人材マネジメントの枠組みに関するメモ
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有線放送やカラオケなど安定した既存事業を持つUSENが、無料インターネットテレビを中核にネット事業を急拡大させ、売上高5000億円規模のIT企業グループを目指しているという紹介。ここで関心を持たずにいられないのは、次の点である。

  • 新しい世代の、IT/ネット企業の組織・人事運営は、旧来の製造/流通/金融業界企業の組織・人事と比べて、大きく違ったものになるか。

どうであろうか?どのように考えるべきだろうか?

結論から言うと、少なくてもUSENの場合は、決して変わったところはないものと推測する。何か奇を衒ったようなものであることはないと思う。その代わりに、人材構成やその雇用形態が、複合化、重層化しているものと推測する。

USENのように新しいビジネスモデルを生み出しているIT/ネット企業は、(従来企業が既存のプロセスを改善していくことに対比して、)顧客に価値を届けるプロセス構築にあたり、前提となるレイヤー(層)に遡って要素を組み合わせ直すことで、新しい付加価値を生んでいる。組み合わせた「異質な」レイヤーの数だけ、組織運営・人事運営も重層的になる筈である。USENであれば、次の3つのレイヤー(層)を組み合わせて、新しい価値を作り出していると見ることができ、

  • レイヤ1: インフラ層(通信事業)
  • レイヤ2: コンテンツ層(コンテンツ事業)
  • レイヤ3: 顧客管理層(CRM事業)

それぞれの層に対応して、活動の内容、そのライフサイクル、メトリクス(評価指標)、従って、求めるべき人材像、とるべき雇用形態も異なってくるものと推測する。

  • レイヤ1: 通信・サービス配信のインフラ構築及びメンテナンス。そのことから・・・
  • レイヤ2: コンテンツ分野の選定、コンテンツの調達・作成、課金単位設定、コスト・料金シミュレーション・・・。そのことから、複数分野のプロをいかに集めるか・・・戦略コンサルティングファーム出身者、業界プロフェッショナル・・・
  • レイヤ3: 出来上がったインフラ、ビジネスモデルの上で、顧客セグメントの特性や個々の顧客ニーズに合わせて、新しいコンテンツを盛り込み、サービスの利便性を高め、継続的に価値を高めていく。そのことから、終わりのない顧客ニーズの発掘とサービス改善を続けていくために・・・


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