院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

こんなところに日本人!

2014-01-10 05:12:17 | 文化
 秘境といわれるような未開の地に住む日本人をレポートする番組が流行っている。私には日本人妻を紹介した放送が面白い。

 先日は太平洋の島国に嫁いだ日本人妻が取り上げられていた。夫は現地の人で、定職はないようだった。だが、仕事はなくても食べるには困らない。近くにパパイヤやネギが生えていて、それを料理して食べるのだ。たんぱく質は夫が浜辺に出て魚を一匹釣ればそれで十分。主食はタロイモをつぶしたものである。

 この島国には畑や貨幣は必要ない。つまり、島民は働く必要がない。日本の撮影クルーはこの島の男たちがいかに働かないかを見せようとして、浜辺で落日を見ている男たちを写した。早送りで写したのだが、男たちは2時間くらいほとんど場所を変えない。

 だが、撮影クルーの意図に反して私は、男たちを怠け者だとは思わなかった。腹が満たされていれば当然の態度だと思った。衣食足りてもさらに働こうとする文明人のほうが異常で強欲だ。

 日本人妻は、リゾート地でもあるその島のホテルに勤務していた。島人ののんびりした生活を見た後の私にとって、西洋式の白亜のホテルはかえって病的に見えた。

 島人の言語はフランス語だった。かつて文明国フランスに支配されたのだろう。文明国は戦争が強い。病的な文明国が、健康な島国を支配するなんて、順序が逆だと思った。だが、こうした逆転現象はいま始まったことではなく、農耕(という文明)が発明された1万5千年前から行われてきたことを思うと、文明とはどうしようもないものだと慨嘆するしかない。

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