都市と楽しみ

都市計画と経済学を京都で考えています。論文や講演も。楽しみは食べ歩き、テニス、庭園、絵画作成・鑑賞、オーディオと自転車

第4回京町家再生セミナー 大工さんに聞く、京町家のキホン:堪能した

2014-06-29 05:54:06 | 京都
 よしやまちの町屋で京都府建築工業協同組合( http://www.kyotokenkumi.or.jp/katudou.html#5 )の狩野、米田、堀さんの丁寧で実地見学、質疑応答ができた。深い知識で、質問のやり取りも楽しい。素晴らしい企画だ。
 知見として:
①町家は歴史で区分
・表が1階(江戸)、厨子2階(虫籠 明治)、総2階(大正以降)
・基礎が束石、(コンクリート輸入)コンクリートで土と面(根太が腐る)、無筋の高い布基礎、(建築基準法)RCの布基礎、(神戸震災以降)べた基礎
②木材
・檜、杉、松、栗が主体
・檜は水に強くシロアリに強い。大黒柱に
・杉は柱
・松は梁、粘りがある。柱に使うと白アリの巣になる
・栗は硬く水に強い、六角の山名栗(駒寄)など屋外に
③寸法
・鴨井は5尺7寸
・畳は6尺3寸
・畳も建具も引越荷物にして、転用できる、柱・梁の太さは柱間(スパン)に計算

④隣地との妻壁
・内側から建込、土壁も内側のみ
・けらばはお互いの雨対策、越境で切り落とすと浸水
・木の縦張りは、下地が簡単、横からの水は少ない(台風があまりない)、上から差し替えできる

⑤連担する町家のメリット
・歯抜けになると横や裏から水が流れ込む
・雨仕舞(けらば)など上手く機能しない

⑥通り庭
・肥え出し、蔵からの荷物の搬出入の機能
・下水(合流式)は60年代から完備、桝まで60㎝の土管で漏れやすい
・東京炊事という、通り庭に床を貼り、キッチンにする例が流行る
・床暖房が有効

⑦軒
・軒に柱が無いのは通り抜けと大工の腕の見せ所
・カンチ・レバーのため軒の下がりや樋の流れなど手入れが必要

 大変楽しくためになった、今までのセミナーで最も良かった

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