私もついに、どのようなものかと、SNSに入ってみた。想像していたものとそれほど違わなかったが、旧知の知人を沢山発見してしまって旧交が甦りそうなことがうれしい驚きであり、一方、はまってしまいそうな巧妙な仕掛けを沢山見出したことが要注意の驚きであった。はまらないように気をつけよう。
Web2.0と言われる新しいWeb環境を生み出している様々なツールに関してであるが、まず、ブログというものはその「フォーマット」に革新がある。中に入れるコンテンツが日記であってもメーカーの発信する製品情報であってもそれはどうでもよいことであって、「XMLの応用のお手本!」「そのフォーマットを考えた人はすごい!」・・・という技術の進歩の香り、イノベーションの香りがある。
さて、一方SNSは・・・これは徹底的に、「お友達を作る」という目的に特化したものですね。技術には焦点を当てていないのでハイテクの香りがしない。だから、SNSのサービス会社はITの会社とは言えないのではないか。コミュニティ作りの支援の会社である。出会い系の運営会社と同じである。どのような人達が働いているのかわからないが、面白いのかしらん?しかし、ITの会社とは思わずに、徹底的にユーザー主導の新しい社会構造を作っていく社会システム実験会社だと思えば、こんなに野心を掻き立てられる会社はないのかもしれない。
・・・とSNSのことを書いてみたのは、Googleももしかしたら、ある意味ITの会社ではないのではないかと思ったからなのである。
本特集はGoogleの特集なのだが、繰り返し紹介されているのが、「世界の情報を体系づける」というGoogleのミッションである。そのミッションには違和感がある。Googleは超優秀人材の集団であるということだが、「全世界の情報を整理して誰もが簡単に触れられるようにする」ということが、知的エリートを動かすミッションたりうるのだろうか?
Googleが扱う、文字や映像になった目に見える情報などは、情報という大海の中の氷山のそのまた一角にすぎない。目に見えない情報を情報化していくことにこそアートやサイエンスの意味があることは当然であって、知的エリートとは、そのような未だ知られざる大海に挑んでいくものではないのだろうか?「世界の全ての本をスキャンして登録する」なんてプロジェクトは、知的エリートにとっては口にするだけでも赤面してしまうプロジェクトではないかと思うんだが・・・。もっとも、Googleはそのミッションを達成するために最新のIT技術を駆使しまくっているということで、その意味では技術的挑戦があるのだろう。
結局、Google に超優秀人材が集まって働いているというのは、
- 最新IT技術を駆使できる環境に魅力を感じて集まっているか
- 金脈(打出の小槌となった広告ビジネスモデル)に集まっているか
そうでなかったら、
・・・のいずれかではないか。そして、この3番目の動機が一番強いのではないか。そう考えなければ、Googleに超優秀人材が集まってくる、ということを理解できない。
Googleは日本でも技術者を大量採用しようとしているようだが、参画する人は何のために参画するか、ということを最初に考えた方が良さそうだ。そうでなければ軽薄な人になる。