人材マネジメントの枠組みに関するメモ
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婦人服チェーン、しまむらの特集です。田舎の道路沿いにある「ファッションセンターしまむら」といういかにもじみそうなチェーンでありながら、超高収益企業で成長性も高い、という有名な企業ですね。1) ほとんど全員パート社員で運営とか、2) 更新され続けていく業務マニュアル体系とか、3) 回転しない在庫は店間で移動させていく巡回トラック、とか、そういうことで有名です。私の家の近くにもあるので、中をよく見てみたいと思って入ったこともありますが、やっぱり婦人服店の中に入ってあちこち見て回る、というのはちょっと恥ずかしくてすぐ出てきてしまいました。近くに寄るとすごく中が明るく感じられることが印象的でした。

さて、そのしまむらの最新の状況の記事なのですが、経営に抜本的バージョンアップがなされている、ということはない様子ですが、しかし、その中で少し方針を変えて、最新の流行のものも、ファッション誌に載り始めるのと同じタイミングで全国の店頭に並べることができるようになっているそうです。最新流行のものは、量を一気に全国の店頭に揃えることが難しいので、パリやロンドンに取材し、早くから調達のアクションをかけるそうです。最近のトレンドものだと「マリンテイスト」のものがそれだとか。(会社のMさんの来ていた海辺風の服は最新のトレンドだったんですね・・・実はしまむらで買ったんだったりして!)流行のファッションも、ファッション誌と同じタイミングで全国のしまむらに並んで、そして、最新トレンドものについて一番量を売るのはしまむら、なんてことになると、何か、価値観が逆転、いえ、新しい時代に入ってくる気がしますね・・・

さて、経営のスタイルについて、ちょっと気をつけてみたい視点が2つありました。それはいわゆる次の2つの視点です。(その2つの視点から、企業が何をどのような優先順位で実現しようとしているか、ということを明らかにすれば、その企業のことがかなり理解できるのかもしれません。)しまむらの場合はどうか。

  1. 顧客に対する価値として、何に優先順位をおくか(吉野屋であれば、1) うまい、2) 安い、3) 早い。・・・吉野屋の創業時はこれが、1) 早い、2) 安い、3) うまい、の順番だった。)
  2. ステークホルダーとして、どのステークホルダーから大切にしていくか(ステークホルダーとして一般的には、1) 株主、2) 顧客、3) 従業員、4) 取引先があり、この中で株主が最近は強調されるが、しかしその中でやはり顧客を最前面に出す、というのが一般的。)

1.については、しまむらでは今でも「安い」が一番最初に来るようですが、「新しい(最新)」ということが2番目に強調される点として出てきたということでしょうか。特に明示されていませんが、1) 安い、2) 新しい(最新)、3) 着心地よい、4) 強い(丈夫)・・・といった項目と優先順位、といったところでしょうか。(ユニクロの場合、躍進期、成熟期、再成長をめざす現在、と移り変わる中で、この優先順位がどのように変わっていったか、ということを考えてみてもよいですね。また、店側の想いと顧客のパーセプションの間のギャップも。)

2.については、これは、「まずは従業員にとって良い会社、働きやすい会社にする。次に取引先にとって良い会社、さらにお客にとって良い会社にする。これで成長していけば、当然、株主にとっても良い会社になる」・・・というのが藤原会長の経営理念なのだそうです。ですから、従業員の全員による改善活動も「仕事を楽に」が合言葉で、そして全員から改善提案が出てきて、それが経営に上がってマニュアルに反映されていくそうです。



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