中国総合通信局からは430MHz帯のQROに関して変更許可をいただいていますが、IC9700よりも後に発売されたIC705の方がスプリアスが少なくなっているかもしれない・・・と思ってIC706をオーダーしました。リニアアンプは約18dBのゲインがあるので、エキサイターの出力は10Wもあれば十分なので、IC706をエキサイターにするのも有りです。
久しぶりにスペアナを使うので、少々手間取ってしまいましたが、何とか思うように測定できるようになりました。430MHz帯の帯域外領域のスプリアスに注目して、IC9700とIC705を比較します。IC9700の出力は20%に絞り、IC705は10W(100%)に設定しました。
最初の画像がIC705、後の画像がIC9700です。
結論から言うと、あまり変わらないというかスプリアスのレベルは似たようものとだと思います。無線設備規則の規定(注3)によれば430MHz帯におけるF1Dの占有周波数帯幅は30kHzなので、fc±15kHzからfc±62.5kHzの範囲が帯域外領域です。いずれの測定画像においてもM4がそれに該当し、IC705は-65.26dBc、IC9700は-66.79dBcという値が、帯域外領域における最大の値です。スプリアス規制の基準値は-60dBc以下なので、いずれの場合もクリアしています。
IC705にすれば改善されるのではないかという考えは的外れだったようです。熱的な耐性を考えると、max10Wとして設計されたIC705を10Wで運用するよりも、max50Wで設計されたIC9700を10Wで運用した方が良いと考えられるので、IC705をエキサイターにするというアイディアは没にして、既に提出済みのIC9700をエキサイターにしたシステムで変更検査を受けることにしたいと思います。
変更検査を受けるためにアンテナを整備するとともに、スプリアス領域のスプリアス強度を確認していくつもりです。しかし、ハイバンドのコンディションが良い今の時期に、EMEは二の次かなぁと思ったりする今日この頃です。昔の諺に、「二兎を追うもの一兎を獲ず」とあります。