意味で“みんなで”ニッコリし続ける事にはならないと思う。
だから―


汐音は、初めから乃々香の事が大好きで、今でも忘れられないのは痛いくらいに伝わって来ていた。
具体的に書くと最初の再会の時から、あれは完全に「大好き」の裏返し的行動でした
本当は自分の事を思い出して欲しかった
約束を叶えに来たと言って欲しかった
でもそれは幻想だった
話せば話すほど距離感の違いに幻滅した
「私はこんなに想ってきたのに・・・」って気持ちも間違いなくあったと(個人的に)思う
素直になれなかった
素直にならなかった
だけど、今でも約束の場所に行くくらいに未練タラタラで
結局は乃々香という存在からは離れられない様子は色々な手法を使ってしっかりとこちらに伝わって来ました
「本当は大好き」
「本当は笑顔を見せたい」
だけど、それが出来ないもどかしさに何度も苦しんで何度も涙して・・・

ただ、それが“本来の姿”かと言えば全然そうじゃないよね
あまりにも外的要因が多過ぎてそうなっていただけ
乃々香は変わったようでその実何も変わっちゃいない
「あの頃のまま」の乃々香は何度だって自力で自分の傍にいてくれた
燻ってる心を救ってくれた
記憶は違っていても
最初は距離感が違っていても
自分に対して誠実で、一緒にいたい。と願ってくれる優しくて彼女が大好きだった乃々香は何一つ変わっていなかった
そして、こんなに不器用で不得手な自分をズレなく理解してくれる頼り甲斐のある友人でもあった
「私の気持ちを分かってくれる」
「私の側にいてくれる。」
遂にそんな想いは確信を伴って今、ここで現実のものとなった
汐音が素直に一緒にいたい、なんて思えるような存在、要するに「ただの友達」に戻る事が出来た
実はこの話数の最大のインテンションはそんな部分にあったんじゃないかと思いました
勿論ノエル関連の事も重要ですし、最後の大きな仕上げにかかってくると感じてます
最後はきっと誰もがニッコリで終わってくれると信じています
ただ、この話数の肝は汐音だった。

汐音もまた「変わった」んじゃない
ある意味そのままっちゃあそのままだったし(具体的に書くと「乃々香依存症」なとこがね 笑)
ただそれを素直に吐き出す勇気も根性も確信も信頼も最初は全然なかっただけで
本当はずっと、こんな笑顔を乃々香の前で見せたかったはず
これが汐音の嘘偽りない、
防御壁もない、
ただの真実の姿。言ってしまえばそれだけの話
でも、それだけの事にここまで遠回りしてしっかりとお互いが歩み寄って「ただの友達」に戻れたという事実
それが俺にとってはとっても尊い事のように感じられるし、ストレートなジュブナイル模様に素直に感動したっていうのが本音です。
汐音の笑顔が観れて良かった
汐音の「本当の姿」が観れて良かった
最早余計な疑念も自身の弱さも関係なくなって
正真正銘「ただの友達」
そんな光景はなんて美しくて、胸に来るんだろう・・・そんな風に思えた第12話に仕上がっていましたね。

それは散々汐音の弱さ、意地っ張りなとこ、それらを集約すると“人間くささ”を見せつけられて来たからこそ感じた事です
何も語らずとも(まあちょっと言葉は掛けてたけど 笑)、表情だけで気持ちが伝わって来るラストシーンは相当の好カットの連続だったかと
乃々香が自力で汐音に会いに来てくれたように、汐音もまた自力で乃々香の元に会いに来てくれた。
その顛末こそ俺が心底観たかった情景のひとつであり、あと感想読んでくれてた方なら分かるとは思うけど
初期から汐音に感情移入してきただけに本当に嬉しい!と心から思えるワンシーンでしたね。
素晴らしい作品だと思います。





このカット、何気に凄くシュールですよねえ(笑
柚季もトラウマさえなければ全然良い娘だったんだよね
だけど、トラウマがあったからこそ乗り越えて更に絆が深まった、とも思えたけど。
是非ね、全部じゃなくてもいい、最後まで何も知らないままのみんなじゃなくて
少しでもいいから「何か」を思い出して欲しい
そして、みんな仲良く
みんな楽しく。
今はそういう気持ちなんですが
先週がボロ泣きしちゃった回だっただけに、今回パッと観ていて「えっ!?」とショッキングな内容ではありました
ただ、観続けていくと「あっ、こりゃ必ず好転するな」とふと思ったりもしたのでその意味でも秀逸な回でしたね
俺自身“ただ幸せな人”よりももがいて足掻いて「何か」を掴み取る人のが観ていて好き、っつーか面白いと感じるので
その意味じゃキャラも可愛くみんな基本的には良い子という事も手伝って非常に俺好みなアニメだったのかもしれません
柚季も、こはるも、湊太も、そして・・・乃々香もとっても人間くささが随所から感じられるキャラクターでした
些細な事で迷って、悩んで、失敗を繰り返して
でもその分成長もして。
どこか歪だけど、その分愛着を持てるキャラクター達。
そういうものに触れ続けられた幸せを噛み締めつつ、最終回を心待ちにしたいと思います。
もう涙は先週でいっぱい出し尽くしたんで(笑 最後はみんな笑顔で終われるハッピーエンドが良いですね。
そんな事を祈りつつ。
















やっぱり汐音みたいに物凄く不器用で、でもその分想いの強さは伝わって来るキャラクターが
俺は凄く好きなんだなあ・・・ってこの「天体のメソッド」を観続けて再確認しました
例えば「俺妹」の桐乃なんかもベクトルは違えどこのタイプですよね。
表面的には厳しいけど、内面的には情がいっぱい。
改めて好みなキャラ造詣だな~、と。



【ボロ泣きしてしまった】天体のメソッド 第11話「流星群の夜」 感想

2014-12-21 | 天体のメソッド
僕らはなんだったんだろう。











「形あるもの」は形がある以上様々な要因によってその形も変わっていきます
色褪せたり、どこか歪んでしまったり、不協和音が生まれて元の形とは似ても似つかない格好になったりする
でも・・・初めからそんな形じゃなかったよね?
初めはもっと純粋で、もっと幸福な形でしかなかった
真っ白なキャンバスはいつの間にか外的要因によって汚され自らも汚して
気が付けばめちゃくちゃな形と色になって廃棄処分寸前のただの「塊」になっていた

思い返せば、
僕らはなんだったんだろう
思い返せば、
もっと純粋で、真っ白で、楽しくて、ワクワクして、ただただ幸福を味わうためのそれでしかなかった
僕らはなんだったんだろう
僕らは・・・
色褪せたり。歪んだり。不協和音を生む為の装置なんかじゃない
ただただお互いを認めて、誰かを愛して、幸せを育む為の存在だったんだよ
それをもう一度思い出す為の旅、僕らはなんだったのか、もう一度見つめ直す旅・・・それが「天体のメソッド」だったんだと
今ははっきりとそう思える自分がいます。例え色褪せていても、歪んでいても、不協和音だらけだったとしても絶対に最後まであきらめない
あの日あの時あの瞬間を取り戻す為に立派に尽力して頑張った乃々香とみんなの気持ちこそが何よりの“本音”だったんでしょう
紆余曲折を経てみんなとの「絆」をもう一度蘇らせた作劇は本当に最高のクオリティだったし
それが「自分たちの為」だけじゃなく、
最終的には「ノエルの願いを叶える為」だって
ポジティブな方向性として締める事が出来たのには本気で感動しました
ラストシーンは物寂しかったものの、それは決して卑下する事でも後悔すべき事でもなんでもない
乃々香たちは確かに自分たちの力で、誰にも最終的な決断を委ねずここまで辿り着いた
今いない、とか
消えてしまった、とか
そんなちっぽけな事実だけでは決して計れない
揺ぎ無い友情と、永遠になるべき瞬間がそこにはあったはず

ずっと友達、
消えない友情
僕らはなんだったんだろう、
それはただの、
ただの笑い合ったり泣きあったり出来る単純で、
だからこそいとおしい「幸せ」に過ぎない
初めてみんながただのそれになれた
一つになる事が出来た
ノエルが最後に見せた涙、
その意味も意図もきっと結局は揺ぎ無い「友情」の証しに過ぎない
きっと寂しさは消えないけれど、ある意味それ以上の「何か」が残るのもまた事実だと思う
紆余曲折経たからこそ、今ここにあるみんなとの何気なくかつ掛け替えのない関係性がいとおしく思える
そんなそらメソのメソッドに最後まで魅せられて、
また消えない痛みも消えない愛情も与えてもらえる事が出来た
そういう稀有なアニメに自分の中ではなった気がします
まだ話数が残ってますけど、
取り敢えずは
「ここまでありがとうございました。」「素敵なものを見せてくれてありがとうございました。」って大声で言いたい気分です
決して色褪せない(だろう)友情、美しいフォルム、そしてきれいな思いで彩られたそれぞれの関係性・・・
正直観続けて来て良かった
ここまで感情移入出来るアニメになるとは思いませんでした(や、ちょっとは思ってたけど 笑)
特に汐音に関して言えば、ようやく本当の意味合いで乃々香と手を繋ぐ事が出来た気がしてとみに嬉しかったですね。




汐音はきっと、
離れていたはずの乃々香が自分の事を分かってくれた
分かってくれていたことが心底嬉しかったんだと思います
あの頃と同じような目線で、気持ちで、優しさで自分に接してくれた乃々香
素直になりたい
素直になれない
それでも、抗えない程に溢れ出す彼女の想い
乃々香の事が好き、本当は大好きなんだって感情がほとばしるくらいに伝わって来て
結果的にはここで涙線の防波堤にヒビが入った気がします
自分の事を分かってくれる人間って自分が想像してる以上に嬉しくて頼りになっていとおしい存在になったりしますから

そう、私はこの汐音というキャラクターが大好きだったのです
理由は「嘘のないキャラクター」だったからです
意地を張ってつっぱねて
でも写真は捨てる事が出来ないくらい未練たらたらで
そのくせ自分の本音を隠す事も出来ないくらいに不器用で
誰よりも苦しんで
誰よりも自分を犠牲にしてきた
自分で自分を苦しめている節もあった
だからこそ、凄く人間くさくて印象に残るキャラクターでした
この汐音がいるのといないのとじゃ多分印象も違って来てた部分もあったんじゃないかと
それくらい汐音は“想い”の体現者であり誰よりも誰かを深く愛する気持ちを体現していたキャラクターだった、と
この11話を見て確信に至る事が出来ました。ノエルを失ったのは表面的には悲しいことかもしれない
だけど、それ以上の「何か」を得て、それ以上の一歩を踏み出せたのもまた事実
ここまで物凄く誠実な作劇を繰り広げてくれた本作ならば
きっと最終回も素敵な「何か」を見せてくれるはず
そう信じてその時を待ちたいと思います
また汐音と乃々香の仲が良い事が伺えるシーンも拝めたらいいな。それくらい汐音というキャラは強烈かつ印象的かついとおしいキャラだったなあ、と。





その前に、待つ前に、個人的な事実を記しておくと
この11話を観て久々に・・・具体的に書くと3月以来にアニメを観て泣きました
ボロ泣きでした
降参です、ってくらいに泣きました
それは何故か?と問われても恐らくは「理屈ではない」って答えしか返せませんけれど
少なくとも「キャラがいっぱい泣いていたから」という理由では決してないのも事実です
強いていうなら、乃々香のみんなの弱い部分ですら分かってやれる思い遣りの心と汐音の涙で揺さぶられて
最終的には柚季が理屈じゃない、自然に溢れ出た涙を流すシーンで、柚季の二律背反の心情を想って一気に自分もまた涙が溢れ出たのかもしれません
これでいいんだ、これがベストなんだ、そう自分に言い聞かせたはずなのにもう一人の自分が熱く流してしまった涙
個人的にそういう背景に弱いのかもしれませんね・・・・と書きつつ
本当は弱いのに頑張って強くあろうとしてる(風に見える)こはるの涙だったり
ノエルの無意識下に流れ出た涙にもやられたのかもしれません

「僕らはなんだったんだろう」っていうのはTHE NOVEMBERSの曲のタイトルで
ただの幸せ、っていうのもその曲の歌詞のフレーズからの引用ですが
この話数を観ていたら不思議とその曲とその歌詞がふと頭に浮かんだので使わせていただきました
散々迷走して、ぶつかり合って、共に苦難を乗り越えて、もう一度みんなで笑い合って泣きあえた光景は
筆舌にしがたい感慨深さと感動があり、それに完全にノックアウトされてしまった次第、ですね。
「天体のメソッド」、本当に素晴らしいアニメです。
こういう青春の傷みも歓びも両方表現してくれるようなアニメが大好きです。
今年放送されたアニメの中でも友情の描き方、その深みはトップクラスだったんじゃないですかね。
今はそんな風に思います。
ここからのお話も、心して観ますよ。

















OPの風景再現のカットとか観ててヤバかったですね。
またここに戻って来たんだ、と思うと。
通じ合えたこと
分かり合えた歓び
作り上げた絆・・・
そういうものを信じて、これからも彼女らは仲良く、ずっと気持ち一緒に居続けて欲しいですね。
それもまた、ノエルとの絆や願いを叶えるのと同義だし、本当の気持ちですから。

あとこれも俺自身の本音、
久々にアニメで泣けてスッキリしました(笑)。



天体のメソッド 第10話「願いの行方」 感想

2014-12-10 | 天体のメソッド
その笑顔が恋しくて・・・。










「みんなの願い」は最早すぐ近くまで、叶えようと思えばすぐ叶えられるポジションで待機している
そこで待っている、その日をその時を待ち続けている
でも、厳密に言えば「みんなの願い」を「みんなで」叶えられる事は不可能で
その願いを叶えてしまったら、みんなでニッコリしてしまったら、ノエルは役目を終えてここから消えてしまう
あの楽しかった日々も、一緒に笑った思い出も、心に染み付いている優しささえもすべてが過去のものになりそれが更新される事はない
ずっと待っててくれたノエル、辛い時も励ましてくれたノエル、素直に純粋に応援してくれたノエルと別れなければいけない時はすぐ側に迫っている

「みんなの願い」を叶える事は簡単だし、もっと言えばきっと誰もが叶えたい気持ちだってあるはず
でも、何かを選ぶって事は何かを失うってことで、それを選んだ分何もかもが自分に残るなんて事は決してない
今選ばなきゃいけない
今扉を開けなきゃいけない
だけど、そんな勇気も覚悟も未だ彼女たちの胸には備わっていない
何をすればいいのか、どうしたらいいのか、暗中模索で悩み続ける彼女たち
二律背反の想いを乗せてぐるぐると同じ地点を行ったり来たり、ぶつかったりまた事態がこじれていったり・・・

その根底にあるものもきっと「優しさ」なんだと思います
例え自分が犠牲になっても友達の笑顔を守りたい、失いたくない
まったく、なんて人の良い、いや、良すぎる連中なんだよ(笑)って思いつつ
その、間違ってはいるけれど、でも確かな思い遣りの心にちょっと感動したりもしたのでした


だけど、ノエルが本当に味わいたかったものは
ノエルが本当に観たかったものは
「それ」じゃないですよね
辛いのは分かる
苦しいのも分かる
でも、ノエルが本当に味わいたかったものは
ノエルが本当に観たかったものは、やっぱり「みんなの笑顔」であり「変わらない絆」であって
今みんながニッコリしていない、みんなの絆が再びほつれている状況はノエルの観たかったものでは決してないんですよ
こうやってサッとタイピングするだけならそんな風に書くのも実は簡単な事でしかないんですけど、
五人集まって再び絆を交わし合えば今そこにいる人一人がパッと消えちゃうっつー話ですから
それを考えると容易に踏み出せるような事柄ではない。
でも、
それでも覚悟を決めて
扉を開けて
最高の笑顔を、
最高の絆をノエルに見せてやって欲しい、味わせてやって欲しい
それこそがノエル自身の「願い」でありここにいる「理由」でもあります
その決断が出来たら、勇気が生まれたら、想いを重ねる事が出来たら、今開ける事の出来ない重たい扉も開くんじゃないかと思います
その代わりに手にするもの、始まるもの、続いていくものはきっと掛け替えのない財産になると思うから・・・

正直な話、今回観ていて終わり際にかなり目頭が熱くなってしまいました
それはまあ、例の如く理屈云々じゃない自然に沸いた感情だと思うんですけど
その流れでED聴いてると、今までテンポが良いね。とかメロディラインが秀逸。って印象だった「星屑のインターリュード」が
実にクライマックス感溢れる、また情感に沁み入るような切なソングに化けてしまって改めてこの曲もアニメもすげえな、と(笑
いつか終わりの日は来る、いつか別れの日は来る。だからこそ、笑顔で、美しく、扉を開けるようにその時を迎える事が出来たら、
それを「悲しい」「寂しい」「辛い」って思うんじゃなく、もっと別の考え方が出来たなら、変われたなら―
非常に思春期の少年少女らしいテーマで観ていて面白いし興味深いし、何よりもグッと来る
そんな湿っぽい、しけた顔してないでさ
素敵な笑顔を、
泣けちゃうくらいに眩しい笑顔を早く見せてよ!
今はそんな風に思うし、そんな笑顔を見せれたなら、きっとみんな変わっていくんだと思います。
いよいよ物語的にも話数的にもクライマックスを迎えている「天体のメソッド」、ナイーブで情感があって、温かさもあって最高のアニメですね
この回を観終えて改めてそんな事を感じたのでした みんな、強くなれ!





それにしてもノエルの言葉には不思議な説得力があります
水瀬いのりさんの好演技も手伝ってそれが純粋な感情なんだなって素直に信じられるイノセンスが備わってますね
だからこそ、視聴者としてもノエルが本当に観たかったものを見せてやって欲しい。って思えるんでしょうね

話は変わって、汐音の発育は尋常じゃねえ
・・・いや、まあね、いっても中学生とは思いつつ
最早柚季とか乃々香とは残酷なまでにスタイルのクオリティが違うっつーか
「本当に同学年?」とか「とんでもねえ中学生だな。」とか。もうはっきり言っちゃうと中学レベルではないですよね(笑
物凄い色香と大人っぽさに思わずお世話になっちゃった今回でしたが乃々香はスロースターターなだけで母親は中々でしたからね
同じく少し抜けているこはるの存在もそうですが、そらメソって中学生なのにらしからぬ発育模様があってそういう意味でもなんか堪らないですね
ただ可愛いだけじゃなくて、そこはかとない色気も随所から感じられるっていう・・・理想的ですな。

そんな汐音は、今週もまた嘘つきヒールを気取っていて
本当は乃々香が大好きだし、みんなとも一緒に笑いたい。って気持ちが溢れ出ていて凄く胸に来ましたね
乃々香の呼びかけによって醒まされた隠していた本当の想い・・・
この娘も最初から可愛かったけど、また更に可愛く感じられてすごく良いですね
なんかもうクライマックスなのが惜しいなっていうか、もっと乃々香とのニヤニヤするような絡みが観たいなっていうか(笑
やっぱりこの娘が本当の笑顔で、本心からの気持ちでみんなと一緒になる時を観たくて観続けて来た節も大きいので
その意味でもきっとかなりの割合でファンを先導して来たキャラでもあるんじゃないかと思います
道のりが長かった分、感慨深さも半端なさそうですが早くその時を観たいものですね。
個人的に今作でも大好きなキャラの一人、です。

こはるも可愛かったですね
力が弱くて、かつドジっ娘気質があったり
未だに「打たれ弱い」一面が悲しくも可愛く映ったり(笑
なんかそういう“変わったようで変わってない”表現もこのアニメの真髄であり
キャラにリアリティを付けられているという証拠にもなっていると思います
決して記号じゃないというか
また普段の母性と比べてちょこちょこと、ホントに弱った時だけ出て来るのが逆にホントっぽくて良いんでしょうね
柚季も初期の仲違いはいずこへやら、頼れる友人っぷりを発揮していてとても良かったと思います
誰もが誰も悪くない、本当は良い奴らだからこそ応援したくなるんじゃないかと思う
そんな事も観ていて改めて感じる事が出来た10話でもありました。
















「私はみんなの事が大好き。もう絶対に失いたくない!」
そんな風に堂々と宣言してくれた乃々香、
乃々香はいつだって有言実行、例え時間が掛っても相手にされなくても、その能動的で献身的な想いでもってみんなを引っ張ってきた。
そんな乃々香をいちファンとしてとても信頼しているし「彼女なら」って気持ちも確かにあります
やっぱり乃々香がみんなの気持ちを引っ張って、一つに繋げて欲しい
そして乃々香ならきっとそれが出来るし、みんなもその想いに応えてあげて欲しい。
最高の絆の再現に期待しています。めちゃくちゃ面白かったです、今回も。



天体のメソッド 第9話「さよならの意味」 感想

2014-12-03 | 天体のメソッド
                              
きみがなみだをながすのは。











汐音が涙を流したのは何故なんだろう
それにはきっと色々な理由が含まれてたんだろうけど、
でも確かに断言出来ることは、汐音は乃々香を憎んじゃいない
嫌ってもいない
本当は大好きで、大好きだからこそ今の自分の選択肢が辛くのしかかって来て・・・
願いが叶ったら、みんなの想いが成就したら、きっとノエルはまた違う願いを叶えにこの街から消えるだろう、でも
ノエルを「ここで」生かしたい、離れたくない、みんなの元から去らせたくない、何よりも
円盤及び円盤そのものなノエルはきっと汐音と乃々香の絆の象徴のようなもので・・・だから汐音は言えないし決断も出来ない
幼い頃に自分の“信じること”を一緒に信じてくれた乃々香は汐音にとっては多分誰よりも大切な友人なんだと思う
だって、両親は引っ越したのに自分だけここに残る事を決めたのはきっと乃々香とまた約束を果たす為だもの
乃々香を悲しませたくない、ずっと「みんな」で一緒にいたい、だから私は行く事が出来ない―

でも、乃々香の強い想いと汐音への呼びかけは容赦なく汐音を揺さぶって来る
そりゃそうだ、本心では乃々香の事が大好きなんだし、気持ちとしては嬉しいに決まってる
だけど、自分が行けば「ノエルのいる日常」を壊してしまう、彼女からノエルを(結果的に)奪ってしまう
乃々香の為に、大好きな親友の為に、一番辛い道を選んだはずなのに、自分を犠牲にしてまでも幸せを願ったはずなのに
そんな自分の気持ちなど露知らず乃々香は「一緒に星を見たい。」と真剣な感情をぶつけて来る
それがなまじ本当に嬉しいからこそ、本心では行きたいからこそ、
汐音の決して大きくはない心の器が揺さぶられてしまった
それがあの大粒の涙だったんでしょうね

本当は汐音だって行きたい
また乃々香と、みんなと、そしてノエルと星を見たいんだ
だけど、それを選んでしまったら二度とノエルには会えなくなってしまう
だから自分を殺して感情を抑えてその選択を我慢してしまいたかった
それでも、乃々香の存在は理屈では抑え切れないくらい汐音にとっては大切で心の中ではいとおしく思ってるからこそ
そんな思いの狭間で訳が分からなくなって、抑えてた気持ちが吹き出してしまって、彼女の“本当の気持ち”が涙として具現化された
それだけで観てる方としては痛いくらいに汐音の本心が伝わって来て涙線に来てしまったんですけど
その様子が切ないくらいにドラマチックで正直観ていて未曾有の面白さを感じていましたね
もう一度、心から笑い合える時は来るのか
何もかもを捨てて乃々香と汐音は手を取り合えるのか・・・
ふとした瞬間に汐音が乃々香に対して見せた笑顔、それが汐音の“素顔”であり
また「あの頃」とホントは何一つ汐音は変わってないんだ。という確かな証拠でもある
ここまでこのアニメを観て来たファンとしてもはや願いは一つに絞られてるので、
“その扉”を勇気を出して開けて、また新しい「何か」を掴んでくれるのを期待しています

凄く観ていて胸が締め付けられるような話数でもありましたが、
皮肉な事にだからこそ両人の想いがダイレクトに何のためらいもなく伝わって来るという・・・
汐音もヒールを演じてますがまだ思春期の女の子にとってはかなりの重圧を背負わされてますよね
でも、ここまで報われなかった、本当は大好きなのに悲しいかな素直になれない、不器用ながらも想いの片鱗を感じさせてきた汐音だからこそ
本当に彼女が笑顔で、そして素顔で乃々香と微笑みあうカットを拝みたいですしまた強固な絆を結んで欲しいなって思います






にしても、決してストレートなやり方でないのに
ここまで乃々香への愛情が伝わって来るっつーのも凄いですよね(笑
それもまた先週語った“そらメソのメソッド”の一つだったのか
ヒール気取って本心を隠してるからこそ余計に汐音のいじらしさだったり乃々香への強い想いが感じられるという
本当は上記のカットみたいに接したいし、やっぱり誰よりも彼女の事を好いているのは間違いない
だからこそ「その瞬間」が観たくて早く続きを視聴したくなってしまうという
ああいう過去があったからこそ今が愛おしく思えるメソッドに続いて
障害があるからこそ、その想いの強さが露わになるメソッド
本当に面白いアニメだなあ、と思いつつ
やっぱり、どんな結末になっても、ノエルの想いの通りに「みんなでニッコリ」して欲しいなと。
今のままじゃ本末転倒だと思うし、それにきっとその方がノエルも心からニッコリ出来ると思いますから。

真のラスボスは汐音ではなく、
「踏み切れない心の弱さ」なのかもしれませんね
でもEDの歌詞が象徴しているようにいつか終わりの日は来る、
その扉を開ける日は絶対に訪れる。それを選択出来るようになった時こそ
また一つみんなが大人になれる時なんじゃないか・・・と個人的に思っています
この先どんなことがあっても、いくつになっても、決して消えない“絆”を手に入れる為に。
物語も恐らくラストスパートだと思うのでここから数話は特に要注目、ですね。
徐々に徐々に歩み寄って明らかになるみんなの想いの結晶、
すっごく面白いし感動するなあ、って思いました。















本当は全体的に俯瞰しつつ感想を書くつもりでしたが
あの汐音の涙こそこの話数のすべてを物語っているなあ、と深く深く感じたので
そこから色々と掘り下げていくような感想に相成りました
でも気休めだとしてもさり気に乃々香を励ましてくれる柚季だったり、
そんな柚季と湊太のこしょばゆい思春期っぽいやりとりにニヤニヤ出来たり
こはるはこはるで相変わらずお母さん的でかつ天使だったりそういう細かな部分もまた良かったです
乃々香と汐音の衝突のワンシーンは公園の、水が流れてる壁の近くが舞台だったんですけどあの背景もまた良くて
ある意味水のように自然な想い~っていうシンボリックな主張も感じ取れてすこぶる面白かったですね

「きっと来るって」、
そんな柚季の言葉が実現する時が楽しみです
同時にそれは“別れ”も生むとは思いますけど、それでも―




しかしこはるは母性強いのにカラダ付きも良くて色々と反則的なキャラですね(笑
ノエルの水瀬いのりさんボイスもほんっとうにクセになってきてやばいです。最早代表作ですな。


天体のメソッド 第8話「彼女の信じること」 感想

2014-11-25 | 天体のメソッド

本当の「再会」・・・。









乃々香は何一つ変わっちゃいなかった
かつて思い出から目を背けようと「逃げた」こともあったけれど
ちゃんとこの場所に戻って来てまた汐音と流星群を観たい。という想いを語り
不器用ながらも心のこもった素晴らしいプラネタリウムで汐音の気持ちに応えようとした
汐音の為に、みんなと一緒に、“約束”を果たす為に一生懸命頑張ってくれた乃々香のキモチ。
それは、それだけは、どんなに彼女の過ちが彼女を責めようと絶対に変わらない真実だし
今も昔も不器用だけど真っ直ぐな乃々香そのものな感情でもある
例えどういう過程を経ようと、
「今」、「ここで」、「乃々香が」、「汐音の為に」、「一緒に星を観よう。」って
揺ぎ無い意志と変わらない気持ちを見せてくれてるのは否定しようのない確かな“誠意”でした
思い出から逃げてしまった乃々香だけれど、今確かにここにある瞬間と気持ちからは逃げなかった乃々香
今回もまた棚ボタでも時間が解決したわけでもない、彼女が彼女の意志で、彼女だけの想いを持って汐音を迎えにいった
「あの頃」の想いも含めて汐音の為に乃々香が出来うる限りの精一杯の行動をした・・・からこそ
物凄く感動的に映りましたし、やっぱり観ててちょっと泣きそうになってしまったんでしょうね
以前にも記述したんですが「泣きそうになった」って毎回のように書いてると少し嘘くさくなるかな、という不安もあったりしつつ
まあ自分に嘘つくよりは全然良いか、と思って、やっぱり今回も本当に泣きそうになりながら観てたのでそう記述しています
本当に毎回のように感情ラインを揺らしてくれる俺好みのアニメに仕上がっていて実に素晴らしいなと(笑

汐音もまた変わってなかったですね
「あの頃」の臆病で乃々香を大好きな汐音のままでした
汐音は本心だとやっぱり乃々香とまた仲良くしたかったんだと思います
でも、自分を忘れていたことで、自分だけが強く想っていたと感じてしまった事で中々それが出来なかった
何よりもまた自分を忘れる、裏切る、変わってしまうんじゃないかと恐れて乃々香を信じる事が出来なかった―
それはきっと、とても汐音「らしい」臆病で繊細な気持ちだったんじゃないかと
本当は信じたいのに心から信じる事が出来ない
だけど、
変わったと思えた乃々香は「あの頃」と同じように自分を想ってくれて、真っ直ぐで、何より“約束”を果たしてくれた
不器用な乃々香なりに自分の為に頑張ってくれた・・・それは「あの頃」の彼女のままで、思い出の中の乃々香のままで。
本当は誰よりも乃々香を好きなはずの汐音が初めて明かした苦悩と本心、そして今の気持ち。
ある意味ラスボス級のキャラだっただけにその美しい和解のシーンはちょっと神々しさすら漂っていてとても素敵でした
振り返れば誰が決定的に悪かった訳でもない、ホントは誰かのせいじゃない、だけど歪んでしまった関係性
それがきれいに一つになる瞬間をじっくりと拝めてとても幸せでした
能動的な主人公、
そして繊細なドラマ・・・
心から素敵だと思えるアニメの一つ、ですね。
また「5人で」集まって話したりしているシーンを観てたらここまで長かったなあ、、、としみじみ感じてしまいました
それはきっと毎週感想書いてたから、ってのもありそうですけどね。でも、それくらい濃密な「ここまで」だったと感じています。

ただ、ノエルのことでまだちょっと問題があるようで。
まあまだ8話ですしね。その辺含めて、また本当の意味で5人で笑えるように
みんなで一緒にいられるように。その顛末に今からワクワクしてます!



話は変わって前半のコメディパートも面白かったです
また破天荒な柚季が良い味出してるなあ(笑 とか思いつつ
お母さんみたいに柚季を制止するこはるもちょっと可愛かったですね
可愛かったと言えば、少しツンツンしながらも照れてる汐音も可愛かった(笑
これからどんどん可愛い一面も出して行ってもらいたい!って思ってます
また5人で集まってあのおまんじゅうを食べたり、
一緒に話したり、
一つの事に取り組んだり・・・
確かに乃々香によってバラバラになった面子だけど、こうやって自らの手で引き寄せたのもまた乃々香であるからして
彼女は色々と責任っちゅうか役割をきちんと果たしているなあ・・・ともまじまじと感じるのでした
むしろ以前よりも結びつきが深くなったかも分からんですね。本当の意味での“親友”。

例えば、今回の前半のそらメソみたいな内容のアニメなら多分いくつもあるんでしょうけど
それらとそらメソは辿って来た過程だったり今ここでこうやって遊べてる、触れ合えてる「歓び」があるので
やってる事は同じでも感触的/情感的には全然違うものに仕上がってると言えます
それがどう、だからどう、って話をする気は一切なく
それが“そらメソのメソッド”でありこのアニメ「ならでは」のオリジナリティなんじゃないかなあ、と改めて思いました
みんなでバカやったり、ただ集まって何気ない話をしてるだけでも、今はとっても嬉しいし多幸感で満たされるっていう。
そういうものを強く感じられた前半のコメディ・日常パートでもありましたね。

ちなみにお金を手にしていやらしい笑顔を浮かべる柚季にクスクス笑ったり、
あとはプラネタリウム調整の時の「フルパワー!!」っていう叫びと爆発のカットは大笑いしてしまいました
初期のナイーブさはどこへやらすっかり豊崎さんがよく演じるようなキャラになってますなあ
それでも汐音の気持ちを後押し?したり気付きの良さは健在ですけどね。
本当にこの5人組全員好きですね。


ノエルは呼んだから来たのか、
それとも・・・?っていう謎もありますが
取り敢えずは今週の水瀬いのりさんの演技がとっても可愛くてお耳にも良かったですね
「にっこり出来ないの!?」とか、言い回しがノエルらしくて素敵だったかと。
彼女もまた複線が多々敷かれてるのでこれからの回収が楽しみですね。
















乃々香の一生懸命さ、愚直さ、そして変わらない“誠実さ”が素晴らしくて、
そして汐音もまた「あの頃」と変わらず少し臆病で、でも優しい気持ちを抱き続けたままで・・・っていう
二つの想いが溶け合って一つになる瞬間がとてもきれいで、尊いと素直に思えた傑作回でした。
上記の画像はその象徴、キラキラ光る美しい情景が正にそんな気持ちそのもののようで今回とみに好きなカットです。





まだ元通り的には「序章」だけど、こうやって5人集まってるのを観ると、凄くイイなぁ、と。





天体のメソッド 第7話「私のなくしたもの」 感想

2014-11-23 | 天体のメソッド
いつもは「素直な良い子」である乃々香が親父だけに見せるツンツンっぷりが好きです(笑









私は“素敵なもの”を見せてくれる作品が好きなんですが、
この回の「天体のメソッド」は正にそんな“素敵なもの”を存分に表現し切ってくれた傑作回だったと思っています
乃々香の胸の内にずっと眠っていた贖罪にも似た想いが深く、情感たっぷりに描かれていてまたもや涙線くすぐられたんですが
お墓の前でしけた顔をせずに、彼女らしく笑って母親の前で元気な姿を見せる事が出来た、そこに強い意義があったんじゃないかと思います
まだ何もかもが戻って来た訳じゃない、総ての溝を埋められたわけじゃないし、そもそも総てが埋まるとも限らないけど
だけどここにある“友情”は本物で、誰が何と言おうと乃々香自身が掴んで離さなかった“今”でもある
色々あって、辛い経験もしたけれど、ただ心から笑い合って認め合える親友が今乃々香の元にいるのも確かな事実
母親の教え通り自分からまた歩み寄って壊れかけていた距離感を修復して、またそんな「乃々香らしい」姿を見せにここに“戻って来た”
その顛末こそが最も感動的で、また「あの頃」のように何の隔たりもなくはしゃぎあう3人の姿が尊くもあった
そういう情感が水面下で漂ってビシビシ伝わって来たのでやっぱ何度観返しても確かな傑作回だったなと
そんな風に思えたのでした。

“忘れる”という行為は正直後ろめたい行為ではあります
本当は自分の事を覚えていて欲しいのに、辛いから忘れる為に苦心した
でもふと気が付けばそれは申し訳なく感じるくらいにやってはいけない事だったと気付いた
それが今となっては辛い事として乃々香の感情ラインにのしかかったわけですが
ただ、乃々香自身はちゃんと反省も出来るし“待たない”強さのある少女である事もまた事実なんですよね
迷いながらもお墓まで来た事自体がそんな乃々香の「誠実さ」の一番の証しだったんだと思う
今までの感想内で記述した通りにやっぱり柚季たちを忘れていたのは母親絡みだったわけですが
忘れても、柚季たちに対する“想い”だけは絶対に忘れる事はなかった
幼さ故の未熟さでさえ、
取り返そうとするくらいに「あの頃」から誠実なままの乃々香は今もここにいるんですよね
記憶はこじれても、乃々香の人間性だけは今も昔も変わらず愚直で真っ直ぐで、そして誰よりも意志が強くて―
そんな乃々香の変わらない姿を見れてお母さんも嬉しかったんじゃないかな・・・とか思いつつ
彼女の人を想う気持ちが直に伝わって来て観終えた後のカタルシスも本当に高かった回でもありました
無事に贖罪を果たしつつある乃々香の物語にすっかり夢中な私ですが
この後にはある意味ラスボス級の汐音が待ち構えています
彼女の想いは相当深さを感じるだけに(恐らくは乃々香が汐音にとって初めての友達だったっぽいし)
この贖罪を、あの日の“約束”を果たすのにはかなり骨が折れる事になりそうですけど
でも最終的にはそんな歪んでしまった汐音の気持ちさえ動かせるぐらいの誠実さを見せてくれると信じています
本当は今でもちょくちょく乃々香を意識するくらいに乃々香の事を想っている(はずの)汐音
その時を楽しみにしつつ、
情感たっぷりで正しく心にグッと来る話数をどうもありがとうございました、と。
なんだか普通にクスクス笑えばいい序盤のコメディパートですら過程を思うと物凄く尊く感じられるような・・・
そう考えると本当脚本の流れ、構成がしっかりしているアニメだなあってまじまじと感じてしまいましたね。

また「あの頃」のように素直に笑って、純粋に楽しんでいる3人の描写がめちゃくちゃ面白かったし、それこそが心にグッと来る回でした。
本当に良いアニメですわ。







それにしても柚季は豊崎さん演じるキャラらしからぬツンツンっぷりが新鮮で可愛いキャラでしたが
ここに来てすっかり豊崎さん演じるキャラらしくなって来たなあ、と思いました(笑
牛を観て「うし!?」ってキラキラしながら牛を眺める姿だったり
相変わらず3人娘の中で一番体力がなかったり、
お店のメニューをただ詰め込んだだけで自分の手柄にしようとする可愛くもある浅はかさがいかにも中学生っぽくて良かったですね(笑
なんか憑きものが落ちたみたいな感覚っていうか・・・。それでいて肝心な時に乃々香を後押ししてくれたりホントに良いキャラですね
凄く人間くさいっちゅうかね。
こはるはこはるでちょっと褒められると恥ずかしがるウブさがいいですね
あと何気にタフっちゅうか確かに肝が据わってる部分は強いのかもしれないです
その分好意に鈍感っていう弱点も抱えてますけどね 逆にその辺は柚季のが敏感っていうのも面白いなあ、と。

それにしても、本来の姿で遊んだりはしゃいだりしている3人を観ていて、
ある意味3話目のリベンジだなあ。っていう風にも個人的には感じました
あの時はまだ真実を知らなかったし、途中でこじれましたからね
しかもあの時よりも素直な笑顔で・・・
そういう変化した、成長した部分も垣間見れたのが余計に大きかったのかもしれません
やっぱりこじれている、いがみあってる過程の末に素直に笑い合うって方向性の話大好きだなあと再確認。
とっても素晴らしい前半のコメディパートの数々だったとはっきりと思いました。


一方でノエルと湊太の絡みも良かったです
今のところ柚季・汐音・湊太と各々とガッツリ絡んでますけど
今回の絡みも微笑ましいものでしたし顛末含めて面白かったな、と
円盤から離れる事が出来ない・・・っていうのも思い出作りの数々も何かの複線だったりするんだろうか・・・と思いつつ
最後にはドラマチックな「何か」が待ってそうで色々と期待もしています
今のところ自分の感じてるままのフィーリングで観れているのでとっても楽しいですね(笑
また、5人みんなで笑い合える時を拝めるのもそう不可能なことでもなさそうです。
そして、その時をいちファンとして待っています。














それにしてもサブタイトルも雰囲気たっぷりでとても良いですね
まあ先週は精神的にずっと落ちてて感想を書くようなモードでなく、この感想も8話の放送直前まで遅れちゃったんですが
でもやっぱ何度も観ててこの回も是非書きたい、と思えるような内容だったのがとても嬉しかったです。
乃々香の深い想いと誇れる今の姿と、あの頃のままの3人の笑顔と絡みと。素敵でした。



天体のメソッド 第6話「本当の友達」 感想

2014-11-10 | 天体のメソッド
7年分のわだかまりを解く為に。










この回は、途中まで純正コメディ回だ!と感じてめちゃくちゃニヤニヤクスクスしながら観てたんですが
そしたら、中盤の柚季と乃々香のやりとりに不意に泣きそうになってしまって本当に油断ならないアニメだなと(笑
恐らく先週の内容である程度柚季と乃々香の想いに決着はつけたと思うんですけど
その後のアフターケアもしっかりと行ってくれる、
丁寧で抜け目のない脚本に本気で感銘を受けてしまったのが個人的な本音でしたねえ
問題は解決したけれど、だからといって距離が一気に縮まったかと言えばそれは違う
むしろ、距離に関しては「これから」が本番、「ここから」が彼女たちの新しい始まりなんだと
そういう事を示唆させるような作劇が兎角誠実で心地良く感じられた会心の幕間話だったと思います
またもや、虚勢に隠れて見えなかった柚季の“本当の気持ち”に触れられたようでそれが何だか嬉しかったのでした。

柚季は、先週のお話で逃げ続けた自分にケリを付けて柚季自身がずっと言いたくても言えなかった“本当の声”を出す事が出来た
それは傍目から観れば不格好で年不相応なシーンだったかもしれないけど、そこに彼女の“総て”が集約されていたと言っても過言ではない
虚勢を張ってても誰よりもナイーブで、繊細で、そして素直で・・・そんな柚季の心を彼女自身の「想い」で引き出した乃々香
とても美しく感情に訴えかけるワンシーンでした
だけど、それで一変して元の関係に戻れるほど単純でもなく今度は柚季自身が贖罪を果たす番
モヤモヤした自身の心情に決着を付けなくてはいけない、それは「あの日」からずっと誠実であった乃々香に対して邪険にしてしまった行動の数々
正直最初柚季を観た時は声が豊崎さんという事もあってもうちょっと能天気なキャラなのかなって印象があったんですが
先週今週を観る限り、実はこはるよりも湊太よりもちょっと臆病で虚勢を張っているキャラなんだなあ、と
そしてそれが個人的にいじらしく可愛くも思えたのが嬉しかったですし収穫でしたね
本当は素直で良い娘なのに、
彼女自身が思ってる以上にセンシティブな性格がそれを邪魔してしまう
ドキドキしながら乃々香を誘ったり言いたくても中々ごめんに代わる言葉が言えなかったり
その様子はなんだかとっても人間くさくて、もどかしくも微笑ましいカットの数々にニヤニヤしながら観てたんですけど(笑
ただ、「その時」は思った以上にドラマチックで情緒感があって、観ていてちょっと泣きそうになってしまいましたね。

単純に棚ボタで状況を作って自身の気持ちを告げたのではなく
「やっぱり後回しには出来ない」と強い想いを持って自らの手で意志で彼女に気持ちを告げたという過程にもグッと来つつ
このまま乃々香の優しさに甘えて「今日から友達です!」と友達面するのが柚季には許せなかった
今まで柚季が乃々香を邪険にしてきた分、その分の“罰”を、“痛み”を自分にも与えて欲しかった
それがなくては柚季は前に、「ここから先」には進めなかったんでしょう
だから乃々香に自分を殴って欲しいと懇願した
今まで彼女に与えた痛みの分まで―


でも、乃々香が与えたのは“痛み”ではなく“優しさ”でした
あの日の柚季が抱えてた想いを、自分自身を本気で憎んで叩いたんじゃないという事を乃々香は知っているから
ここで私が本気で叩くのは不公平だよ。と大きな痛みを与えずぺちっと触れる事で柚季を許したのでした
そんな乃々香の聖母のような気持ちにも感動したけれど、
その後の柚季の浮かべた涙はね、もう涙線くすぐられるよなあと(笑
詳しい感情の吐露をせずとも、表情だけで伝わって来る乃々香への想いに胸を熱くしつつ
夜布団の中で呟いた「ありがとう。」という単純な言葉にもなんだか感動しちゃったのでした
最後の方で純粋な表情で「いい娘だ。」と乃々香に対して言ったり「家に遊びに行っていい?」と笑顔で話す柚季の表情を観て
「本当の友達」ってやつに一歩近づけたのかな、とても良い表情をしているな柚季は。って純粋に思えたのがとても良かったです

まだ汐音という決着が付いてない存在もいるけれど、取り敢えずはまた昔のような気持ちで、昔のような笑顔で
素直に笑ったり過ごしたりする3人を観て気持ち熱くなった閑話休題のようでいてこのアニメの本質にも触れていた傑作回だったと思います
なんだか初回付近のぎこちない、わだかまり沢山の描写を観ていた分温泉の中で素直に微笑む3人を観ていて感慨深かったですねえ・・・
また「5人みんなで」笑える日が来るように、「あの日」みたいにはしゃげる日が来ますように
そんな事を祈りつつ、これからの話数も是非楽しんで観ていきたいですね
素晴らしい話数をスタッフの皆さまありがとうございました。






ところで、今回はコメディ的にも随分面白かったです
まず柚季と湊太のやりとりが面白くてちょっと柚季がツンデレ気味になるのが個人的にニヤニヤ出来ますね
柚季の湊太のものまねとか、湊太の格好付けてるようで視聴者にはバレバレな思春期男子っぷりとか(笑
少し湊太は可哀想だったけれど、あまりにも無自覚なこはるの姿はそれはそれで笑えたりもする
柚季とこはるの白々しい小芝居とか
円盤まんじゅうの味が落ちた~と話した瞬間にブラックな表情を見せるこはるとか
パンチングマシーンの場面なんかは事情を知ってから観返すとまた更にクスクス出来たり(笑
チャンピオンの拳が飛んで来ちゃうぜ!って感じ また乃々香のドヤ顔が良い味だしてましたねえ
まあ実際はパンチングマシーンが故障してました、というオチでしたが。
温泉でちょっと照れ屋になってた柚季もニヤニヤさせてくれましたし
汐音とノエルのやりとりも逐一面白かったと思う
個人的になんですがノエルの言う「しおねー!」の発音が凄く好きで水瀬さん良い仕事してるなあ、と(笑)。

「友達」って言葉に反応してたり、言葉の隅々で乃々香を想起させる発言が垣間見られたり
本当は寂しいんじゃないかな・・・とか思いつつ、そんな汐音の「本音」がいつか聞けるといいなあとも感じてます
他にも乃々香の父親に対する「お願い」発言、乃々香の母親の事、こはると湊太の関係性など気になる事柄満載ですね
ここまで誠実でグッと来るお話を繰り広げている「天体のメソッド」のこれからにも大いに注目です。
ちょっとだけジレンマが薄れて素直に笑えるようになった柚季の表情、
「あの頃」のようにみんなで楽しんだり微笑む3人に胸を熱くした6話目でした。























しかし、ノエルは本当純真さの塊のようなキャラで観てて楽しいし、可愛らしいし、元気が出ますねえ。
おまけに美人っていう。知らなくても騒ぎはしゃぐ姿は滑稽でありながらノエルらしくて素敵だなあ、とも(笑



天体のメソッド 第5話「光の花」 感想

2014-11-03 | 天体のメソッド
実は誰よりもナイーブで臆病だった柚季・・・。









今回は流石にちょっと涙線ヤバかったですね
ここ数週で大きくフィーチャーされていた「柚季問題」が一応の解決を迎えた訳ですけど、
彼女は彼女でただ単純に円盤を憎んでいた訳じゃなく、円盤を憎む事によって彼女の中に巣食っていた罪悪感を消したかった
本当は円盤を憎む事に何の意味もなく、そして“自分が悪い”って事も自ら理解していたのにそうせざるを得ないくらいに追い込まれていた
だからこそあの2話で乃々香が何も言わず手伝ってくれた時にあんなに泣きそうなくらい嬉しそうな表情を見せたんでしょうね
柚季の中ではもしかして「湊太の足をダメにしたのは柚季じゃないよ」って、そんな風に言われたかのような一時的な安らぎがあったのかも
「誰か」が円盤反対運動に参加してくれる事自体が柚季にとってはそんな罪悪感を薄めてくれる処方箋のように感じていたのかもしれません
そして、そんな彼女の心境を想像すると個人的に気持ち泣けるなあ・・・っていうのが本音ですね
心のどこかでは「助け」を求めてたのかもしれない。

だけど、そんな風に未だに、進んでいるようでその実「逃避」を続けていた柚季に対して
乃々香はあの日と同じように、柚季が“一番観たかった景色”を彼女に見せる為に毎日頑張っていた
乃々香だけじゃない、こはるも湊太も一緒になって「2007年の秋のあの日に叶わなかった風景」を蘇らす為にそれぞれの役割をこなしていた
そして、柚季はノエルから渡された昔のアルバムを観てあの日も今と同じように乃々香は約束を果たす為にあの場所に来ていた事を知る
振り返れば、あの日も今も“みんなとの約束”を果たせなかったのは自分のせいじゃないか―
そう感じた柚季があの日から重く閉ざされた「扉」を彼女自身でこじ開けまた再びみんなの元へと帰る・・・
その美しい顛末と感情の流れに思いっ切り泣きそうになってしまったのが正直なところで、何度も観返しては泣きそうになってる自分がいます。

柚季がずっと湊太の足を気にして悩み続けていたこと
若さと罪悪感の所為で「それが自分のせい」だと認めるのが怖かったこと
その想いすら凌駕するくらいに強い気持ちで柚季が“みんなとの約束”を7年越しで叶えに行ったこと
そして、今も昔も乃々香は真っ直ぐに柚季とも交わした約束を“本当のこと”にする為に頑張ってくれたこと―
あの日と何も変わらない二人がそこにいて、柚季はようやく罪悪感から解き放たれ素直な彼女の心境を涙を流しながら打ち明ける事が出来た
“7年越しの「ごめんなさい」”を乃々香に、こはるに、そして「お兄ちゃん」に告げる事が出来た・・・
その背景も相俟って涙線がヤバい状態になったのかもしれないですね
それも手伝ってくれたこはるや湊太の尽力があり、
何よりも素直な心でただただ純粋に、みんなのために自分のために、そして“柚季のため”に頑張った乃々香の想いがあったからこそ
棚ボタでも時が解決した訳でもない、乃々香自身の手でそのわだかまりを解消させたからこそ物凄く感動的だったんでしょうね
乃々香は確かに別れを告げられない「弱さ」があったし、母親の事もあったんだろうけど忘れてしまった「罪」もあった
だけど、あの日も今も友達に対する、自分にとって大切な人に対して向ける姿勢は何一つ変わってない―
それを改めて確認出来た、という意味合いでも胸に来ましたし大切だと思える話数になってました

自分の「弱さ」を認めて「素直さ」を手に入れる事が出来た柚季
少年少女の成長物語、思春期物語として正しく面白く感動的だったなあ、と思いました
特にノエルに見せてもらったアルバムから自分だけが約束を果たしてなかった事実に気が付いて涙してから後は本当にヤバかったっす
ここまで「天体のメソッド」を観続けて来て良かったなあ、と素直に感じる事が出来たのが何より嬉しかったですね
柚季が最初に湊太に謝られた時の「え?」っていう演技の相当のリアリティだったり
彼女の感情の揺らぎを丹念に表現された豊崎さんの熱演も非常に光ってましたね
なんだか元気そうに見えて一番ナイーブだった柚季が更に可愛く思えました。



こういう表情だったりも凄く良くて、
ただ単純に無鉄砲でおてんば娘ってだけじゃない一面を上手く表現されているなあ、と
長年ぎこちない関係性が続いてただけに未だにちょっとツンツンしちゃう妹っぷりも含めて可愛かったですね
この柚季は観る度に色々な一面が出てくるのでそういう意味でも観ていて飽きないキャラクターです
でもちょっとプリプリしてる時も個人的には「それはそれで可愛い」なんて思ってたり(笑
最終的には彼女がまた笑顔になれて良かったですよ。ええ。



今回は柚季の問題が解決して良かった、彼女の繊細な心情の流れが泣けた、って収穫だけではなく
みんなとの絆だったり、乃々香がしっかりと主人公らしく柚季を助けてくれた、ちゃんと変わらない誠実さを見せてくれたというのがありましたが
それに加えて汐音とノエルとのやりとりの描写も印象的でしたね

あのやりとりで汐音はノエルと乃々香の仲の良さだったり関係性を気にしてましたけど、
そこからちょっと嫉妬的なものも入ってるんじゃ?とか本当は何だかんだで気になるのでは?だとか
色々想像出来るようなやりとりにもなっていてただ可愛いだけじゃ済まない感情が水面下で漂ってました
まあ、単純に汐音に奢ってもらって大喜びで食すノエルも暴走しがちなノエルにタジタジになる汐音もどっちも可愛かったんですけど(笑
でも汐音が未だに乃々香に対して「未練」のような感情を、拭い切れない感情を抱えてそうな事は確かだと思いました
乃々香は変わったようで実は何も変わってない、あの頃のような純粋な気持ちを持てているキャラクターなので
いつかそういう気持ちが汐音にも伝わってくれるといいなあ・・・と期待しつつ
何気にすぐヘッドフォン被って逃げようとする彼女も彼女で抱えてる葛藤があるのかも、ですね

っていうか、その癖はちょっと「可愛いな」とも思いますがね(笑
彼女の感情の片鱗も垣間見えたのも個人的にはプラスでした。



可愛い云々で言えば、素直に優しく乃々香をサポートしてくれたこはるも天使レベルでしたし
彼女の乃々香のやることを信じる、信じてるよとはっきり言ってくれた性格の良さもまたすっごく良かったと思います
でも先週の泣き崩れるシーンもあれはあれでこはるの「弱さ」が出てて人間くさくて良かったですけどね
そしてノエルも相変わらず可愛くハンバーグを望んだり花火にワクワクするシーン等
思春期中心のストーリーの中で良い癒し役になっているなあ、と。
割と素直になれないキャラが多い分、
ノエルのような素直さの塊のようなキャラが逆にアクセントになっているのでしょうね
そういえば今月の電撃大王に付いてたクリアファイルでノエルちょっとせくしいな格好しててその記事も書いてるのでそっちもよろしく(宣伝)。
そういう風に感動的なお話の流れにグッと来つつもキャラの可愛さも十二分に味わえた傑作回に仕上がっていましたね。
元々ここまで好印象が続いてましたが正に本領発揮という言葉が相応しい、強く心に残る回になってるかなあ、と。
これ観てから過去の話数観返すとまた感じるものもありそうですね。素晴らしいです。
















これからは汐音の違った一面も観れそうな予感。



また、こんな笑顔を向けられる彼女が“戻って来て”くれて本当に良かったです。



天体のメソッド 第4話「思いのかけら」 感想

2014-10-28 | 天体のメソッド
2週連続でビンタされる主人公。でもなんか、そんな乃々香も可愛いです(笑)。







湊太とおまんじゅうの話題でちょっと盛り上がってる時の雰囲気はいかにも「幼馴染」って感じがしてとても良かったです
こういうのを他の女の子達とも交わせるようになればいいんですが、まだ道のりは遠いようで・・・。

柚季とは2話で少しだけ分かりあえたような印象があって、
それでも彼女が憎む円盤を呼んだ首謀者でありいきなり消えた薄情者であるからして(実際は純粋な想いからだったし、情が強すぎただけなんだけど)
どうにも乃々香の事を許せずビンタした挙句翌日に再会しても「話したくない」と一気に不仲モードに入ってしまいました
ちょっと前までは和気あいあいと話していただけに今回のような状況は観ていて辛かったですね
でもそういう“痛み”を描くアニメだとも思うのでその意味じゃある種本領発揮の話数への始まり、とも書ける内容でした

柚季が円盤を憎む理由はそんなに単純な理由じゃない、事故の映像のカットもあったように本気で憎むべき理由が存在している
だけど、もう時間も年齢も経たしいい加減振り切って前に進むべき頃合いなのは確かだと思う
ただそういう「正論」なんかじゃ収まりがつかない程の感情を彼女は抱えている
「正論」でおさえこむのはある種“簡単”なんですが
「正論」で総てを解決出来るほど秀逸な感情回路を持っている生き物でもないんですよね、人間は。
彼女自身も「意味無いから」と自分で断言してたように本当はあの行為が今さらで無意味なのは柚季が一番よく分かっている
それでも、誰かに自分の味方でいて欲しい、不安定な自分の気持ちを支えて欲しい、自分の心に寄り添ってくれる「誰か」が傍にいてくれたら・・・
本当はただただ自分の感情を理解してもらいたいだけなのかもしれない。
だから乃々香にもあんな表情を向けたんでしょうね
あの時は乃々香の存在が柚季にとっては一つの助けになってたけど、今は―

でも、乃々香自身も「このままじゃいけない」って危機感を持っているはず
自分自身で(結果的に)壊してしまったみんなとの絆、止まってた時間を動かすのも間違いなく「今」のはず
それが証拠に最後の最後で乃々香は贖罪の為に、そして柚季の為に「何か」をすることを固く決意する描写が挟まれている
2話で柚季に与えた“優しさ”の描写もありましたし、乃々香には頑張って柚季を癒してあげて欲しいですね
先週も今週の内容が気になりましたけど、今週も来週の内容がめっちゃ気になるという
中々に罪作りな、要するに物凄く先が気になる面白いアニメに仕上がってますね
結果的に孤立し、本当は正当な理由があるはずなのに腫れもののような扱いになってしまった柚季
その奥底に眠る感情を、本音を、是非引き出して彼女を救済出来れば、きっと事態も好転していくと思います
その時を待ちつつ来週以降も楽しみに観ていければ・・・と 勿論汐音の事も含めて、ね。


こはるはきっと、そんな柚季の気持ちを分かってやりたくて仕方なかった
それでも、未だに過去に囚われている柚季の姿を観ているのが耐えられなかったんでしょう
だけど、本当は理解者でいたかったためにこはるが流した大粒の涙・・・。
こはるは一見おとなしく優等生に見えますけど、
その実不器用だったりもするんでしょうね
それが垣間見れる作劇になってましたけど、これまでその優等生キャラだった分柚季とぶつかり本音を零して耐え切れずに涙した
その一連の流れが実に人間くさくてそういった面でもこの4話目は面白かったですね
こはるもまた柚季に対する後ろめたい感情、「最後まで味方でいてやれなかった」というのがあると思いますが
そういうこはるの贖罪的な側面もこれからの話数で解消していければ・・・とか思います

誰もが誰も複雑な感情を抱えている様が観ていてとても楽しいですね
ちょっと痛々しくもあるけど、それもまた“青春”なんだと個人的には感じます
いつも元気そうで悩みなさそうに見える人ほど裏では拭い切れないジレンマを抱えて生きている
それが実に沁み入る形で描かれているこのアニメ、序盤のワクワク感から中盤の核心に迫る話数への流れ、
益々見逃せない事になって来そうです。登場人物の葛藤や傷が伝わって来る作劇で自分好みですね。












それにしてもノエルの無邪気な可愛さが良い箸休めになってますね
天真爛漫な笑顔と水瀬いのりさんのハマり役の声のお陰でとってもヒーリング効果のあるキャラになっています
彼女の云う“願い”とは一体何なのか、どういう形で結実するのか。EDの映像のように本当にいつかみんなで笑えるといいですね。