人材マネジメントの枠組みに関するメモ
半蔵門オフィス 過去ブログアーカイブ
 



最近マインドマップが話題になったりしているけれども、アイデア出しを効果的に進めることの価値は、昔も今も常に、計り知れないと思う。

我々は常に何かしら問題を抱えており、そこには何かしら、そこから先に思考が進まないボトルネックがあり、そこがもやもやとしたまま、その周辺で思考がぐるぐる回っている、というのが日常の状態である。個人であれ、組織であれ、そこを打ち破るのが、常に一番価値があることである。

そのためのアイデア出しの活動が「ブレーンストーミング」という言葉で安易にくくられてしまうとしたら残念なことである。そこには常に気合いと刷新の意思がなければならない。そうでないと、単なるダラダラした会議になってしまう。真の問題に注意の焦点を当て、解決へのボトルネックを摘出し、アイデアを強制的に出し、行動可能な形にまとめてしまう、強い意志、気力、注意力が必要になる。・・・とはいってもどうしても散漫になりがちな意志、気力、注意をコントロールするために、手法やツールの意味がある。そこで模造紙とポストイットでKJ法・・・というのは多少役立つが、それだけでは全然だめである。緊張感が出てこない。

そんな中、最近愛用しているブレーンストーミングの手法に、「ブレインライティング」という手法がある。この手法自体は新しいものでは全くないらしくて、昭和59年発行の日経文庫の『問題解決手法の知識』の旧版にも載っていたくらいだが、高橋誠氏が最近この手法についてまとめた本に出てくる収束法の工夫が非常にいい。こちら(UT TMI修学記)で紹介されているやり方に近いものだが、発散に30分、収束に45分、計1時間15分あればこれまでよりは進化した結論に至ることができる。時間に制限を設けた中で、「人の発想を聞いて自分の発想の幅を膨らませる」ということと、「自分なりに集中して思考を深める」ということの、両方のバランスをとることによって、効率/効果を非常に高めることができるのだな、ということが実感できる。

また、ブレインライティング手法とマインドマップ手法を組み合わせてやってみた、ということが、同じくこちらに紹介されていたが、たしかにこれはワークするだろう。

効果的にブレークスルーを得るために、予め固めておくべきこともある。テーマ、すなわちブレースルーを得たい課題とは何か、ブレークスルーを阻んでいるものはどのあたりにあるか、発想の方向性/軸としてはどのようなものが考えられるか・・・この辺の「仕込み」を予め行っておくことが、アウトプットを左右するだろう。対立概念を摘出して様々なマトリックスを描いてみることは、併用されるべき基本動作になるだろう。

たとえば、「教育研修の効果として『行動の変化』をいかに把握するか」というテーマでブレストするとしたら、議論のブレを生じさせる対立概念について、

個々のケースを追う




 ──────→ 統計値で把握する

本人に報告させる




 ──────→ 人事が手足を動かす

・・・といったマトリクスを何枚か描く中で、「フォーマットの用意が鍵になりそうだ」といったことまでは予め見当がつくだろう。

あるいは、「社会的不公平と経済的非効率をもたらす『IT業界の多重下請け構造』をいかに克服するか」というテーマでブレストするとしたら、やはり、

ユーザから直接請負う市場を充実させる




 ──────→ 中抜きを規制する

カスタム開発前提




 ──────→ パッケージ製品開発前提

・・・といったマトリクスを何枚か描く中で、「技術力の評価と見える化」や「ユーザー教育」や「モジュールやテンプレートの流通」が鍵になりそうだといったことまでは予め見当がつくだろう。もちろん、収束段階でこれらの軸がカテゴライズされ直すことになる。



コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )


« 【コンピテン... レンズーリの... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。