KDDIの戦略を論じている記事。番号ポータビリティ制度導入後、「シェアがオセロゲームのように変動しうる」と言われる中、KDDIはいかなる意味で携帯二番手としてシェアを維持・拡大することができるのだろうか。・・・もっともそのテーマは、KDDIであってもドコモであってもソフトバンクであっても同じであるが。
「1カ月でもいいから新サービスの投入で先行する」「先手必勝」がその一つの答えとしてあげられている。・・・しかしそれも他社と同じ条件だ。
「二番手の方がコンテンツ等のパートナーと組みやすい」ということもあげられている。・・・本当だろうか?
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少し視野を広げてみる。気がつくと情報通信の世界は、固定通信インフラ、移動通信インフラ、システム、サービス、コンテンツ、マーケティングが融合し、競争の焦点がより後者に、すなわちサービス、コンテンツ、マーケティングに軸足を移していっていることは明らかに思える。
KDDIが東電由来の光ファイバーを持つようになり、固定通信と移動通信とauのコンテンツが重なって見えるようになった。
ソフトバンクの固定通信と旧ボーダフォンの端末とYahooの情報コンテンツも重なって見えるようになった。
USENもカラオケ有線が光ファイバーの会社になったと思ったら、いつのまにか映画コンテンツ配信(Gyao)の会社になってしまった。(そのうち、USENブランドの大画面携帯端末が出てくるのではないか。)
よく考えれば、通信環境は、CPUパワーがそうなったように、水のような、あるいは道路のようなものになっていくので、そしてその上で、コンテンツは絶え間なく開発され、調達され、流通していくので、情報通信の世界だけで根源的な差別化はしようがなくなるだろう。といってユニークなコンテンツをいくつか押さえたところで仕方がない。
顧客を自社につなぎとめるためには、「そこから入ると様々なコンテンツを利用しやすい」という、ポータルとしてのブランド価値を高めていくしかないのではないか。
そして、気がつくと、ポータルの陣取り合戦は既に始まっており、決着がついてしまったところもある。検索から入る人にはGoogle、ニュースから入る人にはYahoo、インターネットショッピングから入る人には楽天かAmazon、そして映画コンテンツを見るために入る人ならUSENのGyao(・・・になりつつあるのだろうか?)。
ドコモはimodeで囲い込み、ソフトバンクはYahooのサービスで顧客を囲い込むことになる?その時にKDDIはポータルとして何を持っていることになるだろうか?(auのコンテンツがimodeと比べてどうなのかということは良く知らない。)
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うーん、KDDIさん、大丈夫でしょうか?携帯端末の機能とデザインだけで囲い込むというのは難しいでしょう。どうやら、必要なのはポータルですよ!ポータル!
しかし、検索も、ニュースも、ショッピングも、映像も、押さえられてしまったあと・・・残っているもの、しかも大きなものは、それは、もう、「音楽」しかないでしょう。音楽ポータルですよ!
その意味で、auが着歌にこだわるブランドであり、そしてソニーとウォークマン携帯をこだわって開発したというのは正しい。そこからさらに進んで、ソニーとコンテンツ配信面でも提携していくしかないでしょう!最強の音楽ポータルがKDDIの端末になるように!
音楽コンテンツの専門家を直ちにかき集めてくださいますよう!(人事制度や組織運営がそのようなことができるようになっているかどうか、気になります。)
・・・と株主でもないのに失礼しました。(今から株を買おうかな・・・)