院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

限界集落

2012-12-17 05:39:11 | 社会
 マスコミは限界集落に取り残された老人たちを気の毒がる。本当に彼らは気の毒なのだろうか?

 不便で若者が去ってしまった。残ったのは老人たちだけで、彼らが死に絶えればもうその集落は消滅する。限界集落は再生の見込みがない。時代に取り残された人たちは可哀そうだという。

 残された老人たちはほんとうに弱者なのだろうか?彼ら自身はそう思っているのだろうか?都会のマンション暮らしのほうが、そんなに暮らしやすいのか?

 若者が去ったのは、そのような集落で生きていくスキルがないからである。残された老人たちは、不便でも生きていく力がある。電気ガスが途絶えても釜戸で飯が炊ける。薪で暖をとる方法を知っている。

 肉が食べたければ、放し飼いの鶏をツブして、内臓まで食べる方法を知っている。小さな庭を耕して作物を作れる。野草の中から食べられる山菜が区別できる。鎌倉時代の平家の落ち武者たちは、そのようにして生きてきたのだ。

 集落を去った人たちは、そのようにたくましく生きていくだけの能力がないから去ったのである。限界集落に残った老人たちの生活力を甘く見てはいけない。