レクサスの新しいフラグシップLS460に積んでいるソフトは航空機並みの700万行になったという。その記事を、本号の「中国発自動車大革命」と照らし合わせながら読むと興味深い。現在日本国内で行っている自動車組み立ては、ゆくゆくは一部分の試作を残して中国に行ってしまうことを妨げる要因があるようには思えない。だから、ゆくゆくはそうなるのだろう。
その時に、日本は、巨大な自動車組み込みソフトの開発拠点になるのだろうか。トヨタは、そして日本は、組み込みソフトウェア=巨大ソフトウェア付自動車積載LSI開発のメッカになるのだろうか。その時に米国や中国やインドに勝っているとしたら、その姿はどのようなものなのだろうか。
- 「自動車OS」のごとき基幹ソフトウェアをライセンスしているのだろうか?
- 最新のエンジン制御やレーダーセンサーにつながる機器の制御のためのLSIをリファレンス設計付で外販しているのだろうか?
- それとも、自動車のようなハードと組み合わさったソフトウェア開発はやはり「摺り合わせ型」が強いとか言って、モジュール化/パッケージ化をそれほど志向しない「日本型」開発を極めているのだろうか?
3であるとは思えないので、1か2なのだろう。それができるのだろうか?
実は私は元はといえばコンピュータメーカー出身で、当時はIT分野においても日本は勝てると信じられていた時代で、私にはOSやミドルウェアへの貢献はどのみちできなかったろうが、頑張れば少しは貢献できたかもしれない業務アプリケーションソフトウェアに関しても、今や目の前にSAP/Oracleの光景ばかり見ているような私にとっては、残念だが想像できない。(そのことに、ほんの少しばかり、忸怩たる思いがある。)
つまりソフトウェア業界の勝ちパターンが、脳裏のイメージとして、ないのだ。それが想像できるようになる方法をどなたか教えて欲しい。皆で想像できるようになったら、きっと勝てるから!今から私に直接の貢献はできないだろうが、その勝ちパターンを生む思考パターンを習得して算数好きの甥っ子に教え込むくらいのことはできそうだから。