![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6a/0e/3231c68c7cc49021ac662266bad988b8.jpg)
都合がつけば、シェムリアップのチェンラーGHで出会ったヨシさんと京都で飲む予定の日だったが、多忙を極めているらしく残念ながら次回の持ち越しとなった。
が、しかーし 秋の京都を素通りなんてできるわけもなく、例え到着が深夜になろうとも今日はあの店に絶対に行ってやろうと鼻息あらく京都駅外に出る。
おぉ・・・京都、結構寒いのね。これは最高のおでん日和!
というわけで向かったのはこのお店!「蛸長」
前回来たのはいつだろうか?3年ほど前になるだろうか、桜満開ながら季節はずれの寒さの夜に初めて行ったんだよね。
その時は、ほんと通ぶってさ、注文する際「季節のものをふたつ、みっつ・・・」なんてやってしまったら、太い京人参のおでん(巻甘蘭)が出てきてしまって苦戦を強いられたんだよね…
参照…池波道楽回顧録①蛸長
今回は、前回の教訓を踏まえ、
「何にしましょう?」
「んん・・・季節のものは何がありますか?」
ふふん・・・これで人参の名が告げられようが回避できる。
そのうえ、洒脱な京のひとにもなめられまい。実にパーフェクトな回答。
「へい、栗の渋皮煮が入った宝袋、銀杏などがあります」
ふっ。人参ではないようだな。
「うむ、では宝袋と銀杏、それに大根をもらいましょうか」
店主が優雅な手つきでとりわけ、刻みネギをささっと載せて出してくれた。
熱燗の一杯目はお酌してくれる寸法。あとは手前でやってくれ、という粋な計らい。
いやぁ、ほっくりと大きな銀杏だこと。
山椒がかかった刻みネギと辛子をちょいとのせて味わう。
ん~濃いねぇ。銀杏のおでんなんて食べたことないよ。
白波の熱燗をきゅっ・・・。 ハハハ、うまい!
大根も良く煮えている。
こういう上品なものを静岡おでんの如く食ってはいけないんだろうね。
ここからは店の雰囲気、客と店主との小粋な掛け合いも肴にしちびりちびりとやる。
大根、栗の渋皮煮、葱鮪 どれも上品でうまい!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/c7/2ca66648a01d997134532e2eb634d0b5.jpg)
栗のおでんなんて、洒落ているよね。ほのかなあまみと出汁を吸った巾着が絶妙!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/14/4f/fc9c743b7d386a0ab9c1da6b03e05c8d.jpg)
葱鮪、これまた面白いネタだが、鮪がホロホロとほぐれて・・・
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/43/fc/998249f08c8d9a08793ea1490913b565.jpg)
んでもって、湯葉と飛竜頭。 湯葉はじっくり煮込んでくれます。その間の会話が楽しいやね。
心地よくなったところで店主に質問。
「池波正太郎フリークとして訪れました。先生はどちらに座られていたんですか?」
「はい、30年も前の話なので、直接見たわけではないですが、伝え聞くに、そちらの隅か、真ん中の角か、そちらの隅にお座りだったそうです」
(笑) やっぱり!
「なんでも、新国劇の稽古があるときによくいらしてね、でも時間は決まって4時とか混雑時を避けてお見えになっていたようで」
ふふふ・・・エッセイの通りだ。
「うちで一合、二合呑まれたあと、一度ホテルにお戻りになり、また近場のお店にご飯を食べに出かけたそうですよ」
「おっそれは、もしかして盛京亭さんとかですか?」
「いえ、別のところに」
(・・・ふむふむ、となると、これは「志る幸」あたりかな・・・)
勘ぐりながらの会話が楽しい。
「健啖家でいらっしゃって、ひと晩に三食いかれていたそうです」
おでんの湯気に包まれて、このような残り香を聞けるのがとても楽しい、
良い匂いのする一夜でございました。御馳走さま。
帰りは心地よいので京都駅まで歩いて移動。
さぁ、城崎に向かうぞ!
◇蛸長◇
京都府京都市東山区宮川筋1-237
営業時間 18:00~22:00
定休日 水曜日
食べた物 宝袋 銀杏 大根 葱鮪 湯葉 飛竜頭 日本酒 1合
合計 5000円
★池波正太郎の本
むかしの味 (新潮文庫)![](http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=blogmanzokute-22&l=as2&o=9&a=4101156506)
京都・大阪のうまいもの―散歩のとき何か食べたくなって (コロナ・ブックス)![](http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=blogmanzokute-22&l=as2&o=9&a=458263320X)
が、しかーし 秋の京都を素通りなんてできるわけもなく、例え到着が深夜になろうとも今日はあの店に絶対に行ってやろうと鼻息あらく京都駅外に出る。
おぉ・・・京都、結構寒いのね。これは最高のおでん日和!
というわけで向かったのはこのお店!「蛸長」
前回来たのはいつだろうか?3年ほど前になるだろうか、桜満開ながら季節はずれの寒さの夜に初めて行ったんだよね。
その時は、ほんと通ぶってさ、注文する際「季節のものをふたつ、みっつ・・・」なんてやってしまったら、太い京人参のおでん(巻甘蘭)が出てきてしまって苦戦を強いられたんだよね…
参照…池波道楽回顧録①蛸長
今回は、前回の教訓を踏まえ、
「何にしましょう?」
「んん・・・季節のものは何がありますか?」
ふふん・・・これで人参の名が告げられようが回避できる。
そのうえ、洒脱な京のひとにもなめられまい。実にパーフェクトな回答。
「へい、栗の渋皮煮が入った宝袋、銀杏などがあります」
ふっ。人参ではないようだな。
「うむ、では宝袋と銀杏、それに大根をもらいましょうか」
店主が優雅な手つきでとりわけ、刻みネギをささっと載せて出してくれた。
熱燗の一杯目はお酌してくれる寸法。あとは手前でやってくれ、という粋な計らい。
いやぁ、ほっくりと大きな銀杏だこと。
山椒がかかった刻みネギと辛子をちょいとのせて味わう。
ん~濃いねぇ。銀杏のおでんなんて食べたことないよ。
白波の熱燗をきゅっ・・・。 ハハハ、うまい!
大根も良く煮えている。
こういう上品なものを静岡おでんの如く食ってはいけないんだろうね。
ここからは店の雰囲気、客と店主との小粋な掛け合いも肴にしちびりちびりとやる。
大根、栗の渋皮煮、葱鮪 どれも上品でうまい!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/c7/2ca66648a01d997134532e2eb634d0b5.jpg)
栗のおでんなんて、洒落ているよね。ほのかなあまみと出汁を吸った巾着が絶妙!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/14/4f/fc9c743b7d386a0ab9c1da6b03e05c8d.jpg)
葱鮪、これまた面白いネタだが、鮪がホロホロとほぐれて・・・
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んでもって、湯葉と飛竜頭。 湯葉はじっくり煮込んでくれます。その間の会話が楽しいやね。
心地よくなったところで店主に質問。
「池波正太郎フリークとして訪れました。先生はどちらに座られていたんですか?」
「はい、30年も前の話なので、直接見たわけではないですが、伝え聞くに、そちらの隅か、真ん中の角か、そちらの隅にお座りだったそうです」
(笑) やっぱり!
「なんでも、新国劇の稽古があるときによくいらしてね、でも時間は決まって4時とか混雑時を避けてお見えになっていたようで」
ふふふ・・・エッセイの通りだ。
「うちで一合、二合呑まれたあと、一度ホテルにお戻りになり、また近場のお店にご飯を食べに出かけたそうですよ」
「おっそれは、もしかして盛京亭さんとかですか?」
「いえ、別のところに」
(・・・ふむふむ、となると、これは「志る幸」あたりかな・・・)
勘ぐりながらの会話が楽しい。
「健啖家でいらっしゃって、ひと晩に三食いかれていたそうです」
おでんの湯気に包まれて、このような残り香を聞けるのがとても楽しい、
良い匂いのする一夜でございました。御馳走さま。
帰りは心地よいので京都駅まで歩いて移動。
さぁ、城崎に向かうぞ!
◇蛸長◇
京都府京都市東山区宮川筋1-237
営業時間 18:00~22:00
定休日 水曜日
食べた物 宝袋 銀杏 大根 葱鮪 湯葉 飛竜頭 日本酒 1合
合計 5000円
★池波正太郎の本
むかしの味 (新潮文庫)
京都・大阪のうまいもの―散歩のとき何か食べたくなって (コロナ・ブックス)