院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

カウンセリングは魔法の技にあらず!(パリ同時多発テロ被害者に対して)

2015-11-20 21:45:16 | 心理
 今回のパリ同時多発テロに当たって、精神科医のジャンピエール・ブッシュ氏が、テロ被害者の「心のケア」に当たっているらしい。

 ブッシュ氏は「国境なき人道家」という組織の人らしく、他の精神科医とすでに被害者120人にカウンセリングを行ったという。氏は被害者のレストラン・オーナーの家に泊まり込み、一人で30人の「心のケア」を行っているという。(本日付、毎日新聞愛知県版。)

 ここで氏が言っているカウンセリングとは何のことだろうか?「泊まり込んで30人のケア」というと救急救命を思い出すが、そこで止血や手術や薬物投与をしているわけではない。

 こうして、なんとなくカウンセリングが「魔法の技」のように思われていくことに疑念を覚える。

 氏は5%の人は治らない、時間がかかる人は4年はかかると述べているけれども、意味が分からない。というのは、カウンセラーがかかわらなくても、ストレス障害の治癒はその程度で、治癒には「時間薬」が一番効くからである。

 カウンセリングは過大評価されている。カウンセラーの門を叩いてがっかりした人は多いのではないか?

(被害者に重要なのは、プロによるカウンセリングではなく、多くの人が「あなたのことは忘れないよ」とメッセージを送り続けることだ。)


※私の俳句(冬)

  屋根に雪乗せて帰港の巡視艇


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