まぬけなサンタ

昨年のクリスマスの奇妙な出来事である。
我が家にもご多分にもれずサンタクロースがやってきた。

長男（ちなみに中二）のご注文は
あの入手困難と悪名高い「任天堂Wiiとそのソフト」である。

サンタさんもさぞやお困りであったのだろう。

クリスマスパーティーの余韻覚めやらぬ１２月２５日の朝、
我が家のツリーの下には「そのソフト」だけがポツンと置いてあった。
次男（こちらは小二）のご注文であった
「（ホントに）大きなドームステーション」のとなりに
すまなそ～にたたずんでいた。
　　　　　　　　　　　　　　　
だけど・・・おい！見ろよ！
その上にはクリスマスカードが置いてあるではないか！

さっそく手に取る長男。
固唾を呑んで見守る私。

開口一番「やっぱりお金がなかったんだ！」
え、なんで？・・・腑に落ちない。

「だって　no money　って書いてあるよ！」

そのクリスマスカードを見てみると、サンタクロースのあふれ出る思いが
ひとつの文章にたくしてあるのが痛いほど伝わってきた。

「Boys be ambitious! Be ambitious not for money or for selfish・・・」　
（青年よ大志を抱け！それは金銭や我欲のためではなく・・・・）
・・・そこには有名なクラーク博士の言葉の全文がかかれてあった。

だが、しかし！
長男に届いたクリスマスカードには「not for money」のところが「not money」
となっているではないか！
サンタさん、大失敗！である。


「おわびのひとこともなく、なにが Boys be ambitious! だよ！」
ソフトだけ届いていわば「おあずけ状態」の長男はふくれっ面。


いやいやそんなこと言わずに「大志を抱いてほしい」と願う母であった。