「小学校の英語授業 生徒8割、読み書き希望
中学で苦手意識増 文科省調査」
2015年7月4日
日本経済新聞 朝刊
中学1年生の8割が小学5~6年生の時に受けた外国語活動の授業で「もっと英語の読み書きをしたかった」と考えていることが3日、文部科学省の調査で分かった。外国語活動は音楽やゲームを通じて英語の音声や表現に慣れ親しむのが中心で、読み書きを指導する小学校は少ない。同省は「中学校の英語教育にうまくつなげたい」として対策に乗り出している。
調査は今年2月、全国の中学1~2年生約2万4千人、小学5~6年生約2万2千人、小中学校の教員ら約1万2千人を対象に実施した。
中学1年生に「小学校の外国語活動でもっと学習したかったこと」を複数回答で聞いたところ、「英単語を書く」が83.7%で最多だった。「英語の文を書く」「英単語を読む」「英語の文を読む」の3項目も8割前後となり、読み書きを希望する生徒が多かった。
小学5~6年生の70.9%は英語が「好き」または「どちらかといえば好き」と答えたが、中学1年で計61.6%に下がり、中学2年では計50.3%にまで落ち込んだ。中学で英語への苦手意識を持つ生徒が多いことも浮き彫りになった。
千葉大の物井尚子准教授(英語教育)は「楽しむだけの英語では小学5~6年生の知的好奇心に対応できない」と指摘。「読み書きでつまずく中学生を減らすには、小学校と中学校の連携が必要だ」と話す。
今回の調査では、小学校の教員の78.5%が「研修が十分でない」または「どちらかといえば十分でない」と回答した。指導に苦手意識を持つ教員が多いとみられ、文科省はALT(外国人指導助手)とコミュニケーションを取りながら授業を進めるなど、指導のポイントをまとめた校内研修用のDVDをつくり、今月、全国の小学校に配布を始めた。
小学校は2020年度から英語が「教科」となる。文科省の担当者は「読む・聞く・書く・話すの4技能をバランス良く教えられる教員を育てたい」と話している。
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