人材マネジメントの枠組みに関するメモ
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先達の見るインドとは?24年前にインドに進出し、今では乗用車市場の過半数を占めるスズキの鈴木会長へのインタビュー。

「インドではカースト制度の名残も色濃い。人事や労務、採用などは一筋縄ではいかないでしょう。」との問いに対して、鈴木会長は、次のように答えている。

「そんな質問をする人は本の読み過ぎなんだよ。・・・合弁する時、「私は日本式の経営しか知らないけどそれでいいですか」と聞いて「ミスター鈴木に全部任せます」と言われたのだから、マルチの経営には関係ありません。会社の社風とか伝統というものは、地球上どこにいてもスズキのもの。多少やり方は違っているかもしれないけれど、どんな会社でも基本はやっぱり一緒じゃないかな。・・・俺はスズキの経営しか知らないんだから、それをやるしかない。」

すなわち、日本企業であるスズキの経営を貫いているという。これをどのように見るか。一見、意外にも感じられる。インド人の皆さんの独特の英語の早口のロジックや、上流階層の人であるとやはり周りを召使のように使ってしまうセンス、などが、やはり脳裏に浮かんでしまい、日本流の村社会であることが多い日本企業の中に組み込まれるにあたっては、やはり摩擦があるのではないかと思ってしまう。

  • 見方1: インド社会は本で言われているようなものではない。本で言われているような階級社会や、インド独特のセンス等は過去のものである。
  • 見方2: 日本的経営は特別なものではない。十分に普遍性を持つものであって、自信を持って日本のやり方を貫いていくことが重要である。

ただ、鈴木会長のインタビューにも、上記のような考え方を貫くだけではない、文化の融合のヒントのようなものも垣間見える。たとえば、「3000人ものインド人社員を日本の工場で研修させたり・・・」「インドはアジアにおける欧州のようなもの・・・」など。

すなわち、自社の経営、文化に自信を持ちながら、次のような(歩み寄りの)施策を組み合わせていくことになるのだろう。

  • 「異文化適応性」を重視した採用、その上で、異文化体験の重視
  • 仕事の進め方においては、(ISOのプロセスの文書化に代表されるような)欧米式も必要に応じて加味

何よりも、自社、そしてその背景のカルチャーを好きになってもらうことが一番大切なのではあるまいか。(自社は好きになってもらえる会社かどうか、それは何によるのか・・・)



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