人材マネジメントの枠組みに関するメモ
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レクサスにおいては、自動車生産過程において徹底的にデータ収集を行い、それを品質管理や不具合対応に活かすのみならず、設計や開発、さらにアフターサービスや二次市場(中古市場)のレベルアップに活かすという。

徹底的にデータを収集するというのは、従来であれば検査工程において検査ポイントにおいて点としてとらえていたデータを、点をネット状にして面としてとらえたり、点においても時系列でデータを収集することで変化を追うという。
塗料の温度、圧力、角度、ノズル速度、作業場の湿度や温度、電動レンチによるボルトの締め具合から、溶接後の車体のズレ、隙間の大きさまで・・・・データ項目は最大、1台の車あたり10万件に及ぶという。その中からどのようなデータが必要か、取捨選択しているところであるという。


センサー技術、無線技術、ストレージ技術の発達により、このように大量のデータを取得・活用できるようになってきた。コマツが建機一台一台の稼動状況データを取得し、メンテ等に活用するコムトラックスはその先鞭をつけている。

所謂ユビキタスコンピューティングはその方向性を技術的に開拓しようとしている。RFIDによって「あらゆるモノ」の移動を逐一追跡できるようになる。交通情報システムによって道路の状況が面でわかる。あるいは人にセンサーをつければ、一人一人の動きのデータが得られる。


交通情報のような大数の法則が働くかもしれないデータは、自然現象のようにスーパーコンピュータで扱い、天候のようにシミュレーションできるようになるかもしれない。しかし、これら大量に発生するデータのほとんどは、まずはほとんど、全く使われず、何の意味もなく垂れ流されることになるであろう。

どのような活かし方ができるのか、データを活かすスキルやコンピテンシーとはどのようなものか、データを活用する体制はどのような体制であるべきか、ということが見えてこないと、組織の中に大量のデータが根づくことはない。

これは、ビジネスや組織にとって、全く新しい課題なのではないだろうか?

おそらくは、統計的な処理もさることながら、生のデータに意味がある。ネットワーク管理者になるために、最初は、通信量や状況を示すインディケータを3日間くらい見ていることで、何かしら見えてくるものがあるものだということを聞いたことがある。異常値を感じ取る感性のようなものが必要になる。レクサスの場合も、エンジンの状況をチェックするために、最終的には聴診器を当てて音で感じ取っている。たぶん、人によって適性は大きく異なる。



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