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狂気のスピード 知るかバカうどん「君に愛されて痛かった」 第6話「大丈夫」 感想

2017-09-05 | 知るかバカうどん
                           
                        どんどん追い詰められていくな。











誰かの変な噂やミスが広まると、
まったく関係ない人まで怒りや無視という制裁を加えるようになる
しかし、ぶっちゃけ「お前関係ねーだろ。」って感情が沸くのもまた事実
ただ、何というか、有り体な“悪いヤツ”に上から目線で攻撃する事で自身が優越感を得て
なんとな~く常識人になったような気分になる・・・という価値観というか理念が多いのもまた事実。
そこに「真実か否か」という疑いが挟まる余地は全くなく、ただみんなでオラつければいい。それが現実だと思う。

しかし、正直読んでいて(良い意味で)複雑な気分というか、
攻撃される理由は確かにあるんだけど、
攻撃を執拗にかます是非はまったくないわけで
その辺はやはり上手いな、というか
ある意味初めて読んだ同人誌から地続きで“読み手を複雑な気持ちにさせる”事が上手い作家だと思う。

下らない友情ごっこと連帯感の裏で確かに彼女らは「何か」を失っている
今はまだ「それ」に気付いてはいないだろう
いずれ「それ」に気付くのかもしれない
だけど、
いつか気付いたところで「それ」はもう遅い。
一度ギタギタになった心はもう治らないし、傷は一生残るものだ

個人的に不良が更生したところで、他人を傷付けてきたという事実は消えないし、
そういう人間が「偉い」と称賛される事案に関しては正直反吐が出る。
その癖、何の悪さもせずに律義に頑張って来た人間にはなんのスポットライトも当たらない
本当に賞賛されるべきは、一度も間違わずに頑張って来た人たちなのだ。

まるで空気を吸うように平然と他者を傷付けご満悦の彼女ら
いくら顔が美人であろうがスタイルがよかろうが、性格がクソならばすべてが台無しである(個人的に)
これならば初回でいじめられていた陰キャの二人の方がまだマシである
しかし、かなえも「そっち側」に行ってしまったんだな、、、と思うと
中々に心苦しいが、
だからこそ自分の存在意義を求めて必死に夜の街に繰り出す描写に少なからず感情移入してしまうのもまた事実
案の定、相手はいかにも自尊心が高そうなイマドキの云い方をすれば所謂「イキリオタク」って奴(使い方合ってるかな)で
まあ「まともな奴」ではなかったのだが・・・。






気が付けば、
誰よりも不細工な顔になっているかなえの表情が面白い
面白いっちゅうか、切実・・・というか。正直、「誰でも良い」と思えるほど人間は適当ではなく、
ほぼ間違いなく「あの人に好かれたい」「あの人に構われたい」という願望はあると思う
それは価値観が一致する人だったり、立ち振る舞いが素敵な人だったり・・・
逆に“そうじゃない”と感じると物足りなくなったり不愉快な気分になったり虚無を感じるのは普遍的な心情だと感じる

よく読めば、相手のラノベ作家は普通に悪口言いまくりだし、普通にかなえを疑って傷付けているし、
やたら大声は出すしで彼の嫌う「大きな赤ちゃん」そのものなのだ
(俺の)経験則からいって、
あれこれ御託を並べる人間ほど自身がろくでもない人間である事が多い
しかも、かなえはその前に寛というナイスガイに出会ってとても高い比較対象がいる
その点でもすべてが自分勝手なラノベ作家の彼とは何もかもが「違う」気持ちにさせられたに違いない。









学校で居場所を失い、
集団から外れて、
頼りの援○でも痛い目を見て、
おまけに最後はスマホを取り上げられて・・・
他者との「繋がり」の術をほぼ断ち切られてしまったかなえ
普通に考えれば所謂胸糞展開まっしぐらで「面白い」という感情は出てこなさそうだが、
不思議とうどん氏の作品には「それ」がなく、素直に「好きだ。」と思える。

それはきっと、誰かに認められたい気持ちだったり、共感されたい想いだったり、
必要とされたい感情だったり、「お前じゃない」という本当の意味で普遍的な心情だったり・・・
ある種愉快犯的な作家さんに捉えられることも多いうどん氏ですけど、
その実「人間の根源的な動機」を描いている。とも言えると思うんですよね
だからこそ読んでいて感情移入してしまうし、とっても「面白い」って素直に思えるんでしょう
いや、勿論これら全部俺の個人的な感想に過ぎないんですが(笑)そこは注意です
でも、ラス前の見開きのかなえの号泣シーンにはシンクロしてしまうくらい切実なものを感じました
「本気の表現」を求めている方・・・は是非読んでみてはいかがでしょうか
次回以降もとんでもない展開が待ってそうですっごい楽しみだ!






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