坂野直子の美術批評ダイアリー

美術ジャーナリスト坂野直子(ばんのなおこ)が展覧会、個展を実際に見て批評していきます。

バルテュス展

2014年02月10日 | 展覧会
バルテュスの作品には、繰り返し少女が登場します。ときにはセクシュアルなポーズをとる少女たちは、画家自身の言葉で言うならば、「この上なく完璧な美の象徴」であると言います。
バルテュス(1908-2001)は、めまぐるしく前衛運動が登場した20世紀美術のいずれの流派にも属さず、ヨーロッパの古典主義を継承しつつ、独自の世界を築きました。
どこかアンニュイで、抑えた色調のマットな感覚は現代につながる独特の空気を伝えます。
本展は世界各国から100点を超える油彩画、素描などが登場。展覧会場には、晩年を過ごしたスイスの邸宅「グラン・シャレ」に残るアトリエを初めて再現されます。

◆バルテュス展/4月19日~6月22日/東京都美術館