(移転しました)Saoの猫日和/old

saoの猫日和のURLが変わりました。
⇒ https://blog.goo.ne.jp/saoneko0224

婦系図

2016年09月20日 | ライブ・公演・舞台

一度は見ておきたかった新派の代表的舞台「婦系図」 (ネットで安い席ゲット)

 

「婦系図」の原作者の泉鏡花といえば、現代でも舞台や映像化作品が多数ある明治時代の作家で、ジュリー自身は「滝の白糸」に「貧民倶楽部」に出ている。

あと有名なものでは「陽炎座」「天守物語」など。おどろおどろしい、妖気漂う作品のイメージがあるわね。

「婦系図」には、有名なお蔦の「別れろ切れろは 芸者の時にいう台詞・・・」や、主税の「月は晴れても心は闇だ・・・」くらいしか知識は無いけど、今回は歌舞伎界から劇団新派に転じた市川月乃助さんが、喜多村緑朗さんとして襲名披露の目出度い公演です。 

以前、南座での新派の高い値段の特別席(弁当付きの1万3千円)のチケットを友人が行けなくなったから代わりに行った。内容は有名な女性演出家の演出の新作だったが、凡庸そのもののシナリオで、タッカイ料金払って寝ぼけたホームドラマは見たくないのよ。(タダだけど)

せっかく、水谷八重子、渡辺美佐子の演技派の大女優が出ていたのにシナリオが腑抜け。やっぱり、新派と言えば代表作の「婦系図」が見たいと前から思っていた。

夜の部は口上から始る

真ん中には頭を舞台に擦り付けたままの 襲名披露の喜多村緑朗さん。ずらりと居並んだ新派の幹部や若手たちは、男性は裃に袴、女性は日本髪と、見た目も華やかで襲名披露という高揚感があって華やかに美しかった。 

歌舞伎界から参加のイケメンの尾上松也さんが、いのいちばんにお祝いを述べる。ほんとに若くて男前ですが、口上がちょっと早口とちゃう?と思ったけど。でも他の皆さんもけっこう早口だったから、こんなものなのか。  

新派と歌舞伎の違いは、女形がいて女優もいるというところか。新派が誕生した明治時代頃?には、「女優」が新しい存在だったのだろう。ずらりと幹部連や新人とが居並んで、約15分の口上だった。

今の新派は若手の人気者を入れないと、劇団の先行きが・・・ と、新派について詳しいことを知らない私でも 先行きを案じる。それで、喜多村さんを入れたんだろうけど、その喜多村さんとて50歳前後でそれほど若くはないが、二枚目なのは間違いないです。



席が10列のど真ん中の良席、ネットのお得席なのに、まさかこんな ど真ん中の席がくるなんてね~ (ど真ん中だからこそ、席を埋めたいのだ)

始まってすぐ、10分間ほど眠りについてしまい・・・  ハッとすぐに我に返った、(*_*) そこからは真面目に舞台に集中しました。

 

主人公のドイツ文学者の早瀬主税は、実は元掏摸(スリ)。 掏摸!とんでもない過去の経歴に、有りえるか?その過去?と思うも、いやいや 現在の地位になる為に よー勉強しはったんやろ。良い人に拾われたんやね・・・ 

しかし、成り行きとはいえ、いまだに掏摸の片棒をかついじゃいけないだろ! (>_<)

元芸者のお蔦と別れろ!とクドクド言い立てる恩人の先生の、嫌味な差別的な台詞をまくしたてるのには、真底憎たらしいと思った。いま、この「差別的な台詞」というのに敏感になっちゃって・・・舞台とはいえ、嫌な気分になるのよ。 が、掏摸だった主税が今のを地位を得られたのは先生のお蔭。この大恩を裏切るわけにはいかない、元芸者のお蔦さんには気の毒だけど。

実は原作にはなかったと知ってビックリしたのが、かの有名な湯島の白梅の場面で、新派の舞台のオリジナルだったのだ。去年 始めて湯島天神に行って 新派の石碑が建っているのを見て、けっこう感激した。 この湯島天神の場面に限らず、全体的に舞台装置は平板な印象で奥行きがなくて、梅の木はもうちょっと写実的にどうにかならないの?と、気になった。

お蔦を演じる波野久里子はおそらく70歳前くらいか?

この人を見ていると、どうしても亡くなった勘三郎さんを思い出してしまう、特に横顔が似ている。沈み込んだ暗い表情のままの主税に対して、湯島天神の場で小娘のようにはしゃぐお蔦は、語る口調も可愛らしく愛らしく、いったいお蔦は幾つの役なのか? TVでは年齢よりもずっと若い役を演じるには 映像的に無理があるが、舞台では女優の実年齢を越えて 若い役に違和感がなく、波野久里子のお蔦は可愛らしい。

もし、これを役の実年齢と近い若い女が演じたら? 若い女なら「別れろ切れろは芸者の時にいう台詞、いっそ死ねと言って・・」という、この達観した覚悟の台詞が似合わないかもしれない。酸いも甘いも噛分けている、大人の波野のお蔦だからこそ似合う、究極の愛の言葉。 若い女なら「死ねと言って」の台詞よりも、心乱れて泣きわめく 聞き分けの無い女のほうが似あいそうだ。

男に別れを切り出され 驚き哀しむその姿は、すでに新派の舞台で確立されている形、様式なのだろうけど、お蔦の美しい所作が女の哀しみや絶望を観客に伝えている。2人の別れの場面は一幅の画のようだった。見ているこちらの心までもが、どうしようもない二人の運命とともに、絶望的な悲しみに一緒に堕ちてゆく・・・ 

俳優の動き台詞、どれもが誠に美しく哀しく、奥行きが無いと不満に思えた舞台装置までもが、江戸情緒漂う夜の深さ、心の哀しみを闇に漂わせる。これぞ名作と言われる所以かと思った。

そして絶望に打ちひしがれ、病に伏したお蔦は薬も飲もうとしない・・・そこへ見舞いに訪れる、水谷八重子。ここから急に物語が、母と別れた娘の物語に急展開、、、、

これ母娘もんだったの???


そこから舞台は江戸情緒たっぷりの湯島から一転、静岡の山の中の杣屋の主税に。インテリのはずの主税さんが一転、今は腹黒な男に変わっている!ここの場面で「婦系図」という題名の意味がやっとわかった。そこに悪役登場、そ、そういうワケだったのかぁ・・

そして、舞台はビックリの展開に!!

ドイツ文学者という とてもエリートでインテリ知識人の主税が、着物の裾をまくって足を組み べらんめえ口調で悪役に対してまくしたてるのだ。 あんたは弁天小僧か?!あまりの変わり身にさらにビックリ!さすがに元掏摸やな(💦) 

うーっむ 生まれが出たのか、強い恨みのなせる業なのか。とにかく、急展開の芝居に口がアングリ~(゜∀。)

山奥での場面の後、主税の元にお蔦が危篤との知らせが入る。別れさせて申し訳なかったと謝る、恩人の先生・・・ よくもまあ、180度考えが変わったもんだねと、呆れる。


お蔦の元に駆け付けた主税だが、臨終に間にあわず・・・・

お蔦~!! 哀しい主税の絶叫・・・ あぁ 可哀そうな お蔦・・


と、思う間もなくスルスルスルー ストッ。 あっさり幕が下りた。

幕が下りたと同時に、さっさと立ち上がる観客。え、もう終わり? ゾロゾロ帰り始める観客。ええっ ほんとに終わり?

アンコール アンコール・・は?無いの? アンコール無し?

と、キョロキョロ辺りを見回すも すでに皆が帰り始めているので私も仕方がなく立ち上がった。あらー なんだか、舞台の余韻というもんが全然ないのね~

アンコールの無い芝居って、歌舞伎に新派に・・あとは何があるのかしらん?とにかく、新派にアンコールはないという事を知った。ちなみに、先日の「ガラスの仮面」は、そこまで何度も呼んでないで・・・・というくらいアンコールが続いて、4回くらい出演者が出てきました。

「ガラスの仮面」は幕間の座席での弁当はNGで、新派は幕間に弁当食べて良し。

演劇も色々あるのね~と知った、新派公演だった。

 



間違いなく言えることは、新派のお芝居の内容がもはや時代にそぐわないし、こちらの意識も変わった。古典とはそういうものなのか、と思いつつ「桂春団治」は大正が舞台でも、人間がよく描かれているので 古めかしくは無い。実在の人物がモデルだからだろうか。

新派は看板女優の演技は素晴らしいが、脇役を含めて高齢化が進んでいる。二枚目ではあるが喜多村さん1人では、残念ながらこれからの新派を支えるには力不足としかいいようがない。役者に若いイケメンや美女の数が足らない。イキのいい脇役に、新派らしく しかも時代に即した演目を作れなければ、先行きは暗い。そう思うのは まだ二回しか新派を見ていない私にでもわかるのだった。  

コメント

野村のよっちゃん、沢田さんに幸せをもらった。

2016年09月20日 | TV・ラジオ・CM・映画

よっちゃんとジュリーの、奇跡的な素敵な偶然のお話✨✨

「9月5日は、憎みきれないろくでなしの日」

 


そして、よっちゃん繋がりでまたまた、PYGです。

糸魚川のコンサートでジュリーがMCで⇒ 私は売れない時期も経験しています・・・(PYGの時のことでした。)九州と姫路(と限定)のことは忘れない、観客よりメンバーのほうが多いんやから。

 Rinさんから⇒そのコンサートに行ってましたし。厚生会館でした。メンバーの方が観客より多い・・ほんとにガッラガラでした(・_・; タイガースのコンサートは親の反対で行けず「初ジュリー」でしたので、ジュリーに逢えるだけで大満足でした

と、コメントをいただきました。去年の11月に、この時のPYGのコンサートのお話をRinさんから伺っていました。Rinさん、忘れていてすいませんm(__)m2015年11月13日「ピッグのコンサート」

※曲の間奏で数人が 「研二~」と叫んだところジュリーが「ウルサイ!!」

こういうお話を伺うと、今も昔も、ジュリーはちっとも変ってはいません。でも昔と違うのは、こういうのがすぐネットで話題になって、ヤフーニュースなんかで取り上げられてしまうのよね・・。

当然ですが、間奏ではどうか叫ばないで下さいね。

 



今朝はたいした雨でもなかったのに、だんだん雨脚が強まり お昼前には大雨と暴雨風☂

せっかくのお休みだったのに・・・。目の前のスーパーに買い物に行ったら、帰りは暴風で一歩も前に進めず・・・(*_*) しばらく、カサもさせずに 道路の前で立ち尽くしていました。いや~ 凄い雨風でした。 今夜の金沢のお天気はいかがなんでしょうか、コンサートが無事に行われますように。

コメント (11)