院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

商売人らしからぬ商売人

2017-09-06 04:46:05 | 生活
 夫婦ふたりで営業している天ぷら屋がある。親父さんはなかなかの腕前で、おいしい。だが料理を運ぶ奥さんがいけない。にこりともしないのだ。怒っているふうでもないのだが、とにかく笑顔をみたことがない。この天ぷら屋は随分、損をしていると思う。5回行きたくても3回で「やめとこう」となってしまう。

 近くにタバコ専門店がある。その辺のタバコ屋とは全然違って喫煙関係の品が葉巻からパイプから喫煙道具までタバコ一色である。嫌煙運動が広がっている昨今、頑固な愛煙家は最終的にここに頼らざるをえないだろう。

 そこの50絡みの親父も、にこりともしない。迷惑そうに客を迎える。かつて愛煙家だった私は、いつもタバコのカートン買いをしていたのだが、それでも愛想はなかった。だから一見さんなんて洟もひっかけないという感じ。


(電車。「足成」よりサヨ氏撮影)。

 幼いころノドから手が出るほど欲しかったが得られなかったオモチャにNゲージの鉄道模型がある。駅からちょっと離れたところにNゲージ専門店があり、大きなジオラマが置いてある。

 孫が小学校半ばになったので、いつまでもプラレールではなかろうと買ってやることにした。「基本セットというようなのがありますか?」と私。親父は親切に教えてくれた。そこへ鉄道に詳しそうな青年が来た。(クハ67がどうたらこうたらと)こちらには分からないような用語で話し始めた。それに対する親父の反応の冷たいことといったらなかった。

 知ったかぶりが許せないのだろう。親父は全国の実際の鉄道に詳しい。青年が何か言っても目も合わせずその上をのことを言って、聞いているこちらがドギマギしてしまった。せっかくお得意さんになるかもしれないのに・・。

 みんな商売人じゃないなぁ。医者の私だってもっと笑顔だぞ。患者さんがネットでちょっと調べただけの知識をひけらかすのにはムカッともするが、顔にはださない。弱い立場の人をやりこめるわけにはいかない。

 天ぷら屋もタバコ屋もNゲージ屋も真正の商売人ではないようだ。接客が医者に負けるようではマズいのではないか?へつらわなくてもよいが、商売人でなくても感じの良い人はいくらでもいるのだから、見習ったらどうか?

 ※私の俳句(秋)
    いちじくの殊に熟れたる厠裏