昔、うなぎは高級品だった。年に一度か二度しか食べられなかった。
うなぎ屋は注文してから品物が出てくるまで、長時間待つというのが常識だった。
なぜかと言うと、うなぎ屋は注文が入ってから生きたうなぎを裂いていたからである。しかも、関東風のうなぎの蒲焼きは途中で一度蒸す。だから、余計に時間がかかった。
ゆうに一時間は待たされただろう。その間にお腹はどんどん減ってくる。待ちに待って、ようやく出てきたうな丼のおいしいことといったらない。
うなぎとはそういう食品だった。
そこで今回の中国産うなぎ偽装事件である。昔だったら、ありえないことだ。だいたい、すでに調理してあって、それを冷凍にして戻したって風味は消えている。うなぎの味が分からない人が増えたから実現した今回の事件だろう。
私はグルメではない。でも、注文が入ってから裂いたうなぎと、もともと蒲焼きにしてあったうなぎとの区別はつく。
私はうなぎの蒲焼きなら、一度蒸す関東風の調理法が好きである。でも、私の住む地方では関西風の蒸さない蒲焼きばかりである。
東京へ行くと、必ず蒸す。しかし、うな丼やうな重が出てくるのが早すぎる。あらかじめ作ってあったのだろう。興ざめである。
今でも注文が入ってからうなぎを裂く店がある。神楽坂の「たつみや」がそうである。狭くて決してきれいとは言えない店であるが、私はときどきこの店に寄る。タレも甘すぎず、値段も高くなく、私の秘密の店だが、この際公開してしまう。
神楽坂を上りきったところを右に曲がった左側に、この店はひっそりとある。うな重が特上で2200円である。
うなぎ屋は注文してから品物が出てくるまで、長時間待つというのが常識だった。
なぜかと言うと、うなぎ屋は注文が入ってから生きたうなぎを裂いていたからである。しかも、関東風のうなぎの蒲焼きは途中で一度蒸す。だから、余計に時間がかかった。
ゆうに一時間は待たされただろう。その間にお腹はどんどん減ってくる。待ちに待って、ようやく出てきたうな丼のおいしいことといったらない。
うなぎとはそういう食品だった。
そこで今回の中国産うなぎ偽装事件である。昔だったら、ありえないことだ。だいたい、すでに調理してあって、それを冷凍にして戻したって風味は消えている。うなぎの味が分からない人が増えたから実現した今回の事件だろう。
私はグルメではない。でも、注文が入ってから裂いたうなぎと、もともと蒲焼きにしてあったうなぎとの区別はつく。
私はうなぎの蒲焼きなら、一度蒸す関東風の調理法が好きである。でも、私の住む地方では関西風の蒸さない蒲焼きばかりである。
東京へ行くと、必ず蒸す。しかし、うな丼やうな重が出てくるのが早すぎる。あらかじめ作ってあったのだろう。興ざめである。
今でも注文が入ってからうなぎを裂く店がある。神楽坂の「たつみや」がそうである。狭くて決してきれいとは言えない店であるが、私はときどきこの店に寄る。タレも甘すぎず、値段も高くなく、私の秘密の店だが、この際公開してしまう。
神楽坂を上りきったところを右に曲がった左側に、この店はひっそりとある。うな重が特上で2200円である。