高崎哲学堂で開催されていた「ウェグナーに座ろう」展に行った。
高崎哲学堂には、高崎で芸術文化を推進してきた井上房一郎という人が、自身の自邸として、アントニン・レーモンドの東京麻布の自邸を模して昭和29年頃に建てた建物が残っている。麻布のレーモンド邸は現存しないため、その家を偲ぶ貴重な建物としていまも大切にされている。
レーモンドという人はチェコ出身の建築家でフランク・ロイド・ライドのもとで学び、帝国ホテルの建築の際に来日し、そのまま日本に留まった。軽井沢タリアセンには移築された夏の家が残されている。
レーモンドは日本で設計事務所を開き、1976年に亡くなっているが、実はその事務所はいまも「株式会社レーモンド設計事務所」としていまも活動を続けている。
今回の展示はその家にハンス・J・ウェグナーの椅子を並べ、実際に座れるようにしたものだ。(10/28までで終了)
先週土曜日の台風による大雨の日に出かけてきた。
何もこんな雨の日に行かなくてもと思ったのだが、会期も迫っているのでやむなく行って見た。
だが、雨の日に行ったのは正解だった。
木で建てられたこの家は、雨が似合う。晴れた日に行ったらわからなかった。
室内に入ると、古びた木の香りを含んだしっとりとした空気を感じる。ちょうど古いお寺のお堂に入ったときに嗅ぐ空気とよく似ている。屋根を叩く静かな雨音が湿りを帯びた空気とともに心地よく五感をくすぐる。
この家は何だか懐かしい感じがする。
レーモンドという人のことはあまりよくは知らないのだが、障子が取り付けられ、和紙の貼られた襖がある木造のこの家を見るだけで、この人がいかに日本を愛したのかがわかる。
そして、ウェグナーの椅子。
ウェグナー好きの人が展示会のために提供した椅子だということで、椅子のひとつひとつに持ち主の名前が書かれていた。
Yチェアの名でよく知られているCH24を始めとして多くの椅子が置かれている。
どの椅子もちょっと座っただけでも座り心地の良さを感じる。
そして体がもう動くのを拒否する。ずっと座っていたい感じ。
いま販売されているカタログには載っていないリクライニング型の椅子も数種類あったが、これは本当に心地良い。横になると寝てしまいそうだった。
ウェグナーは現在に至るまでに500種類以上の椅子をデザインしたそうだ。座り心地はよく研究されている。
新居を建てたらウェグナーの椅子を入れよう。そして、このレーモンドの家も参考になる。
古いお寺や神社の建物をたくさん見てきたが、古来、日本の建物に雨どいはついていなかった。
雨どいは屋根のデザインをひどく醜くする。
普通の民家でも基本的にはいらないのではないかと思う。
そして、この家にも付けられていなかった。
落ちた雨は下に敷かれた小石が受け止める。
よく寺社にあるやり方。
雨どいがない結果、雨は屋根からカーテンとなって落ちる。
それもまた雨の美しい景色となる。
高崎哲学堂には、高崎で芸術文化を推進してきた井上房一郎という人が、自身の自邸として、アントニン・レーモンドの東京麻布の自邸を模して昭和29年頃に建てた建物が残っている。麻布のレーモンド邸は現存しないため、その家を偲ぶ貴重な建物としていまも大切にされている。
レーモンドという人はチェコ出身の建築家でフランク・ロイド・ライドのもとで学び、帝国ホテルの建築の際に来日し、そのまま日本に留まった。軽井沢タリアセンには移築された夏の家が残されている。
レーモンドは日本で設計事務所を開き、1976年に亡くなっているが、実はその事務所はいまも「株式会社レーモンド設計事務所」としていまも活動を続けている。
今回の展示はその家にハンス・J・ウェグナーの椅子を並べ、実際に座れるようにしたものだ。(10/28までで終了)
先週土曜日の台風による大雨の日に出かけてきた。
何もこんな雨の日に行かなくてもと思ったのだが、会期も迫っているのでやむなく行って見た。
だが、雨の日に行ったのは正解だった。
木で建てられたこの家は、雨が似合う。晴れた日に行ったらわからなかった。
室内に入ると、古びた木の香りを含んだしっとりとした空気を感じる。ちょうど古いお寺のお堂に入ったときに嗅ぐ空気とよく似ている。屋根を叩く静かな雨音が湿りを帯びた空気とともに心地よく五感をくすぐる。
この家は何だか懐かしい感じがする。
レーモンドという人のことはあまりよくは知らないのだが、障子が取り付けられ、和紙の貼られた襖がある木造のこの家を見るだけで、この人がいかに日本を愛したのかがわかる。
そして、ウェグナーの椅子。
ウェグナー好きの人が展示会のために提供した椅子だということで、椅子のひとつひとつに持ち主の名前が書かれていた。
Yチェアの名でよく知られているCH24を始めとして多くの椅子が置かれている。
どの椅子もちょっと座っただけでも座り心地の良さを感じる。
そして体がもう動くのを拒否する。ずっと座っていたい感じ。
いま販売されているカタログには載っていないリクライニング型の椅子も数種類あったが、これは本当に心地良い。横になると寝てしまいそうだった。
ウェグナーは現在に至るまでに500種類以上の椅子をデザインしたそうだ。座り心地はよく研究されている。
新居を建てたらウェグナーの椅子を入れよう。そして、このレーモンドの家も参考になる。
古いお寺や神社の建物をたくさん見てきたが、古来、日本の建物に雨どいはついていなかった。
雨どいは屋根のデザインをひどく醜くする。
普通の民家でも基本的にはいらないのではないかと思う。
そして、この家にも付けられていなかった。
落ちた雨は下に敷かれた小石が受け止める。
よく寺社にあるやり方。
雨どいがない結果、雨は屋根からカーテンとなって落ちる。
それもまた雨の美しい景色となる。