東京都写真美術館(恵比寿)で開催中の「昭和」を振り返る4部作。
希望と躍動に満ちた昭和30年代を中心に、戦後の復興の時代から高度成長期を
経て、昭和天皇崩御で終焉を迎える約45年間を当時を代表するフォトグラファー
たちが独自のカメラワークで時代を敏感に切り取る。
第1部の「オキュパイド・ジャパン(占領下の日本)」では、
昭和20年代の戦後の日本を展示した。
廃墟の銀座、米軍占領下でそこかしこに英語の看板のある街並、
戦争孤児たちの、いたいけで逞しい姿。
東京駅で満員列車にしがみつく復員兵たち。
軍靴で胡坐をかきバーで談笑する太宰治。 血のメーデー。
誰もがしがみつくように生きていて、時代の呻きが伝わるかのようだ。
時代が動く背景には、いつもドラマがある。
現在は第2部「ヒーロー・ヒロインの時代」を展示中。
スターがスターであった時代。
王や長嶋、力道山。高倉健に石原裕次郎。松下幸之助に本田総一郎。
限られたメディアの中で目にする彼らは、遠い憧れの存在だったに違いない。
自らの主体性よりも、遠い存在の彼らに対する憧景に存在意義を
映し出していたのかもしれないなと想像したりする。
定年を迎えたお父さん、お母さんたちは「あの時代はよかったなあ。」なんてつぶやいたりしそうです。
ポートレイトフォトなど、写真の撮り方も多様化してきた時代なのでしょう。
今後、第3部「高度成長期」、第4部「オイルショックからバブルへ」と続き、
12月初旬まで順次開催されます。
昭和生まれの方も平成生まれのあなたも一見の価値ありです。

来年には平成生まれの人は成人式を迎えると思うと
時の流れというものは・・・とつくづく感じる。
平成の回顧展が開催される頃、地球はまだ青いだろうか?