神田日勝(かんだにっしょう)という画家をご存じですか? これまでさまざまな絵を見てきましたが、本や画集でその絵と出会って一目で衝撃を受けたことがあります。神田日勝「馬(絶筆)」(1970年作)です。日勝は32歳で世を去りました。2枚のベニヤ板に描かれた馬は胴体から後ろ脚が切れて制作途中であることが分かります。でもなんとその存在感の大きいことでしょう。その健気な命の美しさに強くひかれました。北海道十勝平野の開拓農民であった日勝のスケッチブックには、馬や牛のデッサンの余白に、肥料がいくら、機械がいくらと、農業経営のための計算がびっしりと書き込まれていたといいます。現実的な大地の厳しい生活の日々が、自己の魂と向き合う鮮烈な表現を生み出していったのです。
最新の画像[もっと見る]
- フェルディナント・ホドラー展 線の画家 10年前
- ロイヤル・アカデミー展 10年前
- 袴田京太朗 人と煙、その他 11年前
- 北斎 ボストン美術館 11年前
- 台北 國立故宮博物院ー神品至宝 11年前
- ポンピドゥ・センター・コレクション 11年前
- シャヴァンヌ展 11年前
- ルノワール礼讃 11年前
- 曽谷朝絵展と福田美蘭展 11年前
- 番外編です 11年前
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます