坂野直子の美術批評ダイアリー

美術ジャーナリスト坂野直子(ばんのなおこ)が展覧会、個展を実際に見て批評していきます。

美術家としての吉岡徳仁氏

2011年01月10日 | アーティスト
マルチメディアアーティストというと分野の異なる表現形式の垣根を超えて活躍する方で、現在では、デザインと美術家の仕事の領域も特定しにくくなっています。倉俣史郎氏の事務所から独立し、デザイン事務所を設立、スワロフスキーなどのショップデザイナー、空間デザインなどで世界的に評価されている吉岡徳仁(1967年~)さんは、近年では携帯デザインやトヨタとのコラボなどその仕事の領域は広がっています。美術評論ではなかなかデザイナーの方とのセッションはこれまであまりありませんでしたが、昨年、森美術館(六本木)で開催された「ネイチャー・センス展」に吉岡氏が参加。
掲載画像「snow」のインスタレーション作品では、幅15メートルもの巨大空間に百キロの羽毛を空間に浮かせて、見る者に新鮮な感覚を呼び起こしました。その作品が評価され、TOKYO Design&Art ENVIRONMENTAL AWARD(デザインアソシエーションNPO主催)における2010年のArtist of the yearを獲得。自然や環境への感覚を促すこれからの作品も大いに楽しみです。

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