坂野直子の美術批評ダイアリー

美術ジャーナリスト坂野直子(ばんのなおこ)が展覧会、個展を実際に見て批評していきます。

愛すべきアニマルズ!

2010年05月30日 | アーティスト
どこか愛嬌のある動物たち。擬人化でもなく、その存在感と野性味は抜群。「三沢厚彦 アニマルズinTochigi」今年の初め栃木県立美術館で開催されていた展覧会に出品した作品です。くすのきの大木から掘り出された力強いノミ跡をそのまま残し、そこに鮮やかに彩色されます。
ライオン、キリン、シカ、ウサギ、ゾウ、クマなど従来の塑像の作り方とは異なり、記憶やイメージの断片から骨格のラインがきまっていきます。彫刻はほぼ実物大に制作されます。そのイメージの元になるのが、ドローイングです。水彩画は下絵というより自由でリアリティにあふれもう一つの独立した作品となっています。

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